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お支払いは現物でもいいのですよ

「型は力強く美しいですが実践を積んでいませんね」


俺は、相手の男の拳をよけて懐に入る。

そのままの位置で相手の右腕に左肘を当てる、腕は横に弾かれ体のバランスが崩れた。


「攻撃とはこうするのですよっ!」


バランスが崩れたままの体に右足でわき腹を蹴ると、勢いが良かったのか足がわき腹にのめり込む。

そして相手は、横に吹き飛んだ。


「このやろう!食らえ氷狼」


氷の狼が足をつくたびに地面を凍らせこちらに走ってくる。氷の狼に石を投げると石が凍った。


「魔法しか効かないわけですか。なら、最近入荷したこれを試しましょうかね」


ユーグは、ベルトにつけていたバックから拳銃をとりだす。


「そんなものだしても無駄だ!」


ユーグは、ゆっくりと銃口を狼に向け発砲した。

銃弾は、狼によって凍らされると相手の男は笑みを浮かべる。

しかし銃弾は、凍らなかったばかりか狼の中で弾け狼が"溶けて"バラバラになる。


「なっ、なんだそれ‥!?」


「新商品の魔導銃です。それにしても使用魔力の割に威力が強いですね」


本当なら一週間後に売り出す予定だったが、私がいない店でこれを販売するのは危険ですね。


「反則だろ!」


「三人で一人を袋叩きにしようとする人物が言える言葉ではないと思いますが」


「調子に乗りやがって!!吠えろそして砕け氷熊」


言った途端にかなりデカい氷の熊が出来上がった。

これはずいぶん出血大サービスな魔法を使ってくれる。中級でも魔力を多めに入れれば威力が増す。


どうしようか連続で打てれば勝てそうだがコレは連続で打てない。

それにはっきり言って射撃は得意じゃない、さっきだって引きつけて近かったから当たったのだ。


「仕方ない。"二丁"で」


連続で打てぬなら打てるように足せばいいい。

俺は、魔導銃をもう一丁だした。


「嘘だろ!?一丁しかないんじゃないのか??」


標準を突進してくる熊に向ける。

狙うは、襲いかかろうと立ち上がった瞬間。


「誰も一丁だけとは言っていません」


そして狙うのは眉間と腹、銃弾が弾けて熊がバラバラに砕ける。

残るのは、熊だった氷のみだ。


「取引終了です。またのご利用をお待ちしております」


魔術を使っていた男がヘタレこむ。


「こんな奴相手に勝てるかよ!」


最後のひとりが二人を引きずり外に出て行く。

それを確認してから俺はため息をついた。

誰がやったか知らないが屋根を吹き飛ばしやがって。いくら弁償しなきゃいけない?


「ユ‥グ」


「クローブずいぶんやられたな。でも手当ての前にそこから出さないとな。初級魔法使えるか?」


「うん、でも少しだけ‥だからちょっと溶けたら上に引っ張って」


「わかった」


そう返事をしてしばらくするとクローブの周りが溶けてきた。とりあえずクローブを引き抜く。


「足だけびしょ濡れだな。お漏らしみたいだ」


「漏らしてない!」


「わかってるよ。ほらっ」


俺は足元にあった帽子をクローブの頭にのせた。

クローブはその途端に頭に手をのせて後ろに下がる。


「んっ?どうしました」


「ユーグ‥‥俺本当にいていいの?」


「いていいよ」


「亜人でも?」


「亜人でもとは?」


「亜人は軽蔑される‥」


「私は自分がいいと思った商品しか取引しません。意味がわかりますか」


「わかんない。だってユーグ難しい言い方ばかりするし。俺をもの扱いするし‥」


「‥‥‥」


気まずい雰囲気が流れる。だからこの位の歳のガキは苦手だ。ものの本質がわかる子どもと言葉の意味を考える大人が入り混じる。

たぶん子どものクローブは、結果はわかっている。でも大人のクローブはそれを認めない。

クローブが迷うというのは当然で頭と心がちゃんと成長してきている証拠。

でも、俺としてはとっとと宿に戻りたい。


「ユーグさーん!終わりましたかぁ?」


蹴飛ばした扉からマリアが顔を出す。


「えっ?マリア!?」


「わだじも‥いまず‥‥。ユーグ殿‥いままでの‥びれい‥を詫びだい‥」


あとからウィレームが顔を出したが何故か男泣き。


「あの‥なぜウィレーム様は泣いてるんでしょうか」


「なんかユーグさんとクーちゃんの会話を聞いてたら泣きだしちゃって‥‥」


あれで泣いたのかこの男は。


「そうそう、クーちゃんこっちおいで治療するから」


「治療?手当てじゃないの??」


クローブがマリアに走り寄る。

マリアはクローブの顔に手を伸ばす。痛かったのか少し顔をしかめる。


「ごめんなさい痛かった?私は魔術で治療出来るんだよ。もう痛くないでしょ」


「うん、痛くない!すごいね、おねいさん」


その言葉にマリアは一瞬顔を曇らせるが、いつもの脳天気そうな顔に戻る。


「一緒に宿に帰ろう!」


「でも‥俺‥‥」


「ねっねっ、クーちゃん耳貸して」


マリアがそういうとクローブが耳を貸す。

しばらくすると驚いた顔を浮かべてから笑顔になった。


「ユーグ!俺一緒に旅行くよ!!」


「いいですけどマリアになんて言われたんですか」


「ひ・み・つ♪」


ニヤーとした顔を俺に浮かべてからマリアの隣を歩きだす。

必然的に未だなお泣いているウィレーム街中でものすごく目立った。


「気になるな」


「なにがでずが」


いい加減泣き止め。

しかも小声で言ったのに聞き取るな。


「何でもありません」


マリアはクローブに何を言ったんだ?


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