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鉄 (くろがね)のアレス!  作者: ユッキング加賀


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5/10

第四章「アレスは討つ」

前回の、あらすじィィー‼︎

 主人公アレスは、何の変哲も無さそうなヤンキー高校生こと錠示 雄成《じょうじ たけなり》を、学ラン姿の総長である西村佻助《にしむら ちょうすけ》が率いる集団から救出した!

 そしてアレスからの提案により、雄成は必殺奥義である『波紋撃』を修得する事になったのである!

 その日の晩、率いていた仲間や全てを失った男"西村佻助"は、姿形の見えない謎の人物に『覚醒の丸薬』を飲まされる事によって、熱のアルケーに目覚める!

佻助はその能力をモノにする為、1人で特訓に励げむのであったッ!

 午前6時20分。

「アレス師匠ー!は…、速、速い…っスよ…」

「うっせー!良いから、オレの後ろに付いて来いッ!たかが、いろは橋から富士下橋までのコースじゃねーか!今5周目だから、後もう5周行くぞーッ‼︎」

「そっ…、そんなぁー⁉︎」

2人は、お揃いで小豆色のジャージを着て、近所の土手の上を走っている。

朝日の昇り続ける新河岸川が見える景色には、とある刑事ドラマの撮影にも利用されたという、大きな志木市役所が鎮座している。

因みに、そのいろは橋から富士下橋までの距離は、実のところそんなに離れてはいない。

近所の高校の部活動が、基礎体力作りの為に、その土手で顧問が走らせている事があったりするのだとか。

しかし、10周も全力ダッシュというのは、やはりキツいなんてモノでは無い。

アレスが教える波紋撃を扱うには、常に体力面である程度の余裕を保ち続ける必要があり、生半可な運動能力では、例え使い方をマスターしたとしても、その直後に気絶してしまうレベルのスタミナ消費をするだけだと、アレスは知っていた。

だからこそ、厳しい試練とも言うような修行をさせている。

"弟子"を危険な目には合わせたくは無い。

そんな思いが"師匠の教えを厳しくさせるのだ。


同時刻、とある廃工場跡地。


「もっと…、強くッ!もっともっと、この"チカラ"を使いこなして…。あの野郎を…、オラーッ!…ハァ、…ハァ。絶対に……‼︎絶…対に……?」


かつての総長の面影はもう無い。

上半身裸の西村佻助は、的の様に立て掛けたタイヤ等を、能力によってとろとろに解かしたり、あるいは、カッチカチの氷漬けにしたりもしていた。

佻助の中で燃えていたものは、時折、冷めてきていた事もあった。

確かに、ポっと出の外国人にやられた悔しさはある。だが、そもそもの原因は自分達……、いや、自分が生んだのだ。

「(俺様のしようとしている事は、本当に俺様にとって良い事なのか分かんなくなっちまったぜ……)」

それが果たして、彼の中に一つの迷いを作り出していたのであった。


そして4日が経過した。

午前7時42分。


「走り込み…、終わりました…っス……」

2人は今日も土手の上。

アレスはストップウォッチの数字を止めた。

「おーう。初日よりも、タイムが良くなって来たな!」

「マジですかッ!…や、やった…!」

「あんま無理すんな。いいから、ナクエリヤス飲め」

息切れしている雄成の肩に白いスポーツタオルを掛け、ドリンクのペットボトルを手渡す。

ゴクゴクと喉を鳴らす雄成の隣で、アレスは覚悟を決めたのか、こんな提案をした。

「そろそろやってみるか?波紋撃」

「良いんスか!是非やらして下さいッ!」

うむ、良い返事だな。

「だが、その前にちゃんと休憩しとけよー。あと10分くらい休憩したら、家の庭に行くぞ。良いな?」

「おっス!」


「まだですか…。奴が死んで居ないという事は、返り討ちにでも遭ったのか。それとも、まだ殺しには行ってはいないという事になる。あの臆病者め……。無理矢理にでも連れてこさせてやるッ!」

