2018年新春特別編「春は春でも子供に見せられない春が此処にある(夏)」前篇
※こちらのエピソードは2018/06/19に短編扱いで投稿していた特別回を移動したものです。
第1節 春とは何だろう(哲学)
「新年明けましておめでとうございま〜す」
アレスから始まった新年のご挨拶。
「2018年も、鉄のアレスをよろしくお願いします!」
和装に身を包んだ彼ら楓・ソフィア・ソード・師匠・土鍋太郎くんMk-II・アカマタのキンくん・ゼウスパパもそれに続いたわけだが……。
「って、何か変なの混ざってんじゃあねえかあああ!!!!師匠以降のヤツ誰だよテメェらああ⁉︎」
(やべえ…、土鍋太郎くんMk-IIとかいう完全に脈絡もねえ奴がいるぅ…!しかも土鍋太郎っていうかモロ土鍋なんですけどぉ…!Mk-II要素全然見当たらねえぇ…!)
「あ、おひさっすねキンです」
「熱湯掛けてぬっ殺したヤツ居るんだけどぉ!」
黒・赤・黄の鱗に覆われた沖縄のヘビである。元々アレス達と遭遇する前のソフィアの使い魔だったのだが、楓邸に忍び込んでアレスを襲撃した際、楓にグラグラの熱湯をぶっ掛けられて撃退されてしまった雑な扱いに定評のあるキャラクターだ。
「雑な扱いって公式なんすかぁ!」
「知らねえよンな事はよーう。つーか対面した時こそ無言だったけど最初あれじゃなかったか、沖縄弁キャラで売ってるんじゃなかったんか」
記憶にない事まで憶えているアレス、不思議ですねぇ…。
「キャラじゃねえ、ボキは元々沖縄出身じゃ。だがすっかりボキも東京被」
「ここ埼玉ですよ」
「ボキも東」
「いや埼玉ですってここ」
「ボ「埼玉だって。また熱湯掛けますよ?」
「ひえっ…」
あの鬼畜女の名前は細田楓。我々の天敵にして、俺らを居候させてもらってるこのまあまあでかい和風家屋の実質家主にして一人娘。日本人特有の黒を帯びたショートヘアと、埼玉県民らしい慎ましやかなおっ
「殴りますよ?」
まじですいません楓様。
「おいアレス、パパが来てやったぞ」
「それはともかく、まあこんな調子で今年も張り切っていこうじゃねえか。なっ?」
「無視すんなゴラァー!!」
・
・
・
あれから約5ヶ月が経過した。
「おい、おいこれ新春特別編じゃねえのかよ、なんでこれ、新春どころかただの春じゃねーか!それどころか春っていうか4月すっ飛ばしてもはや6月だろがぁー!ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!」
先程までの正月ムードはどこへやら。
「しかも6月も終わりかけ、春どころか夏突入の流れですね」
口を挟んだのは蛇の魔物ことソフィアだった。
「しょうがないじゃないですか、作者が最近○GOにどハマりでイベント回しまくってるんですよ?『○っきょコラボ復刻だわーい!』だの「呼符で玉藻サマー当てたああ』などと狂喜乱舞してるんですよ?」
「くっそメタい話すんのやめーやソフィア。つーかあのやろ無駄に引き強なんかよ…」
「おまけに最近なんかエロゲーにハマり始めましてね…、○たわ少女で遊んでは華子がかわいいだの静音と結婚したいだのリリーから産まれたいだのと言い出し、母性○ノジョを起動しようものなら『美織ママ…」などと呟くこの始末」
「リリーから産まれたいはさすがに草を生やさざるを得ない。…オレもリリーのあんな母性に包まれながら一生寝てたい、あわよくば母胎に還りたい、さっさとこんな異世界蔓延るサイトに慎ましく投稿され始めた、こんなメタ要素満載な糞小説の主人公なんざほっぽり出して○ラクエⅤをまたやり」
「ふーたーりーとーもー?」
楓が楓宅の居間でくつろいでいる二人の背後でバキバキボキボキと拳を鳴らしている。最初期と比べて明らかにバイオレンス度が高まっている。むしろ、バイオレンスのバの字も無かったはずだ。
「おや、エロゲの話ですか?興味ありますねぇ!」
一見ノンケと見せかけたくさそうな発言と共に沸いてきたパツキンのショタコン女騎士変態宇宙人ことソードが○ラクエより前の発言に食いついてきた。
「おいなんだってんだソード、ビアンカとフローラならもちろんビアンカを選ぶに決まっ」
「あ、そっちじゃないです」
