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出立は朝が相場
次の日の昼には、旅の準備を整えユーグ、ウィレーム、マリアがユーグの店の前に立っていた。
「店は、ポウル君に任せる。君なら私の店を潰すことはないと思うが違う店にするなよ」
「当たり前ですよぉ。俺に任せるんですから大船に乗ったと思って行って下さいよ。マリアちゃんがいないのは残念だけど」
ポウルは、マリアにウインクをしたがマリアは眠いのか舟を漕いでいる。
昨夜早く寝ろと言ったのに、随分はしゃいでいたようなのでそのせいだろう。
それを見てポウルは、肩を下げた。
「それじゃ行ってくる」
「いっ……行って…きます」
眠気と戦いながらマリアが言う。
ウィレームを見送るものは、いないらしく店の前には誰もいない。
俺達は、城下を出て魔王討伐に出かけた。
「心正しきもの、弱きを助け希望を示すものに光の祝福あれ」
巫女リーディが呟いたこの一言は、静かな神殿に吸い込まれ消えた。




