マネージャー就任?
「――は、初めまして。二年五組の、光月弥夢と申します。まだまだ未熟な身ではありますが、少しでも皆さんのお役に立てるよう頑張ります。よろしくお願い致します!」
それから、数十分ほど経過して。
そう、何ともたどたどしく挨拶をする僕。最初に蒼那さんと稲垣先生、そして彼女達につられるように疎らな拍手が届く。……うん、なんだか申し訳ない。
さて、今いるのは体育館の隅の方――この度、女子バレー部のマネージャーとなった僕が、部の皆さんの前にておどおどと自己紹介をしているわけで。
「さて、光月くんの紹介も終わったところで、さっそくみんな練習に――」
「……すみません、監督。ちょっといいですか?」
「どうしたの? 里崎さん」
すると、ビシッと挙手をしつつ稲垣先生の言葉を遮るショートボブの女の子。そして、
「……私達、遊びでやってるんじゃないんです。こんな時期に急に……それも、仕事がある日は途中で抜けるって話ですよね? なのに……そんないい加減な人がこの部に入るなんて、私は反対です」
そう、断固した口調で告げる。そんな彼女――里崎さんが言った僕の事情については、先生と蒼那さんが事前に皆さんに話してくださっていたとのことで。……とはいえ、その仕事がコーチであることは言ってないのだけども……うん、申し訳ない。
「――ねえ、里崎さん。そもそも、これは私が――」
「――いいんです、蒼那さん」
「……弥夢くん」
ともあれ、庇おうとしてくれた蒼那さんの言葉を申し訳なくも遮る僕。もちろん気持ちは嬉しいけれど、これは僕自身が答えるべきことであり、蒼那さんに押し付けていいことじゃない。なので――
「……里崎さんのお言葉、ご尤もだと思います。そして恐らく、彼女と意見を同じくする方も少なくないと思います。なので、僕からの提案なのですが……まずは、仮入部という形でいかがでしょう?」
「……仮入部?」
「……はい。入部テスト、と考えていただいても差し支えありません。一定の期間、マネージャーとしての僕の貢献度を皆さんで評価してください。そして、僕のことを不要だと感じたら遠慮なく仰ってください。残念ですが、その際は入部を辞退致します。……それなら、よろしいですか? 皆さん」
「……まあ、そういうことなら」
そう、なるべく皆さんの目を見ながら控え目に尋ねてみる。すると、そういうことなら、と里崎さんを含め頷く皆さん。そして、反論が難しいと判断なさったのだろう、稲垣先生と蒼那さんも複雑そうなご様子ながらも控え目に頷く。……うん、これでいい。皆さんのお役に立てなきゃ、僕はここにいる資格はない。そして、資格は僕自身で掴まなきゃいけないものだから。だから――
「――改めてですが、よろしくお願い致します」