ジェネレーションギャップに並ぶであろう残酷な言葉をオレはまだ知らない。
「あー…、まさか宇宙にも地球のエロが伝播しているなどとかそういうこと言うんじゃないだろうな?」
そういえば今日はいつも装備している鎧が見当たらない。縁沿いを青いイナズマのような刺繍が駆け巡る赤いヘソ出しTシャツに丈の短いジーパンという、これからの時期を意識したようなカジュアルな格好をしている。
「やはりこのソードが推薦する作品といえば、やはりFat」
「お前の見た目通りの作品を挙げんな!ただでさえそのアホ毛とかその他もろもろがクリソツなのにそれ以上言ったら存在そのものが危ぶまれるんだからな!確かにあっちの○イバーに対してお前はソードだが!ソードなんだが!」
アレスとソードの著作権ギリギリな会話が繰り広げられている中、黙っていれば童顔の高二に見えてしまう若い見た目が特徴的な名前を知らない彼は大きな池のある庭を眺めながらお茶を啜る。
「もうすぐ春ってか、なっ。2018年の春ってのはまあまあ気温ある方だよなって本来はそうセリフ通りに喋るつもりだったんだが、残念ながら今は夏。だから言わせてもらおう…。もうすぐ夏っ」
「だから既に夏だっつってんだろうがああああああああーーーーー!!!」
本来ならば2016年の夏が舞台なのだが、今回は特別編なのであまり気にしてはいけない。劇場版○ラゴンボールZのブウ編に差し掛かった辺りを観ている感覚でいいのだ。ていうかそもそも1月中に仕上げてしまおうと思っていたらいつの間にか夏に差し掛かってしまっていた。これもきっとゴルゴムの仕業に違いない、光太郎もきっと賛同してくれる筈だ。
「あーあ、今日もうやる事ねえなぁ…」
畳の上でバンザイするアレス。すると、
「んじゃ今日はこちらのエロゲーコレクション達で遊ぶのはどうでしょうか!!!??!?!!」
ソードはまだ春だというのに熱にでもやられたのだろうかと思わせるぐらいに興奮している。冗談抜きで目がキラキラしている。両手で抱えるおねショタ物のゲームなんてよく集めたものだ。そもそも何処からそのパッケージ×6本を取り出したのだろう、あまり気にしてはいけないのだろうか。
「師匠はもう眠い、寝る」
今年の春は暑い方らしく、今朝のニュースで観たお隣東京の気温も時期にしてはそれなりだった。
「こんな暑さだってのにどんだけ元気なんだよ、げんきげんき○ンタンかよ。まあいいや、予定のよの字も無いしな、よーし。楓、パソコンあるか?」
「えっ、ほんとにやるんですかそのエ…げふんげふん」
未成年、それも女子高生を相手にその単語を言わせようとする辺りがアレスである。今ならまだ間に合う、お巡りさんを呼ぼう。
ソードはそれらを尻目に今日遊ぶ作品をじっくりと選んでいる。
ショタ×ショタ
ショタ×拷問ロボット
おね×ショタ
ショタ×従兄弟の大学生
「よーしおねショタだー!おねショタしかないよなあ?!おねショタ以外にどうするってんだ!っていうかおねショタ物のゲームってなんだこれ…初めて見たわ…」
1時間後。
「あのー…『IA!IA!』」
「おい待てソード、この場面でその選択肢はあか」
アレスの呼び掛けも虚しく、
「うひひひひひひひひ、『IA!IA!』ここはもうこれっきゃないでしょー⁉︎⁉︎⁉︎おほぉ〜!!」
▶︎諸太郎からもう一発だけ搾り取る
▷この辺りでやめる
5分後。
「やらかした…」
「おいおいおい、マジでアイツ死んだわ」
モニターに映し出された諸太郎の最期の姿。
やけに青白い肌の表面を汚す白いナニかはフローリングにもペンキバケツを裏返したようにぶちまけられており、とてもイカ臭そうに思える事故現場を作り上げている。
「イキ過ぎたんだ…、諸太郎は命を燃やして灰と化したんだ。性の悦びを教えてしまったがツキの尽きだったんだろうな」
「イキスギィ…ましたね…。『IA!IA!』限界ギリギリまで搾取しようと攻め過ぎてイキ過ぎてしまいました…。ああ…無常、そして皮肉。ショタコンたるわたしが1人のショタを腹上死させてしまった。この償い、果たしてどう致せば…。そうだ…、このわたしが諸太郎の分まで致」
