第5章 次の目標へ まだ幼い恋人たち
セレステが、書斎に戻ってきた。
「セレステ、どうだ、落ち着いたか。」
父上が聞いてくれた。
「陛下、ヴァシリス様、ご心配をおかけし、申し訳ありませんでした。
ひとまず、殿下が騎士団に入団なさるまでは、大丈夫かと。その後は、アンジェラ様とオランと私が、教育いたします。」
「良かった。ありがとうございました。母君。」
「ヴァシリス様、殿下の巫女だとは、わかっておりますし、婚姻のご神託もわかっておりますが、本気で、あのような娘で、よろしいのでしょうか。」
「セレステ、今更、何を言い出すのだ。アリエッタが生まれた時から、ヴァシリスとの婚姻は、決まっていただろう。マース、何とか言ってくれ。」
「セレステ、どうしたのだ?神殿で、私たちは、見ただろう。」
「母君、僕が、未熟だから、、、ダメなのですか。」
「ヴァシリス様、違います。殿下は何一つ問題などありません。私の娘ながら、あの性格では、、殿下が、苦労なさいます。」
「母君、わかっているつもりです。アリエッタの性格は、王宮より、海でこそのびのびできるし、将来は、妃より、研究者になる方が、幸せなはずです。だから、僕は王になる必要はないし、アリエッタと2人で海を守るつもりですから。
ただ、婚姻まで、僕が離れている時に、守ってやれないから、それが気がかりなだけです。」
「ヴァシリス様、、感謝いたします。とにかくミカエラード家に連れ帰ってから、親として、セレステの巫女教育だけではなく、鍛練と躾をするので、ご安心ください。」
「父君、ありがとうございます。よろしくお願いします。」
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「さあ、アリエルちゃん、これで、可愛くなったわよ。ヴァシリス色の寝着は、かわいいわねえ。よく似合っているわよ。」
「アンジェラおかあさま。今日は、たくさん、申し訳ありませんでした。」
「アリエルちゃん、今日はみんな大変だったのだから、色々あってもいいのよ。みんなが無事で、国を守ることができたのだから。
アリエルちゃん、ヴァシリスを大切にしてあげてね。」
「はい、お約束します。それから、ずっと気になっていたのですが、その、、」
「今、気になる事は聞いておくのよっ。」
「あの、、クロノス様の光景で、私が着せられていたあの透けてしまう夜着は、、私はいつも、透けない寝着なのに。」
「やっぱり、気になるわよね。婚姻するまでは、肌を見せてはならないものなの。だから、今は、透けない布で仕立てているわ。
でも、成人して、婚姻したら、女性らしい夜着を着るけれど、種類も色々とあるし、あんな下品なものは忘れていいのよ。アリエルちゃんが大人の女性の夜着を着るのは、15年後だし、お妃教育で、いずれ詳しく教えるから大丈夫よ。あれはチャンシアの皇帝が、汚らわしく嫌らしいだけよ。もう忘れていいのよ。ヴァシリスが、ずっと守ってくれるわ。」
「良かったです。おかあさま。」
「さっ、ヴァシリスに会いに行きましょうね。」
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母上に連れられて、アリエッタが書斎に戻ってきた。
僕は、なかなかアリエッタの顔が見れなかった。
セレステのアリエッタを見る表情が厳しい。
アリエッタも下を向いたまま、詫びた。
「ヴァシリス様、私の浅はかさで、取り乱し、ヴァシリス様のお気持ちを無視したような物言いをして、申し訳ありませんでした。
ご神託が、この国にとって、どれほど大切な事かも、わかりましたし、軽んじたり疑ったら、取り返しがつかない事になる事も、恐ろしいほど、わかりました。
ヴァシリス様が、ずっと守ってくださっていたことも、忘れてしまうほど、取り乱し、お詫びの言葉がありません。お許しくださいますか。」
「アリエッタ、本気で納得できたのか?」
何か変だ。この慇懃無礼な物言いは、わざとらしい。怒っているのか、納得してないのか、僕から離れたいか、それしか、考えられない。
