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キラキラ光るのはなに?

「なんだかどんどん深いところに行ってる気がする」


ユーグ達とはぐれたクローブ達は、崖の登れる箇所を探して崖に沿って歩いていた。だがしばらく歩いたのにも関わらず登れそうな場所は見当たらない。

さらにいえば崖の高さが最初より高く。よりいっそう登ることを困難にしていた。


「うーん?なら引き返す??クーちゃん」


「いまから引き返したらきっと日暮れまでかかるよ。途中に野営出来そうな高い木もなかったし。だったら進めるだけ進んで野営したほうがいいと思う」


「クーちゃんすごいねー」


マリアが、クローブの頭を撫でる。クローブは嬉しそうに目を細めてされるがままになっていた。


「確かに坊主案外しっかりしてるな。よし、行くか!」


「言われなくとも行くよ‥‥あっ!」


クローブが前方を見て声を上げる。そこには、大きな丘のような場所があった。丘のまわりだけ木が生えず黒い地表が見える。


「雑草すら生えないなんておかしいな。土もサラサラしてなんだか砂みたいだ」


「しかもなんか温かい気がする?下にオンセンでもあるのかな」


「えっ!?温泉♪はいりたーい。掘ればいいのかなぁ」


マリアが砂を掻き出すと足元に砂が溜まっていく。さらに先ほどより周りが温かい気がする。


「お姉ちゃん、温泉入ってる場合じゃないよ。ユーグ探さなきゃ駄目だよ」


「そうだぞ、こんな悪目立ちしそうな場所にいたら危ないしな」


「仕方ないなぁ‥‥温泉入りたかった」


マリアが名残惜しそうに、もうひとかきすると何かがキラキラ光った。


「もしかしてこの中に宝石が埋まってるのか!」


「宝石より自分の命だろおっさん!」


クローブが止めても大人二人の勢いは止まらない。そのうちキラキラ光るものが鱗のような形状をしているのがわかった。


「もう、俺知らない」


クローブは、その場に座り込んだ。鞄が重そうな音をたてて地面にあたる。


「そういえば今なに持ってるか確認してないや。短剣は腰に挿したまんまだけど」


クローブは鞄を開ける。中には救護用の道具と砥石、鉤爪付きのロープや用途を教えられない金属の棒数本。もっと奥を見ると‥‥‥


「あれ?腕輪こんなのあったっけ」


木で出来た腕輪だった。光る石がいくつもはめられていて結構豪華だ。

じつはこの腕輪、ユーグがオークのところから持っていったあの腕輪である。この腕輪は、いわゆるクローブに対しての保険。

この腕輪があれば自分達に何かあっても、売れば金になるだろうとユーグが忍ばせた。しかし、クローブはそんなことなど知らず。


「うーん、なんであるんだろ。マリアお姉ちゃん、なんでだか知ってる?」


クローブがマリアに腕輪を見せようと腕輪を太陽にかざした。すると金属がすれるような音とともに腕輪が光りだした。


「おい、坊主なにやったんだ!」


「知らないよ!!」


変化はそれだけでなく丘が動きだす、それを見て三人は悲鳴をあげた。


「「「ドラゴンだぁー!」」」


青色の宝石のような鱗が日の光を浴びてキラキラ輝いている。対象的に夜の闇のように光を吸収しそうな黒い瞳を三人に向けた。

それを見てイフラが泡を噴いて倒れた。対象的にマリアとクローブは、興奮に目を輝かせてドラゴンを見る。


「可愛い!」「クール!」


ドラゴンは、二人を見て首を傾げる。


「僕が恐くないの?」


少年のような声が聞こえた。だがこの場にいる少年は、クローブのみ。だがクローブの声ではないのでドラゴンの声だとわかった。


「恐くない。クールだよ。いいなぁ翼」


「そう?お母さんもそんなこと言ってたなぁ。翼があったら飛んでみたいって」


「あなたのお母さん翼がないの?」


ドラゴンの母親ならドラゴンなのだから翼があるはずだ。


「だってお母さん"人間"だもん」


「なんで人間なの。君ドラゴンだよね」


