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レトルトカレーは自炊です  作者: 五条葵


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10/11

ケチャップは母の味

 皆さんにとって実家の思い出の味、と言えば何を思い出すでしょうか?


 定番としては肉じゃがやカレー⋯⋯ただ、私の場合のそれは麻婆豆腐だったりします。


 母が作ってくれる麻婆豆腐はもともと鶏チリ? だったかのレシピをアレンジしたものらしく、辛さが少なくて、代わりにケチャップの甘さが際立ったもの。


 私や妹が辛いのが平気になると、レシピにラー油が追加されてやや辛さが増しましたが、それまでは本当に辛さはほとんどない料理でした(ちなみに『しびれ』の要素は全くありません)


 本格的な麻婆豆腐とは全く違うレシピですが、これがひき肉の甘みとケチャップの甘みが絶妙で、いくらでもご飯の進む逸品なんですよね。


 さて、一人暮らしを始めた後もこの味を食べたくなった私は、母に頼んでこのレシピをかなり細かく聞き出しました。


 帰省した際には、実際に作る様子も見せてもらい、そしていざ麻婆豆腐作り!


 ⋯⋯結果は惨敗でした。


 いくら挑戦しようと、母の味にはならないのです。

 他の料理なら割と、母の味に似せることができるのに、ことこの麻婆豆腐は魔境。


 どこに微妙な違いがあるのかは分かりませんが、作るたびに「何か違う⋯⋯」と首をひねる結果になりました。


 レシピ通りに作っているのに、料理とは不思議なものです。


 結局、母の麻婆豆腐再現は諦めた私。


 麻婆豆腐は今でも、実家に帰省した時にリクエストする料理NO1の座に居続けています。






 もう一つ思い出の味なのが、ケチャップライス。


 いわゆるご飯をケチャップ味で炒めた料理、オムライスの中身ですね。

 チキンライスではないのが肝。


 具材はだいたいポールウィンナー(主に西日本で売っている、魚肉ソーセージっぽい見た目だけど豚肉などで作られた、そのまま食べられるソーセージ)だけ。


 味付けもウスターソースとケチャップだけのシンプルなこのメニューは、夏休みの昼ご飯の定番でした。


 正直、子供の頃はお昼ご飯にこれが出ると、「またケチャップライス?」と大変失礼なことをほざいていたものですが、大人になるとこの味が懐かしくなるのですから、私もワガママなもの。


 幸い、こちらのレシピは割と再現可能だったので、簡単な晩ご飯としてよく作っています。


 家でケチャップライスを作ると、どうしてもご飯の一部がダマになりますし、ケチャップもうまく混ざらないのですが、個人的にはこれもまた美味しさの秘訣。


 食べるたびに味が濃くなったり、薄くなったりするのが美味しいのです。


他にも、母が作る料理にはケチャップの味のメニューがいろいろあり、それらは今の私にとっっても定番のレシピ。


 そんな訳で、おそらく私は世の一人暮らしの方と比べると、ケチャップの消費量が相当多いであろうと思います。


 お子様舌だなんて、言わないで下さいね。

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