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魔眼の幻創術師 ~勇者パーティに見捨てられた三流幻術師は真の力に目覚めて世界を翻弄する~  作者: 結城 からく


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第79話 蜂起する人々

 水面下で準備を進める一方で、人間の国も蜂起するようになった。

 革命軍を名乗る者達が、人間の自由と尊厳を取り戻すために戦うと宣言したのだ。

 言うなれば現代の英雄である。


 彼らは魔王の殲滅を目的に掲げていた。

 これに既存の魔王の支配国が反発し、両者は本格的な戦争を開始する。

 魔族が一方的に蹂躙するかと思いきや、英雄達も善戦する。

 そこから戦況は互角の泥沼へと進んでいく。


 どこもかしこも殺し合いが激化しつつあった。

 種族的な憎悪が膨れ上がって爆発したのだ。

 世界全土が乱れていく。

 もう誰にも止めることができない。

 坂道を転がり落ちていくように悪化の一途を辿る。


 このままだと、世界は崩壊してしまうのではないか。

 そんな予感がした。

 最悪の事態は避けられるように調整するつもりだが、いっそ限界まで潰れてしまう方が良い気もする。


 半端に守ろうとするからややこしいのだ。

 争いもできなくなるほど傷付いたら世界ならば、やり直すのも容易に違いない。

 まだ答えを出すのは早いが、俺はいずれ決断しなければならないだろう。


 そんな時、ある国が大々的に動き出した。

 元勇者――聖剣の魔王が支配する国である。

 聖剣の魔王は隣接する国々を突如として征服すると、幻の魔王の討伐を宣言した。

 さらには世界の敵として独自認定してしまった。


 これには俺も驚いた。

 かなり大胆で堂々とした行動である。

 俺の素性には気付いていると思っていたが、ここまで直線的な手段で仕掛けてくるとは思わなかった。


 聖剣の魔王が発した宣言の影響は大きい。

 奴は宣言と同時に俺の悪行を垂れ流すようになったのだ。

 そこには真実と虚偽が入り混ざっており、とても一般市民に判別の付くものではなかった。

 故に印象は聖剣の魔王が望むままに歪んでいく。

 過剰な情報操作が国民の憎悪を刺激して、あたかも幻の魔王だけが敵であるかのように仕向けた。


 そのうち別々の戦争をしていた各国も同調し始める。

 一時休戦の後に俺のいる王国を狙うようになった。

 各魔王も、英雄達も、守ってきた人間や亜人の国も残らず俺に敵対してくる。


 さすがに動きが不自然すぎるだろう。

 首脳陣を賄賂で手懐けたか、魔術で洗脳でもしたのだと思う。


 しかし、聖剣の魔王はまんまとやり遂げた。

 世界が最も殺し合う最中で、都合の良い敵を設定したのだ。

 自らが手を下さずとも、俺が破滅する展開へと持ち込んできた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 勇者は卑劣ですね 蹂躙されて為すすべなく退場して欲しいです 今不浄剣がどこまで進化したかも気になりますね
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