「はい。あんなに汚らわしく、許されない侵略は、二度とあってはならないと。
ヴァシリス様は、何一つ間違ってなかったのに、私の理解不足で、失礼なことを申してしまいました。これから、もっとたくさん努力して、学びます。ヴァシリス様の使命のお役に立てるように、たくさん努力いたします。どうか、先程の非礼をお許しくださいませ。」
「わかった。アリエッタ、僕は怒ってないから、案ずるな。其方が落ち着いて、僕たちの未来を見てくれるなら、それでいいから。」
「ヴァシリスさま、ありがとうございます。」
「アリエッタ、気持ちが落ち着かないなら、今日はミカエラード家に、父君や母君と共に戻ってもいいぞ。」
アリエッタの顔色が変わった。
「あの、、あの、ヴァシリス様の、お側にいては、いけないでしょうか。」
「私は構わないが、其方が、夢見が悪いなら、母君と一緒の方が、良いかと思っただけだ。
側に、いてくれるなら、私は嬉しいが。」
アリエッタが、消え入りそうな声で言ってる。
「お側に、いとうございます。。」
父上が、助け舟を出してくれた。
「二人とも大丈夫なら、子供は眠る時間だ。アンジェラ、二人を部屋に。また恐い夢をみたら、私たちの寝室に来なさい。よいな。」
「エドワード、そうですね。では二人とも、恐い夢を見ないハーブのお薬を飲んでから、お部屋に戻りましょう。」
さっき食後に飲んだ、子供のお酒?らしきものを、もう一回、飲まされた。
「父上、父君、母君、今夜はありがとうございました。おやすみなさい。」
「お義父さま、アンジェラおかあさま。お父様、お母様、お騒がせいたしました。色々と教えていただいて、ありがとうございました。おやすみなさいませ。」
アリエッタが、珍しくまともなご挨拶をしているが、かえって心配になってきた。
僕たちは、母上に連れられて、僕の寝室に戻った。
母上が、アリエッタに、よく眠れる薬を、もう一口、飲ませていた。
アリエッタは黙って、寝台に座って、クジラのぬいぐるみを抱きかかえている。
母上が扉を閉める時に、僕に手招きした。
僕は、寝室から出て、扉を閉めた。
「母上、アリエッタが変だ。」
「セレステにこっぴどく、色々叱られたのよ。それと、実際には起きてないけれど、あの光景で、皇帝に肌を触れられたのが、よほど衝撃だったみたいだから。ヴァシリス、あなたは、触れても大丈夫だから、少し優しくしてあげて。」
「でも、母上、傷ついているのに、僕が触れるなんて。」
「だから、触れてあげてほしいのよ。汚らわしく触れられて、アリエルちゃん、あなたに顔向けできないと思い詰めてるから。乙女心よ。」
「そうなんですね。理解しました。」
「おやすみのキスはちゃんとしてあげるのよ。」
「母上、色々、ありがとうございます。」
僕は寝室に戻った。
アリエッタが寝台に座ったまま、ぼっ〜としている。僕は、アリエッタの前に膝をついて、目線を合わせた。
「アリエッタ、大丈夫か?」
俯いたまま、肩をふるふると震わせて、声も出さずに、泣き出した。
「ごめんなさい。わたし、取り返しのつかない事を、、、」
「アリエッタ、どの何が、取り返しがつかないんだ?みんな無事だったんだ。」
「ヴァシリスさまを、責めてしまって、私を守るために、毒まで受けて苦しい思いを、、、 」
「僕が守るって言っただろう。当たり前の事だ。」
「ヴァシリスさまは、ご神託をお伝えした時、私が皇帝に、あのような事になると、何故、わかったのですか?」
「王子に溺愛されている美しい姫が拐われる理由は一つしかない。それにポセイダルゴ様からも、アリエッタが献上されると、聞いてたし、、僕のアリエッタを奪うなんて、あってはならない事だから。」
「わたし、意味がわかっていませんでした。あんな、汚らわしい事、ヴァシリス様が見ている前で、、触れられるなど、、ごめんなさい。、」
涙がポロポロとこぼれている。
「あれは、起きなかったことだから。実際には、おきてないから、安心していいんだ。
アリエッタ、抱きしめてもいいか?」
アリエッタが顔をあげた。やっと目があった。
僕が知っている瞳だった。
僕は、アリエッタの髪を撫でて、そっと抱きしめた。抗わずに、僕にもたれてくれる。