土手の端に生える、雑林の中に1人の影。

全身を茶色い衣で包んだ、その感情の無い声の主は、僅かではあるが怒りを見え隠れさせている。

衣の袖から、青白く老け込んだように細い手を伸ばす。

握っていた丸い何かを飲み込むと、次の瞬間、茶色の衣に包まれた者は、まるで瞬間移動でもするかのように、姿形を跡形も無く消したのだ。


そして刹那、その衣の主は何の前触れも無く、アレスと雄成の前にその姿を見せた。


「て…、テメー!いきなり出てくんじゃねーよ!驚いただろうがッ⁉︎」

「Good morning 、アレス。それと、お隣りさんの Bad guy」

「突然何を言いやがっ…て…⁉︎おい、そいつはッ‼︎」

雄成が目にした物…、いや、"者"。

「自己紹介なさい。さあ、起きろッ‼︎」

衣を纏う者は、担いでいた者を投げ落とした。

雄成とアレスはとにかく驚愕した。

それは、つい数日前に遭遇した男だった。

倒れ込んでいる上半身裸の彼の脇腹を、茶色の衣の者が蹴り飛ばす。

「早く起きやがれッ!このクソ野郎ッッッ‼︎」

「痛ってーッ‼︎突然何しやがんだテメー!」

「…マジっスか」

「ウッソだろおい⁉︎アイツた(・)だ(・)の(・)モ(・)ブ(・)キ(・)ャ(・)ラ(・)かと思ってたんだけど、全然違ったじゃあねえかッ‼︎」

やはり、あの顔は見覚えがある。アレスらが知る、長く流した髪型でもある。

ババ抜きの2枚対1枚の状況で、勝利を確信していた所からジョーカーを引いてしまったかのような、バツの悪い表情を見せる。

アレスはいつの間にか、驚きよりも悲愴感の方が強くなっていた様だ。

「んしょっ…、と。お…、お前知ってるぞッ!数日前に見た、あのクソ外国人じゃあねぇかッ⁉︎名前は既に聞いているぜ!アレス、だったな!」

「お、そうだ!あの時名乗っていたのを憶えていたのか」

ハイテンションには見えるが、同時に、その口調は以前よりもマトモに聞こえる。

「誰だか分かんねーけどよ、命令されたんだ。『軍神アレス』を殺せ、とな。俺様は当然、数日前のあの件で恨みがあるかよ。ちょうど復讐の機会にもなった訳で、その話にノっちまったのさ」

自慢気に話している男。

だが、何処かに一寸の迷いの表情も見える。

「誰かは本当に知らないんだな?」

「そう、絶対に…」

「知らない訳が無い、ですか。折角、覚醒の丸薬でアルケーを与えたというのに…呆れたよ、西村佻助さん。そう、この『ラドック』さんですよー」

急に話に割り込んできたかと思うと、着ていた茶色の衣を後ろに投げ捨てた。

低身長でヨボヨボの、青白く細い身体。

クリクリとした、ハッキリとしている赤い瞳の眼。

散り散りの頭髪を見せるその者の名こそ、ラドックであった。

「おいおい…。俺様はテメーの自己紹介だって受けなかったし、第一、名前を教えた事ないだろーが」

「教えなくても構いませんよ。記憶を読み取れば良いだけの事ですしね」

どういう事だ……。記憶を読み取る、だと?