次にソードがPCに挿入したのは、ショタと一人の若者が肩を並べてピースをしているパッケージが特徴の作品だった。当然だが18禁である。
「交通事故で両親を失った少年・昇太を『IA!IA!』である大学生2年生の健が引き取って面倒を見るところから始まるんです。何と言ってもこの2人の良さはその身長差にあるんですよねぇ…。それがそのまま昇太と健の微妙な距離感になってると言いますか、何ですかね…もはやわたしごときの言葉なんかで表わそうとしてはいけない域に在るんですよ、尊過ぎるんですよ、すこぶるいいんですよその…イチャラブ感」
「うおお…説明長え、尺考えろぉ…。あ、ちょいええか?いま何である大学生って言ったよ」
「えっ?ああー、従兄弟です」
「あーっと、どうも。言いたい事は何となく分かった。このジャンルはソフィアの方が理解を得られるだろうな」
そうだ、この手の兜合わせ物が好物なのはやはりソフィアだ。ていうかさっきイアって聞こえなかったか、気のせいなのか、疲れてるのか。いや、最近そんなに忙しくもないので疲れてるって事は無いのだろうが。まあ、気にするほどでもないか。ただの空耳だろう。
1時間後。
「ああ…良い、はぁぁ…、昇太の服を脱がす場面の健エモぉ…!何なの乱暴ながらも優しいあの脱がし方ぁ…!そして出し挿れする時のあの『IA!IA!』…あーもう、やばいですね★」
「良いですねぇ…やりますねぇ…。ソフィアさん、『IA!IA!』買って正解でしたねぇ」
「ええ!ええ!最高でしたとも!ショタはやはり攻めに回らず永遠に犯されるべきなんですよ!」
「そうですとも、ショタはその力の差によって犯されイカされてこそショタなんですよ!攻めショタなんて来たら発狂しますね…、『IA!IA!』発狂し過ぎて八極拳ですね!ん、今なんか言いました?イアって」
「えっ?」
「あっ」
「あー…その、これはですね」
楓が何かを抱えている。
吸盤まみれの短い触手。歪な鋭さを見せる白い牙の数々。気味の悪い真っ赤な両眼でアレスを睨み付けてくる正体不明の全身真っ黒な生物。
「何だこれ…何だこれ…」
『IA!IA!』
第2節 異形
『IA!IA!』
「おいコイツを早く黙らせろ、ぶつ切りにしてタコ焼きの具にすんぞ」
『IA!IA!』
うるさい、とにかくうるさい、このまま夜を迎えようものなら確実に近所から怒鳴られる。さすがにこのままにしておくのは不味いのだ。
「楓ぇ…何とかならねえのかよこの『IA!IA!』ぁ…、って神が喋ってるときに口挟むんじゃねえ!」
『IA!IA!』
「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)」
「お前が一番うるさい定期。もうそれより『IA!IA!』します?このタコさん。偶然玄関の前で拾ったとは」
「拾ったぁぁぁぁぁー⁉︎⁉︎⁉︎おい楓、それが犬に見えるか?猫に見えるか?○ヴ・サンタクロースに見えるか?そうじゃねえだろ、コイツは紛れもない『IA!IA!』だろうが!ってうるっせえぇぇ!」
何だか知らねえが、イアイアばっかりでとにかくうるせえな…。ていうかコイツは具体的に何なんだ、少なくとも地球上の生命体では無さそうだ。コイツの"解らない"という何ていうか…、その…、何かもう訳分かんなくなってきちまった…。
『IA!IA!』
解りそうで解らない。
『IA!IA!』
解らなさそうで解らない。
『IA!IA!』
解らねえ…何なんだよ…、「イア…、イア…」
『IA!IA!IA!IA!』
はっ…、何言い出してんだよオレ…。しっかりしろ、呑まれるな、コイツのペースに呑まれてはダメだ。オレの直感がそう言っている。
「おい、お前ら!…おい、何言い出してんだよお前ら…」
遅かった。
『IA!IA!』
このタコ野郎、
「いあっ!いあっ!」
楓を、
「イアっ…イアっ…、ふふふふ…」
ソフィアを、
『IA!IA!』
取り込んでしまった。
「いあっ!い「イアっ…『IA!IA!「いあっ「イアっ…ふふふふ…あははは…、キテ、アナタモイッショ…。イアっ…「いあっ!『IA!「い「ア「っ『!」
やめろ…やめろ…、ただのイタズラだと今言えば許してやる…だから…やめろ…。もう…それ以上…、何も、言うな…!