ほっとした。
「アリエッタ、あとは何が取り返しがつかないのだ?」
「ヴァシリスさまの、手を振り払ってしまいました。」
「人を消した話だ。仕方ない。。
また、手を取ればよい。ただ、もう二度と、振り払うな、約束してくれ。僕の方が、気が変になる。」
「ごめんなさい。二度と離れたりしません。
あの、あの、、」
「なんだ?」
「もし、もし、次にヴァシリスさまの手を振り払う事があれば、、」
「今、二度としないと、言ったではないか。」
「はい、そうです。ですが、私がまた取り乱して、手を振り払うようなことがあれば、それは本意ではありません。私の感情が揺れて振り払ってしまうような事があれば、お願いです。牢でもどこでも構わないので、私が馬鹿な考えで逃げ出さないように、捕まえて閉じ込めてくださいませんか。」
「自信がないのか?」
「申し訳ありません。逃げ出したくなどないのです。お側にいたくて、仕方がないのに、怖くて、不安で、思っている事と、逆の事をしてしまいそうで。。」
「僕を試すのか?それは、追いかけてほしいからではないのか。」
「違います。そんな意味ではなくて。私が弱いのです。だから、、」
「ダメだ、アリエッタ。そうしてやりたいが、ダメだ。僕だって、僕の部屋に閉じ込めたいくらいだ。でもお前の意思で、側に居続ける強さを持ってほしい。逃げ出しても構わない。すぐに戻ればよい。生涯、その手を離さないと、既に誓っている。誓いは破らない。」
「もし手を振り払ってしまったら? 」
「僕が、アリエッタが戻るまで待つだけのことだ。詰まらん事、いや、難しい事でも、取り乱すな。強くなるのだろう?とにかく何かあっても、何があっても、必ず、僕の元に戻ってほしい。辛くても必ず戻れ。いいな?強くなると言う事は、そう言う事だからな。」
「はい。」
「いつも側にいるために、これから15年、約束を信じ続けるんだ。誓ったのは、覚えているな。」
「はい、一緒に誓ったから。」
「では、大丈夫だ。それより、アリエッタ、傷は痛むか?」
「自分で、引っ掻いてしまったので。触れられたのが気持ち悪くて消したくて。」
「どんなに辛くても、こんな事はするな。僕を悲しませるな。アリエッタ、お前が自分の感情で、取り乱すと、僕が悲しむと、覚えておいてほしい。いいな。僕たちの心は、繋がっていること忘れるな。」
「ヴァシリスさま、、わたし、、」
「アリエッタ、傷に触れるぞ。気持ち悪いのは僕が消してやるから。いいか?」
「、、はい、、」
僕は、アリエッタの頬から顎の傷に触れ、グリーンキラキラを出した。傷が少しずつ消えていく。
次に、首すじに触れた。
アリエッタが、少し体を固くして息をのむのがわかった。
「嫌か?」
「だ、だい、じょうぶです。」
「辛いなら止める。でも僕は、消してやりたい。」
「だいじょうぶ、、です。」
首すじから、鎖骨にかけて、そっとそっと触れて、グリーンキラキラを出して、ヒーリングした。
「もし、これから、嫌な奴に触れられたら、隠さずに必ず教えろ、そいつの手もろとも、僕が消してやる。黙って隠さずに教えてほしい。一緒に解決すれば良いのだ。いいな。」
「はい。」
「さっ、さすがにもう遅い、今日は、大変だったが、みんな生きている、安心して眠れるぞ。」
僕は、アリエッタの横にクジラのぬいぐるみを置いた。額におやすみのキスをして、横になった。
睡魔は、待ってくれなかった。
僕は海の中で、心地よく浮遊している。
アリエッタが、珊瑚礁とおしゃべりしている。珊瑚も生き物だから、成長するんだ。
確か、先月、他国の船が座礁し、珊瑚礁が被害に遭って、アリエッタとヒーリングに来たんだ。
珊瑚は一回、壊されると再生出来ずに死んでしまうが、ヒーリングで再生させる研究をしている。
オレンジに白の縦縞の小さなアネモネフィッシュがたくさんいる。
アリエッタが、振り返って、僕を見た。
「ヴァシリスさま、珊瑚ちゃんたちは、明日の満月に、産卵するんですって。」
「じゃあ、明日の夜、一緒に観に来よう。アカデミーの入学前で、良かったな。」
あれ?アリエッタが成長している?