「そう。読み取ってるんですよ、軍神アレスさん」

「マジかよッ⁉︎コイツはガチでやりやがったぜ‼︎」

「マジだったんスか⁉︎」

この不(・)健(・)康(・)ク(・)ソ(・)チ(・)ビ(・)ハ(・)ゲ(・)ジ(・)ジ(・)イ(・)の、何処にそんな能力が…。

「貴方ねぇ…。見初めの相手に向かって、『不健康クソチビハゲジジイ』とは失礼ですからねッ‼︎」

「ヒエッ…」

ラドックだって、怒る時は怒るのだ。

「そして、貴方は『何処にそんな能力が…。』とも言っていましたね。」

「そうだよ」

もう全部読まれても良いや。

「このラドックのアルケーは発現系、『薬』です」

「発現系か…」

ラドックのアルケーである『薬』。

能力の重ね掛けこそ出来ないものの、その能力で生まれた丸薬により、飲んだ者へ特殊能力を付与する事が出来る。

「で、そのアルケーで作った覚醒の丸薬を西村佻助に飲ませて、アルケーを目覚めさせたという訳か」

「その通り。能力によって生み出した丸薬によって、心を見抜くチカラや透明になるチカラ、更に瞬間移動まで得られるのです」

見たところ、彼は自信家の様である。

「何が目的なんだよ」

「この私の目的は一つ。ノーマル世界に生きる沢山の人間共を、私のチカラでアルケー使いへと目覚めさせ、ゆくゆくは神界への侵略の為に使おうというワケさ。その手始めとして、最近このノーマル世界へ来ていた貴方。そう、厄介な軍神アレスを抹殺しようとしたという理由なのさ。だ〜がしかし、仕向けようにも中々戦いには行かないものですから、ついプッツンしちゃいましたよ」

「御託はいい。――さっさと始めようぜ!」

「…チッ。我が薬の魅力に溺れると良いわッ!キエーッ‼︎」

ラドックの右拳が膨らんだ。

「調合…、『俊足の丸薬』!あーん、と」

手の中から突然現れた深緑の不気味な小さい団子のような物体、俊足の丸薬を一飲みすると、ラドックは嫌な笑みを浮かべる。

「何だよ、テメー今何を…、何ッ⁉︎」

既にアレスの背後には、赤い丸薬を握り締めたラドックの姿が。

「っんん…、怪力の丸薬です。ンリャーッ‼︎」

怪力の丸薬を飲んだラドックが、アレスの背中目掛けてパンチを繰り出す。

「ゴファッ⁉︎

      ……とでも、オレが言うと思ってやがったか?」

「…え。まさか、き…、効かないとでも言うのか⁉︎」

そう、アレスのアルケーは変異系の『鉄』である。

能力を使用していない間は、基本的に物理的ダメージを無効にするのだ。

「今度はオレからだぜ!『段階歯車』《ギアステップ》、加速α《アクセルアルファ》‼︎」

「しまった!そ、そうだ!鉄壁の丸や…」

「させるかよッ!鋭掌断撃拳《えいしょうだんげきけん》‼︎」

アレスは音速で急接近したかと思うと、ラドックの右手首に手刀を炸裂させ、そのまま手首を切り落としたのだ!

「グァァァァァァァァァッッッ⁉︎⁉︎⁉︎手が…手がァーッ‼︎」

切り口からドロドロと流れ出す真っ赤な鮮血が、ラドックの足元を紅く黒く染めていく。

ラドックは顔を激しく歪ませ、悲痛な叫びを上げている。

「これで、テメーの能力はもう使えまい!何の目的かは知らないが、やり合うなら容赦はしねーからな。

ほらさっさと俳句を詠め、今すぐ介錯してやらぁ」

アレスは高揚したような笑いの表情を見せる。

「(兄貴…、マジ怖いっスよ…!)」

雄成には当然このような光景には耐性など無く、ブルブルと恐怖が体を支配している。

「お、おい…。西村佻助…!助けろ…、私を助けるのだ…!……何をしておるゥ⁉︎」

ラドックは、半泣きで右手首をヒィヒィと息をあげながら、必死に痛みを堪えようとしている。

「ラドックさー、俺様はこの能力を必死に身に付けようと特訓していたんだよ。だがなー、特訓していた間に段々と復讐の事が馬鹿らしくっちまったんだ。そんな過去の出来事をネチネチを引き摺ってばかりじゃあ、己自身に良い事なんざ返っちゃ来ねーんじゃないのかと思って来てたんだぜ」