もが…もごぐあ…もあ…、「い…あ…、いあ…、いあ、いあ…いあ…、い」
「そこまでよ!今、助けてあげるね!」
その声は…、ソード…なのか…?
「一時停止!」
「…くっ、ここは…?」
何かの拍子に頭を打って気を失ってしまったのか、それともやはり錯乱しかけていたのか。そりゃあんなものを目の前にしてしまえば脳の一つや二つぐらいは余裕で狂うもんだ。それこそ後者なんじゃないのかと、冗談までに考えていたのにそうとすら思えてしまう。
「時間のアルケーで一時的に世界を一時停止させて、その間に時間の一部を切り取り一つの別空間を作った。そこにアレスくんごと隔離したってわけ。これで理解かった?」
「ああ、分かったさ大体な。命令系 属性の最強能力、時間操作のチートっぷりが身に染みたぜ」
ウェポル星出身のショタ大好き変態宇宙人女騎士ことソードは時間の属性を持っている。一つの時間をまるでビデオテープのように扱い、それをさながらレコーダーのように自在に操ることが可能なのだ。怪我しようものならその患部のみを巻き戻し、敵に対して早送りを行う事で老いを与える等々…。体力消耗こそ激しいものの、非常に強力な能力と言える。
そんな彼女が作った時間隔離空間だが、そこの時間を切り取ったというだけあって景色は先程と変わらない、楓邸の縁側であった。ただ、あの黒いタコを含む楓とソフィアが居ない事と世界の全てが停止した状態である事を除けばだが…。
「すっげ…、庭の池までカチンコチンじゃねえか」
不思議な光景だが、池の上を歩けるのだ。ガラスの上とも違う、質量があることの安心感を足の裏が認めてしまう。しかも触れた部分が濡れていない。さすがに湿り気のようなものは触識可能なのだが、濡れるまでには至らない。不思議としか言いようがない状態だ。
「そんなことより、アレを何とかする方法を考えなくちゃ」
「そう…だったな」
危うく好奇心に記憶を抹消されるところだった。オレの悪い癖が稼働する前にブレーキをかけた。
「うーむ…正体が分からん以上、まだ何とも言えねえっていうかよぉ…」
「分からない…、分からない…?それだわ!」
「何か知っているのかソード」
「ええ、だいぶ前に人外同士の触手凌辱系おねショタエロ同人誌を趣味で描こうとした際に参考にしていた資料に載ってたのよ」
待ってその経緯怖過ぎる、ソフィアといい勝負じゃないか。
「え、えーと…、何てタイトルなんだ?」
何となく、いやーな予感がしてきた。
「その名もズバリ、『ラヴクラフト全集』!!吐き気を催す宇宙的恐怖が貴方を狂気に導きますって触れ込みで〜」
「しってた」
「しられてた」
魔物に宇宙人ときて、今度は何が来るかと思っていたらクトゥルフ神話とは。
「大体、クトゥルフ神話つったら言ってしまえば一つのフィクションのようなも」
「ギリシャ神話だって他所の事言えないんじゃないですかねぇ…」
「ぐぬぬ…」
ソードは縁側に腰掛けると、得意げに見せているのか金髪の毛先をくるくると巻いて遊び始めた。
「その内の旧支配者みたいな邪悪な神性を持つ存在に対してその信徒が崇拝を表す言葉として、さっきのタコが連呼していたイアってのがあるの。でも違和感があるわ…。普通ならイアの後に名詞が入る筈だもの」
「どういう事だ?」
旧支配者?えっ、何それ、今回ずっとエロゲーだけやって済まそうとしていたのに突然こんな状況に襲われた上に意味不明な単語まで出てきた。混乱しかけているアレスにはまるでサッパリだ。