10歳、いや13歳くらいだろうか?背も伸びているし、顔の雰囲気が少し引き締まっている。
アカデミーの入学前なら、13歳だ。
どんどん綺麗になって行くんだ、と、相変わらず
惚けたことを考えていた。
アリエッタの手を取って、泳ごうとしたら、僕の手が大きくなっている。
あれ?僕もデカくなってないか?
でも、指には、ポセイダルゴ様からもらった貝殻リングがあった。アリエッタの指にもある。
リングも、指に合わせて成長してるのか?
二の腕を見ると、腕もがっしりして、絶対に成長しているけど、腕輪も腕周りに合っている。
さすがに、ポセイダルゴ様だ。
婚姻の時の指輪は、どんなものを贈ろう。また海の庭で探してみよう。
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僕は、寝返りを打って、伸びをして、目覚めた。
自分の手を見て、いつも通りの大きさだったから、珊瑚礁にいたのは、夢だった。
横をみると、アリエッタがいない。
足元に視線を移すと、僕のふくらはぎに手を回して寝ていた。クジラのぬいぐるみは、床に落ちている。
アリエッタが、僕の腕の中で、目を覚ます日は来るんだろうか。15年経っても、変わらないような気がしてきた。
しかし、夢にいたアリエッタは、綺麗になっていた。
王宮の鐘が、朝の6の鐘を鳴らしている。今の季節は、もうすぐ日の出だ。
今日は、ゆっくり過ごしたいな。
「う〜ん。おに、、い、さま、、。」
アリエッタが、目を覚ました。
足元から僕を見上げている。
「僕の婚約者はどこにいる?それは僕の腕?」
「あっ、、、お、にい、さま。おはようございます。」
僕は、アリエッタに冷たい視線を送って無視した。アリエッタがじっ〜と考えている。
突然、起き上がって、僕の横にペタリと座った。
「………あ、の、ヴァシリスさま、おはようございます。」
「おはよう、アリエッタ。もう、お兄さまとは呼んじゃダメだよ。」
「は〜いっ。こんやくしゃになりました。妻です。」
「アリエッタ、妻は15年後、今は婚約者。」
「なんで?昨日、口づけしました。」
アリエッタは、唇に指を当てて、笑っている。
「あれは、婚約の口づけだ。妻はあと15年待たなきゃ。それまでに、父君の鍛練と母君の巫女教育と、母上の妃教育があるだろう?アカデミーでも7年勉強しなきゃ。妻は、そのあとだ。」
「長い、なが〜いですね。」
「そうだ。明日は、ミカエラード家に一回戻るからな。今日は一緒にいられるけど、次は、いつ一緒にいられるか、僕にもわからないよ。」
「離れても、こんやくしゃだから、大丈夫。それに、巫女だから、ご神託は、ヴァシリスさまに、ちゃんとお話しします。」
「そうだな。どんなご神託も、怖がらずに僕に話すんだよ。」
「約束します。あっ、さっき、珊瑚の産卵の夢を見ました。ヴァシリスさまと、一緒に泳いでました。」
「アリエッタも、夢を見たのか?」
「ヴァシリスさま、ポセイダルゴ様みたいに、背が伸びて、カッコイイ、でした。」
また同じ夢を見たのか?でもご神託とは違うだろう。それか、8年後の珊瑚礁への座礁が、何かあるんだろうか。