西村佻助は既に覚悟を決めていた。

自身に能力をくれた、目の前の者を拒否する事を決意したのだ。

「西村佻助⁉︎貴様、何を言って」

「この『熱』のアルケー。お前には残念だろうが、俺様はこの能力を正しい事に使おうと考えた。

悪く思うなよ」

「クッソー!このラドックを裏切るのかッ‼︎冗談じゃない…ぞ……‼︎」

佻助はアレスの隣に立った。

「勘違いするなよ。俺様はただ、己の過去と決別するだけだ。あの因縁を忘れた訳じゃあねぇんだぜ」

「そこも決別しろよォォォ⁉︎」

アレスに敵とも味方とも取れぬ視線を送っていた。

「……やるか」

「おうよ」

そして、佻助とアレスはラドックを睨み、構えた!

「灼熱《エクストレーメ・ヒッツェ》‼︎」

「な…⁉︎足元の地面が…、溶けただとッ⁉︎」

ドロドロに熱を帯びた地面が、ラドックの両足を捕らえ逃がさない。両足共埋まってしまい、身動きが取れない。

「熱い…!動けぬ…‼︎」

「今だぜ、アレス!」

「おうよ!食らえーッ!必殺…、鋼轟嵐《こうごうらん》‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

アレスの重なり合った両手から、強烈な光を放つ気合いのエネルギー光線が発射され、ラドックを跡形も無く消し飛ばす!

「貴様だけは…、貴様だけは絶対に許さァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

最期の言葉も言い切れぬまま、ラドックは煤塵《はいじん》となって絶命したのだ。

「終わったんスか…、あのラドックとか言う奴との戦いが…」

雄成は恐る恐る尋ねた。

「あーあ、普通に強そうなヤツだったのに惜しかったなー!想像以上に雑魚だったとはな、拍子抜けだわー」

「ホントにその通りだぜ!俺様はあんな野郎に良い様に使われる所だと想像したら、何だか身震いしちまったぜ」

アレスと佻助は仲直りでもしたのか、互いに笑い合っていた。


アレスと雄成は、佻助に別れを告げた。

佻助は失った仲間を掻き集めて、再結成するのだとか。

「もう他人には悪い事ァしねーよ。ただそいつらと楽しくやってくだけだからよ。余計な事をした所為で、こんな事になっちまったんだからな」

佻助の裸の背中にアレスは呟いた。

「もしまた変な事をしてるのを見掛けたら、そん時はまた、オレの波紋撃を食らわせてやるぜ!」

「勘弁してくれ〜‼︎」

佻助の脚の速度が増した。そのまま老人ホームの辺りまで走ると、その横道に駆け込み、男の姿が見えなくなった。


「なあ雄成。波紋撃の特訓、やるか?」

「やっぱ止めとくっス…、師匠。何かもう色々と付いて行けそうな気がしないっスよ…。

それに…」

「それに…?」

そうか…。

あの時の違和感はやはりそうだったのか。


翌日、12時23分。


昼間だというのに、周囲の建物で遮られている暑い日差し。

騒動が起きていた公園付近の住宅地にある、とある二階建ての白い外壁の民家の前には二台のあるトラックが停まっており、横にはハッキリ『ウシさんマークの引越社』と、ホルスタインの絵と共に描かれている。

