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巫女は海を守りたい〜愛が溢れるヒーラー物語  作者: 紫陽花
第5章 次の新しい道 婚約のあと
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第5章 海神の騎士たちの婚約の陰で

翌朝、アラン国務大臣が、海神の騎士達と、お相手の貴族家を、王宮に呼んだ。


ちょっとした、騒ぎになったようだ。


僕も同席させられたけれど、国王から、海神の騎士達の役目などを考え、婚約と婚姻の日取りを早めに決めるように、と言う話が出たので、お相手のご令嬢の貴族家の方が、大変だった。


男側は、前日、僕がばらしてしまったので、親も息子達も、準備していたが、お相手の方は、ご令嬢が、意外と、親に言ってない事が発覚して、まずは、ご令嬢が、親から、叱られるというところから、始まった。


結果的には、丸く収まった、と言えるだろう。

出来るだけ早く婚約をして、婚約から半年後に婚姻と言うスケジュールになった。


最後まで、ダニエルとアーサーが、4年後にこだわったが、父上と僕が説得した。


ハニエルは、アリエッタと同い年で、まだ16歳だから、本人も、ガブリエル家も、高度課程を終えてから、婚姻と言う事で、パーシーが僕と同じ、あと4年待つことになった。


親友達の婚約話が落ち着き、僕は、アカデミー高度課程を首席で卒業し、海洋生物研究所の所長になった。同時に、海洋騎士団の本拠地が、王宮から、海洋生物研究所のエリアに移された。

海洋軍の軍人で海洋ヒーラーの者も、全て海洋騎士団に組み込まれた。

本格的に、第三王子が海洋に関するすべを束ねていく事になる。


ユリシーズが、海洋騎士団と海洋軍の総司令となり、ユリシーズとオランも、海洋離宮エリアに移ってきてくれた。

海洋騎士団の編成は、この6年をかけて統制できていたが、海洋研究所で、するべき事は山のようにあった。

とにかく仕事と研究に追われる日々で、寝る間も惜しんで、動いた。


アリエッタは、パーシー、ダニエル、アーサーらに警護され、アカデミーで、順調に成績を上げ、学んでいた。


ある日、クロノス殿に呼ばれた。

ミカエラード家の神殿に行くと、クロノス殿から、とんでもない話をされた。


「ヴァシリス、言いづらい事だが、其方とアリエッタの関係を、更に隠さなくてはならなくなった。」


「えっ?どう言う意味でしょうか。」


「いま、アリエッタは、ヴァシリスの巫女と言う事は、わかっている状況だ。婚約者である事は、意識の奥に閉じ込めてあるが。」


「これ以上、何を隠すのですか?」


「王子の巫女、と言う事にする。」


「今だって、夢の中でご神託を伝えてもらってますが、誰に伝えているかわからなくなる、と言う事を?」


「ヴァシリス、とわからなくする。」


僕は、怒りを通り越して、ため息をついた、


「クロノス殿、なぜ?」


「アリエッタの感情が、其方を愛し過ぎて、収まらないからだ。」


「隠すから、収まらなくなるのでは?僕だって、同じですよ。」


「お前は、耐えられているが、アリエッタの心は、まるでシェルと同じで、愛が、抑えられない。それでは、危ないのだ。」


「クロノス殿、僕たちを、引き裂こうとしていませんか?」


「あと4年、耐えてくれ。」


「依頼ではなくて、命令ではないのですか?」


「頼んでいる。」


「嫌だと言ったら?」


「頼み続ける。未来の為に。」


「絶対に、嫌だと言ったら。」


「ヴァシリス、其方にしか、頼めない。」


「嫌です。あなたは、私とアリエッタを割きたいのでしょう?」


「違う、守りたいのだ。」


「この世界と海をでしょう?僕らではなくて。」


「其方らの思い、もだ。」


「僕との絆を断ち切って、それでも、2人の絆が切れなければ、それ以上は、知りませんよ。」


「それでよい。4年だ。これが最後の頼みだ。」


「わかりました。次、もう同じ事で呼ばれないのですね。」


「わかっておる。ヴァシリス、すまぬ。」


僕は、神殿を壊してしまいそいな気持ちになった。

今から、僕は、アリエッタにとって、ただの知っている王子でしかなくなった。

僕の巫女とさえ、アリエッタにわかってもらえない。


「だったら、何で、3歳から、引き合わせたっ。後から、後から、僕らを試すみたいに、試されなくたって、愛している。知らなければ、こんな思いはしなくて済んだ。」


さすがに我慢の限界だった。

トライデントを出した。


神殿の中で暴れに暴れた。アリエッタが壊しかけた彫像を破壊した。祭壇も破壊した。

もう、クロノス殿と話すことはない、話さない。

「ヴァシリス、何があった?」

ダニエルとアーサーが神殿に走り込んできた。

怒り狂って神殿を壊している僕を見て、唖然としている。


僕は、泣き崩れた。もう限界だ。何と言われようと、無理だ。


「ヴァシリス、何があった。しっかりしろ。」


アズラエルとパーシーも駆けつけたみたいだ。


僕が暴れたら、皆んなに止められるはずがない。


僕か泣いたのを、皆んなは初めて見ただろう。

神殿の中の物を全て破壊して、海にした。

アリエッタが好きに海ににした。


そして、やっと落ち着いた。

「ヴァシリス、何があったんだ。」


「クロノス殿が、アリエッタの、、」

僕が説明すると、さすがに、みんなも絶句した。


「結婚、やめる。」

みんなが言い出した。


「それは違う。頼むから、お前たちだけでも、先に幸せになってほしい。友としての願いだ。」


神殿を出て、父君と母君にアリエッタの事を説明した。

神殿を壊した事も伝えた。


「神殿は、アリエッタの好きな海にしました。」


父君と母君は、何も言わなかった。


僕は、キロンと共に、離宮に一人で戻った。


まだ納得いかなかった。


国を守り、海を救う使命は、わかっている。

だが、あまりにも、つら過ぎた。

僕が未熟なのも、わかっている。

だけど、、、


自分の中で納得できない。


昨日は、ここにアリエッタがいた。

そのアリエッタは、もう僕を知らない。


耐えがたい事だった。

部屋から、海に出た。

その日から、三日三晩、海は嵐になった。


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