「他に何か夢で覚えてるか?」
「珊瑚礁が、崩れて、ヒーリングしたみたいでした。」
やっぱり、覚えておくしかないな。
「アリエッタ、頼みがあるが、聞いてくれるか?」
「なんですか?」
「アリエッタ、僕の巫女になってから、同じ夢を見るようになったのは、気づいているか?」
「はい、毎日見ている気がします。」
「アリエッタ、離れたくないけど、明日から僕たちは、住む場所が変わる。これは仕方がない事だ。だけど、心はずっとつながっている。」
「いつも一緒です。」
「そうだ。いつも一緒だ。だから、夢を見たら、覚えていることを、全て書いて残すんだ。そのノートは、父君や母君、僕以外に、誰にも見せてはいけないよ。」
「ヴァシリスさまと、お父様とお母様だけ。他には見せない。だって、夢は、ご神託だから。」
アリエッタは、無意識のうちに、同じ夢が未来のご神託だと、感じていた。何のことかわからなくても、書き残しておかないと。
「そうだ。二人で見る夢も、きっとご神託なんだ。たくさん夢を見たら、次に会うまでに、忘れてしまうから、必ず書き残すんだ。いいね。」
「ヴァシリスさま。たくさん夢を書いたら、たくさん会えますか?」
「きっと会えるはずだ。」
「はい。。あの、ヴァシリスさま、海に行きたいです。」
「わかった。母上に聞いてみるよ。」
今日は、みんな色々と忙しいだろう。兄上たちは、アカデミー入学で、寮に入るし、東宮は引っ越しで大変だろう。
騎士団は明日が入団式だ。
父上たちも、昨日の襲撃の事で、国務も大変だろうし。あまり迷惑をかけないようにしないと。
母上の私室に行くと、母上は、もう着替えを終えていた。
「おはようございます。母上。」
「おはよう、ヴァシリス。あなたたちよく眠れた?」
「はい、昨夜、ご相談できたので、安心して、僕もアリエッタも、ぐっすり眠りました。ありがとうございました。父上は?」
「昨日の襲撃が終わったから、一段落したけれど、これからの事があるから、忙しいと言って、もう陽の宮に行かれたわ。明日、ラングドンとパトリックもアカデミー入学だから、今日、話したいことがあると、二人を呼んでるみたいよ。
ヴァシリスは、何かお話があるの?」
「僕は、毎日、父上と話せてるから大丈夫です。母上、朝食の時に、お話できますか?」
「わかった。じゃあ人払いするから。アリエルちゃんの着替えをするわね、、」
タイミングよく、アリエッタが寝室から出てきた。
「アンジェラおかあさま、おはようございます。」
「アリエルちゃんも、起きたのね。じゃあ、お着替えしましょう。」
「おかあさま、あとで、ヴァシリスさまと海に行きたいので、ワンピースを。」
「いいわよ。可愛いのにしましょうね。」
「ヴァシリス、海に行く前に、少し時間をもらえるかしら。宮廷画家が来るから。」
「えっ?宮廷画家?」
「朝食の時にダイニングで話しましょう。アリエルちゃんを着替えさせたら、ダイニングに行くから、先に行ってて。」
「承知しました。」
幼い恋人たち、一緒にいられるのはあと少し。
読んでいただき、ありがとうございます。