ちょうどその民家からほぼ全ての家財道具を運び終えた頃に、アレスと楓《かえで》はそこを訪れたのである。

「おーい、雄成ー!居るかー?」

「わざわざ大声出さなくてもインターホン見えてますよね?アレスさんだけ、昼食を抜きにしますよ」

「やめてくれよ……」

急な話であった。錠示雄成は今日、この志木市から長野県・諏訪郡のとある町へ引っ越すのだ。

いや、正確には"帰る"と言った方が正しい。

雄成は家の事情で、この街へ数年前にやって来ていたのだという。

だが、楓宅を訪れていたあの日の前日の晩に、長野の方の祖父の家からの電話で急遽帰るように言われていたのである。

「スゲー短い間でしたけど、最高に楽しかったっスよ。兄貴」

「…おう。その、そうだな。色々あったもんな。うん、まぁ…楽しかったぜ」

アレスの喋りの歯切れが悪くなった。

「わたしはあんまし会う機会は無かったけど、その、クッキー焼いてきたから。移動中にでも食べちゃって、ね」

「おお…、あざっス!頂きます!」

甘党の雄成の機嫌が幾ばくか良くなった。

「それと、こいつはオレからのプレゼントだ」

アレスが手渡したのは、小瓶の付いたネックレスであった。

「この中に入ってるのは何スか?」

小瓶の中には、黄色く丸い何かが入っていた。

「これは恐らく、『覚醒の丸薬』だ。昨日倒したラドックが、手首を切り落とされる直前に慌てて鉄壁の丸薬を作ろうとして、間違えて生成したらしい。この丸薬からは強力なアルケーのチカラを感じるから、間違いない筈だ。これを使うかどうかは、雄成、お前次第だ」

そう、覚醒の丸薬。あの西村佻助が飲んだという、あの丸薬。

ラドックが能力で作った丸薬は、本人が死亡していても消滅しないらしい。

「マジで貰っちゃって良いんスか⁉︎」

「構わねーよ。既にアルケー使いであるオレが飲んでも意味はねーからな。本当に、どうしてもという状況の時に使うんだぜ」

「わたしも要りません。ああいう暴力なんてあまり好きじゃないですし。それに、どんな属性に目覚めるか分からないじゃないですか。アレスさんみたいな能力は御免被りますからね」

「ホンマでっか⁉︎嘘やん…」

脳内を、とある出っ歯の大御所芸人の姿が過ぎった《よぎった》。

「だがそれを抜きにしてもな…。惜しいんだよなぁ。お前なら波紋撃が使えると思ったのだが、まさか引っ越しとはな」

「でも楽しかったっス。超短かったっスけど、けども、とにかく楽しかったっス!」

野郎の顔は、夏の日差しよりも輝いているように見えた。


「行っちまうんだな」

「はい。この街には沢山の思い入れがあるんスよ。本心では向こうに行く気なんざ全然無いっス。だが、帰らねーと爺ちゃんに余計な心配を掛けちまう」


諸行無常のエンジン音が鳴り響く。


白いワゴン車が、乗り込んでいた雄成の母が待っている。

「雄成〜!早く出発するよ〜‼︎」

「おーう!……兄貴に、細田さん。実は長野の家で旅館やってるんスよ。機会があったら是非、ウチにお越し下せぇ!」

「良いぜ、行ってやらァー!」

アレスは、何かが吹っ切れたかのような笑みを零す。

「錠示さん、家族の方が待ってますよ!」

「あ、そうだった!そろそろ乗るっス」

雄成はバタンと、強くスライドドアを閉めた。そして窓を開けてこちらに手を振っている。

「お元気でーッ‼︎」


「さよーな…」

「そいつは言ってやるな、楓。あいつにはまた会える気がすんだよ、オレには分かる。だから、今ここで言うべき挨拶はそれなんかじゃねーんだぜ」

「ふふっ…。そうですね、アレスさん」

アレスと楓は、志木市を去りゆくワゴン車に大きく手を振った。


「「またな(ね)ー‼︎‼︎‼︎」」


その姿が見えなくなるまで。


「まだお昼ご飯を食べてないですよね?お腹が空きましたー」

「最近ネットで見かけたんだけどよー。日本にはソーメンってのがあるそうじゃあねーか。それを食おうぜ!」

「用意、しときますね!」


2人もまた日差しの差す中、帰路に着くのであった。

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