「イアっていうのは単なる感嘆詞でしかないのよ。本来は崇拝対象の前に付けられるだけの存在だというのに、アレはそれしか言わない」
「それしか言葉知らないとかは無いか?アイツはチビだったから多分産まれたてなんじゃなかろうか。そんで一番真似しやすかったイアだけ覚えていた…的な」
「なるほど…。特に深い理由もなく、単純にその可能性が高そうですね…」
「それに旧支配者の信徒っていうか、あいつ自体その旧支配者のガキかもしんねえな。産みの親に対して投げかけられた崇拝の言葉をその傍らで聞き続けていたことで覚えちまった感じ」
「見るからに信徒って雰囲気でもないですし、その線はあり得るかもしれない…」
うむ、ありゃどう見てもやべえ神性持ちに違いない。こればかりは確信しか持てない。
「旧支配者の子ども…、つまり人外のショタ…」
「んじゃそうと決まればぶっ殺すしかないよなあ…って、ソードさっきから何呟いてんだ?」
「あの…、命、奪っちゃうんですかぁ…?あのいたいけなあのタコの子から…」
「涙目で言われてもどうしようもないだろ…。あいつはな、存在するだけで実害を引き起こすやべー奴なんだよ。その親には申し訳ないが、やはりズタズタに引き裂いて殺害するしか」
元々あんな煩いやつに情けをかけるつもりは全く無かったのだが、そんな事言われるとほんの僅かではあるが軍神の心にもひと時の躊躇いが現れてしまう。
「もう…、ショタを喪うわけにはいかないんです…。また諸太郎のような惨劇を産まないためにも…」
「(体格的にあのタコと合わない気が…、いやいや)分かった分かった、そこまで言うならやってみるよ。だが、生け捕りが本当に困難になったらそん時はぶち殺す。いいな?」
「ありがと…」
どうしてソードがそこまでショタに固執するのかはオレには分からない。だが、そいつの鼻提灯を何とかしてやらないとと思うとそんな返ししか出来なかった。
「ひとまず例のクソガキは身柄を確保する方向で行く。にしても実際上手くいったとして、その後どうするんだ?あんな奴の親の居場所だって分からねえのに」
「ーーそれなら任せな、捕まえたらそいつを次元跳躍して送ってきてやるよ」
「師匠…⁉︎寝ていたはずでは…」
そのグシャッとした寝癖を手櫛で誤魔化そうとしている人物の存在に、ソードはやはり驚きを隠せない。
「んな状況でゆっくり寝られるような阿呆がおるか。…それより、クトゥルフ神話のバケモンがさっきから人に取り憑きながらウロついてんだろ?居場所なら分からなくもねえさ」
「マジかよ師匠」
「マジやぞアレス」
ここまで頼りに見えるのは正直言って、最初で最後かもしれない。
「クトゥルフだからぁ〜、幻夢境だっけか」
アレスが適当な事を言う。
「そいつは逆だぞアレス。幻夢境に居るのはむしろ旧支配者とは相性最悪の奴らが住まう土地。ほんとに大学を飛び級で卒業した者とは思えんな」
「何でだよ!ラヴクラフトは大学関係無いだろ!いい加減にしろ!」
「濃霧が悪いんですよ濃霧が〜」
「何でや!阪神関係ないやろ!」
宇宙的恐怖と猛虎の黒歴史が合わさり混沌に見えてくる。
「まあとにかくだ。そうと決まればあのタコ野郎をさっさと生け捕りにして、元居たタコ壺にぶち込んでやろうぜ」
「そうだよ(便乗)」
「おっ、そうだな(適当)」
「(何だこの2人…、まるで野獣のようなくっそきたない口調というか…、まるでホ)」
後半へ続く。
「○びまる子ちゃんのCMみてーな入り方すんなや、○ートン山田かこのヤ」
後篇、果たしてあの触手で黒いやべーやつを何とか出来るのか。