「本当のお母さんは知らない。僕生まれたとき卵だけだったってお母さん言ってた」


ドラゴンが首をうなだれる。しかしクローブの手の中にある腕輪を見ると目の色を変えた。


「ねぇ、その腕輪僕に頂戴。代わりに何かあげるから」


「んっ、この腕輪?誰のだかわからないからあげる」


クローブは、ドラゴンの前に腕輪を置く。ドラゴンは、器用に爪で腕輪をとると大事そうに抱きしめた。


「そのかわり俺と友達になってよ!俺の名前はクローブ」


「私はマリア。私も友達になりたいな」


「友達‥‥?僕と??」


ドラゴンは、信じられないとばかりにまばたきした。しかし相変わらず二人は笑顔を浮かべている。


「「うん!」」


「友達なんて初めて!僕の名前はピアン」


「よろしくピアン!」


「よろしくピーちゃん!」


「マリアお姉ちゃんピーちゃんだと鳥の名前みたいだよ」


さすがにクローブも呆れる。


「えー、かわいいのに」


「ピーちゃんでもいいよ」


ピアンがあだ名を拒否しなかったのがクローブは意外だった。案外器の広いドラゴン!なのかもしれない。


「よかった~。この腕輪お母さんの形見なんだ。僕が寝てるとき誰かが持って行っちゃったんだよ。戻ってきてよかった」


「そっか‥‥」


クローブは、ピアンから目をそらした。たぶん泥棒の類が腕輪を持っていったのだろう。ひどい奴だと言いたいところだがクローブは、街にいたころスリと泥棒をしていた。


生きるためとはいえ盗られた人たちも、ピアンと同じ思いをしたのかもしれないと歯を噛み締める。


「クローブどうしたの?」


「何でもないよ」


魔王討伐の旅が終わったら、スリや盗みに入った人たちに謝りに行こうとクローブは密かに決意した。


「そういえばこわいドラゴンさんがいるって聞いてたんだけど大丈夫かなぁ?」


「こわいドラゴンさん?僕が寝てる間にそんなドラゴンが住み着いちゃったんだ。いやだなぁ」


「ピアンの他にドラゴンいなかったの?」


「うん」


ピアンが首を縦に振った。クローブはもしやと思いおもいきって尋ねる。


「ピアンってさこう‥‥怒って何か壊したことある?」


「お母さんの腕輪を持っていかれたときかな?色々な村に聞いてまわったけどみんな知らんぷりするの。


だから怒って吠えたら火がでちゃって慌てて逃げちゃった。何回かくりかえしたらなんか呪文唱えられてクローブ達に会うまで寝てた!」


「‥‥こわいドラゴンってピアンのことじゃない?」


いままで聞いていた話と合致しすぎている。こわいドラゴンの見た目を聞いていなかったから完全に断定できないが。


「そっかぁ‥だからかぁ」


ピアンは、ちょっとしょんぼりしている。可哀想なので鼻?を撫でてみた。


「僕、嫌われちゃったんだね」


「間違ったと思ったらまず謝ってみたらどうですかねぇ?」


「謝ったら許してくれるかな」


「私にはわからないです。でも気持ちは、まっすぐ伝えようとすれば伝わるものです。お姉さんが言うんだから間違いないですぅ!」


マリアが鼻息荒く胸を張って言う。それを見てクローブとピアンは笑い出した。


「なんで笑うんですかぁ!私は大真面目に言ってるんですよぉ」


マリアが不服そうに頬を膨らませた。


「ありがとう、マリアお姉さん。僕やってみるよ」


「そのいきです!」


「ピアン謝りに行くってことは村に行くんだよね?俺たちも村に連れて行ってくれない??」


「友だちのお願いならお安いご用だよ。あとクローブこの倒れている人も連れてくの?」


ピアンは、イフラを指差す。ピアンを見て気絶したまま起きていない。


「うん、お願い」


「じゃあ、二人とも僕の背中に乗って!」


クローブとマリアは、ピアンの背中に乗った。イフラは、気絶しているのでピアンが手で持つ。


「いっくよ~♪」

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