そぉぉぉれ!
ぴっちりとしたドレスの上にイグナーツ達が着ている学ランもどきを着るようになった。
流石父上分かってる父上様々だ。
イグナーツは時々手を触ってくるけれどセクハラすることをやめた。
ローラントもイグナーツにセクハラしたことを怒られたのかセクハラはやめた。ただ、訓練と称して私の攻撃を受けて恍惚な表情を浮かべている。セクハラされなければいいが、私より強い男がゴロゴロいるのだからそちらに頼めばいいものを……。
アランは相も変わらず女性をとっかえひっかえ。当人たちが納得しているならいいが闇が深いなと溜息をつく。だからと言って私が助けるのかと問われれば厄介毎はごめんだと丁重にお断りさせていただく。
平和な日々だった。そんな日々も今日で終わり。
明日から学園の騎士科に通うことになった。記憶が戻らなければ学園は通えないはずだったらしいが戦闘能力が高いからとイグナーツが説得してきたと父上はぐったりとした調子で教えてくれた。
私も騎士団で色々な人と話をしたからか覚束ないが言葉も理解できるようになったし伝えることもできるようになった。
それからそれから銃は緊急用として騎士全員に属性付与して配給されることになった。
銃を所有する人が使えない魔法を使えるようにと怒りに任せたダンジョン攻略で使えるようになった中級魔法1段階目を付与する作業を永遠と行った。
撃ちやすくなった銃に興奮して騎士たちは銃の練習に余念がない。減る事のない銃にブチ切れたことは言うまでもない。
私が学園に行っている間は魔導師様と中位魔法が使える人、学園が休みの日は私が属性付与することに決まった。
「明日から学園だが、準備はできているのか?」
「はい。滞りなくですわ」
「そうか……毎日顔を合わせることもなくなるのだな」
「えぇ。勉学、励みますですわ」
「寂しくなったらいつでも会いにこい」
「一生、会うなりませんですわ」
「会いに来て!!」
「一生、寂しいなりませんですわ」
「辛辣!!」
「休み会えるです」
「ぐぅ」
うめき声をだしてイグナーツは重厚な机に項垂れた。ちょんと手に触れれば力強く握り返してくるイグナーツの恋心に気づいてないフリをして飴を与える。
ステファニーが戻ってきたとき誰を選ぶのか分からないがイグナーツも普通にしていればオススメ物件だと私がいる間はイグナーツには悪いが飴と鞭を与えてやり過ごすことに決めていた。
無言で手を触れ合っていれば扉が勢いよく吹っ飛んできた。
「敵襲です!」
「どこだ!」
「射撃場です!」
走るより運んだ方が早いと俵運びをされ、お腹の圧迫具合がやばいと思いながらも緊急事態だと緊張に体を強張らせていたのだが、イグナーツが尻を触ってくるので私もイグナーツの尻を鷲掴みしてモミモミする。
今の状況がどうなっているのか聞けば最高。だという。お前じゃねぇよ! と手に力を入れてひねれば最悪だと言われた。
最悪って……。
「尻って捻られるとすごく痛いんだな最悪」
『アンタの尻の状況を聞いてるんじゃない!』
「ん? ステファニーは怒ると何言ってるかわかんねぇから落ち着け」
『アンタが悪いんだろ!!』
銃声と怒声が響いてきて無言になる。
肩から降ろされて後ろを振り向けば、敵国の軍服をきた仲間が目の前に迫ってきていた。
寝返ったのかと構えようとしたらイグナーツに腕を盗られて呆然とする。
「団長!! 敵と寝たです!」
「誤解招くこというな! 寝返ったって言うんだ!」
「陛下にちゅうしたのに敵と寝るなんて最低ですわ!」
「忠誠って言って! 忠誠って! 俺が男色みたいな言い方やめて!」
寝返ったイグナーツと男共に囲まれて殲滅するのムリだろと立ち尽くせば「そぉぉぉれ!」の掛け声と共に私の体が宙に浮いた。
「入学おめでとーーーー!」
胴上げされ、空に向かって一斉に銃が発砲される。
まてまてまて。だれがそれに属性付与させるんだ。無駄撃ちやめろって。ほんとやめて。嬉しくない。
嬉しくないけど祝ってくれたのが嬉しくて無駄撃ちする人間を投げ飛ばしに周る。
文官の人達が来たり、王様を引きつれた父上が来たり、日本の宴会のように一発芸が始まったり模擬戦が始まったりと大規模な無礼講の宴は夜まで続いた。




