第12話 幻想跋扈の古都《洛陽》 Act8 仙女麒麟
《洛陽外壁》
「くそっ! 油断した……あの規模の攻撃範囲を平気で放ってくるとは思わなかった。旧中国領は、上海にあった青魔核が失われて沈静化し始めたじゃないか? だから俺達はシバさんに頼まれてここまで来たんだぞ」
「見つけたぁ! シン君。無事だった?」
「千機 慧。お前、何故、こんなに入るんだ?」
「質問は後にしてほしいな。今は迫ってくる雷から逃げないといけないからね」
「迫ってくる雷だと?」
シン君は洛陽市の周辺を見渡し始める。すると色々な方向から、雷撃が洛陽外壁へと向かってくるのに気づいてびっくりし始めた。
「……何だ? このデタラメは力はこれが幻獣生物と言われる奴等の力なのか?」
「驚いているところゴメンだけど。お姫様抱っこさせてもらうからね。シン君…飛ぶからちゃんと捕まっててね」
「飛ぶ? お前はいったい何を言ってい…るぅ?!」
〖逆お姫様抱っこだとぉ!!(゜ロ゜ノ)ノ これは……〗
〖これは羞恥……シン君が顔を赤面させてる〗
〖しかし、後ろの稲妻の威力ヤバすぎだろう。だから各国の政府も五大 魔核領域の不用意に近づかないようさせたのか〗
〖ノストラダムスの大予言後に起きた魔核隕石飛来の時、アメリカ、イギリス、ロシア、中国、フランスの殆どの人間が死んだらしいな……〗
〖当時の記録では、十数億人がこの地球から一瞬でいなくなったと書かれている。そして、その後の魔核戦争、魔核領域奪還などを経て。世界人口は急速に減ってしまったと記録が…〗
〖考察中が騒ぎ始めたぞ〗
〖慧チャンネルは魔核領域で生配信されるからな。世界中の研究者が見てるらしい〗
〖配信開始、数ヶ月で凄いチャンネルになってきてるな。慧チャンネル…〗
◇
私はシン君を両手に抱えながら、城壁を飛び越えて洛陽市内の建物に着地した。
後ろからは激しい稲妻が城壁にぶつかって、轟音が響いた。
◇
《洛陽市内》
「よっと!……シン君。大丈夫だった?」
「お前。男の俺をお姫様抱っこだと? ふ、ふざけるな。俺は…何だ? この中は?……何故、桜の木々が生い茂り。獣が走り回っている? ここは魔核領域じゃないのか?」
「……上海やウラジオストクの時と同じ、魔核の園がこんな場所にもあるなんて」
「魔核の園? ここがそうなのか? この景色……まるで桃源郷じゃないか」
『そう。ここは余にが考え、造り出した魔核領域・雷源郷……何人間も脅かせぬ。神獣の場所だぞ。不届きな侵入者共』
「は? 何でこんな危ない場所に子供が?」
「この声はさっきの麒麟さん……が雷獣幼女麒麟ちゃんになっちゃった」
〖ウオォォオ! 可愛いぞぉ!〗
〖テイムしようφ(^Д^ ) テイムφ(^Д^ )〗
〖考察某やら科学者のコメントよりも俺達。幼女と少女を愛でるオタクの視聴者の方が圧倒的に数が多いんだよ。駆逐されろノストラダムス信者達〗
〖ハワワ(;´゜д゜)ゞ 麒麟幼女の登場で、コメント欄が大盛り上がりです~! 彗様~!〗
「うん。凄い勢いで同時接続も増えて……過去最高記録? 凄いよ。皆、もっと増えて。盛り上がって…」
『……おい! 黒髪女。貴様』
「何でこんな状況で液晶デバイスを見ながらニヤついてれるんだ? お前は」
シン君と麒麟幼女ちゃんが私を冷やかな目で見てくる。これは仕方ない事でしょう? 配信者は配信中の再生回数が多ければ多い程、顔がニヤつくものなんだから。
「い、いや。あのね。今、過去一番生配信の視聴数がね」
『意味が分からぬ事をほざくな。人間よ。喰らえ! 雷鳴』
「な? この質量の雷は?……不味い逃げろ。千機!」
「いきなり。フルスロットルで来るね。麒麟幼女ちゃんは……私と戦って焦り始めちゃった? アイ。《彗晶・六結》を解放……少し早いけど。殲滅モードに移行。決める」
〖───殲滅モードの移行を確認。《彗昌・六結》の解放を確認。三斜晶を出現させます〗
アイの言葉共に麒麟幼女ちゃんの周りを薔薇輝石の結晶が現れる。
『何だ? この朱き石は? つまらぬ物を余の周りに置くでな……余の雷が閉ざされる?』
パキンッ!
「バラ輝石……別名。ケイ酸塩鉱物。電気絶縁性に優れている結晶の1つだよ。《朱囲 》」
私は三斜昌でハリセンを造り出して、麒麟幼女ちゃんの脳天に容赦なく振り下ろした。
『がぁ?!……こんな一撃で余の身体に傷を負わせるなど』
「ここは戦場だよ。だから敵と遭遇したら全力で駆け抜けて行かなくちゃ。生き残る為にもね。だから。私は貴女を倒す。それが軍人の務め何だから……」




