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魔眼の幻創術師 ~勇者パーティに見捨てられた三流幻術師は真の力に目覚めて世界を翻弄する~  作者: 結城 からく


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第33話 現代の勢力図

 その後、俺は白い部屋で本を閉じる。

 背後には大量の本が積み上げられていた。

 いずれも物質化した記憶である。


 かなりの時間を要したが、必要最低限の情報は取得できた。

 五年の変化は概ね把握したと言えよう。


 今の世界は冷戦状態だった。

 人間の国と亜人の国と魔族の国が入り乱れて乱立している。

 小規模な戦争を繰り返して、合併や侵略や癒着といった勢力変化を重ねていた。

 現代はその真っ只中であった。


 最も数が多いのは人間の国だ。

 戦闘能力は他と比べて低く、人間同士で争っている地域も多い代わりに勢力圏は広大である。

 五年前に比べて技術面は飛躍的に向上していた。

 特に軍事面では様々な魔術兵器を開発しており、それらで互いに牽制しつつ資源確保のために奔走している。


 次に数が多いのが魔族の国だ。

 この五年で誕生した概念であり、実質的な"動乱の要"と言える。

 以前までは魔王軍という一つの勢力のみが存在していた。


 ところが有力な幹部が離反し、新たな魔王を名乗って独自勢力を築き上げた。

 彼らはそれぞれの思想に従って行動を開始し、人間の国と協力したり、傍若無人に侵略戦争を強行した。


 魔族の国はとにかく勢力の変動が激しく、王国上層部も正確には把握できていない。

 現在は十数柱の著名な魔王のみ認識している。


 俺の知るかつての魔王もまだ生きていた。

 奴は意外な行動方針を掲げて暗躍しているらしい。

 近いうちに接触してみようと思う。

 大幅に力を上げた幻創魔術があれば、たとえ魔王が相手でも十分に太刀打ちできるだろう。


 そして最も数が少ないのは亜人の国々だ。

 エルフやドワーフといった種族がそれぞれの集落を形成して暮らしている。

 彼らは基本的に外交をせず、閉鎖気味な生活を好む。

 たまに見かけるのは外の世界に興味を持った者達だ。


 亜人の国が政治的な行動を取ることは滅多にない。

 しかし、その傾向も五年で多少の変化が生じていた。

 魔族の介入により、徐々に勢力を拡大させようとする種族が出てきたのである。

 結果として戦争がより複雑化し、泥沼の冷戦と紛争を惰性で行っているような状態だった。


 誰かが得をしているのではない。

 誰もが得をしようとして、足を引っ張り合っている。

 そうして世界全体が疲弊しながらも無理やり進歩している。


 これが俺の率直な感想である。

 偉ぶったことを言える立場ではないが、さすがに嘆きたくなる。

 もはや簡単に止められる状況ではない。

 様々な事情や因縁が絡み合うせいで、何もかもが窮屈になっていた。


 このままだと世界は自滅してしまうのではないか。

 俺はそんな予感を覚える。

 あながち間違いではないだろう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! [気になる点] >俺の知るかつての魔王もまだ生きていた。 多くの部下に離反されているのにまだ健在、というのが気になりますね。 [一言] 続きも気にしながら待…
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