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巫女は海を守りたい〜愛が溢れるヒーラー物語  作者:
第5章 次の新しい道 婚約のあと
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第5章 父と息子

父上と僕は月の宮に帰った。

上半身裸での僕を見て、侍女たちは顔を赤らめていたが、オランは、意味がわかっていたようで、

「よく頑張りましたね。 」

と言ってくれた。


僕は、生まれて初めて、父上と一緒に湯浴みをした。

父上の体はカッコよかった。

国王の服を着ていると、あまりわからなかったけど、ユリシーズやアランと変わらないくらい、鍛え上げられている。ものすごく多忙なのに、いつ鍛錬しているのだろう。王宮の噴水にある白い神々の彫刻みたいにカッコいい。びっくりした。


じっと見てしまい、

頭から、バンバン湯をかけられた。


「ヴァシリス、何をそんな見ている。」


「父上、いつ鍛錬しておられるのですか?噴水の彫像みたいに、カッコイイです。」


「わかるか?アラン相手に、ストレスが溜まると、手加減なしで、真剣で、手合わせしているからな。」

父上は嬉しそうに教えてくれた。


「えっ!真剣でですか?」


「そうだ。いつ狙われても、いいようにな。不意打ちされて、そのまま死にました、なんて恥ずかしい王は嫌だ。」


「父上を見習います。」


「私に平手打ちできるのは、アンジェラだけだ。それ以外の奴がそんな事したら、手がなくなる。」

父上は、母上が平手打ちをしたあの時、わかっていて、甘んじて母上を尊重していたんだ。

やっぱり、父上ってすごい。


「ヴァシリスこそ、8歳とは思えん身体になってるな。ユリシーズにかなり扱かれてるだろう。ラングドンより良い体格だ。安心した。」


ちょっと嬉しい。

またバシャバシャ、湯をかけられた。


「初陣は、色々と、洗い流したくなる。」


「父上の初陣って、どんなでしたか?」


と聞いたら、意外にも色々と話してくれた。


マースとアランに負けたくなくて、一緒に騎士団に入ったらしい。

その時の親衛隊長、つまり近衛騎士団団長が、

母上の父上、つまり、僕のお祖父様で、めちゃくちゃに扱かれたらしい。

その頃すでに、母上は王太子妃として内定していたから、義理の父上になる予定の、ザドキエル団長に半殺しに合うような厳しい訓練だったらしい。

逆に、アランとマースが、父上を守ろうと、更に強くなったらしい。その一年後に、ユリシーズも入団して、全員まとめて、いつもボロボロになるくらい、「弱い王も、弱い護衛も意味がない」と、特別にしごかれたらしい。


僕が、アリエッタの父上、マース殿に半殺しにあったら、アリエッタが反撃しそうだけど。。


「みんな、すごい騎士なんですね。」


「あの時の仲間たちが、今の国を支えてくれている。ヴァシリスも騎士団にいれる事になってしまったが、ブランドンやパトリックとは、違う生き方をさせてしまうな。」


「父上、感謝しています。普通なら、3人目の王子って、政略結婚で、影響力の強い反発している貴族の入婿になるくらいしか使い道がありませんから。でも、好きな事して、好きな女性と一緒になれるのだから、そのくらいは努力しないと。それに強くなれますから。」


「ヴァシリス、お前は、どこまで優等生なんだ?」


「そうでもないです。ラングドン兄上のように、国に縛り付けられるわけじゃないし、海洋ヒーラーは海が好きだから、執務室や書斎にじっとするくらいなら、海に関わって生きられるなら幸せです。何をするにしても、海を守ることに変わりないから。

僕の初陣は、消した時は、ほっとしたし、やった〜、と言う気持ちでした。

ただ、王宮に戻ってきてから、僕は人殺しだと、突然、悪魔の囁きみたいに聞こえてきて、、見ず知らずの人たちの人生に関わってしまったと気がついたら、どんどん苦しくなってきて、、、」


「私もそうだった。国を守ったぞって、誇らしい気持ちで帰ってきた。

でも、騎士服も剣も愛馬まで、血まみれだった。名前も知らない人間の血を浴びて帰ってきた。

先輩たちは、騎士服が血まみれでも、酒を酌み交わして、嬉々としていて、それを見て、気がおかしくなるかと感じた。悪魔の集団に見えたんだ。

私とアランとマースは、11歳の初陣だった。 騎士団の規則で、普通16歳以上で討伐にでるのを、優秀者として、早く初陣を切ったから、精神面が不安定になる事は、上もわかっていたらしい。


アンジェラの父君が騎士団団長だった。

3人が厩舎で、泣きながら、吐きながら、馬についた血を洗っていた時に、団長が着て、怒鳴りつけられた。

そんな弱い気持ちで、騎士になりたいのかと。

そんな弱さで国を守れるのか、騎士を育てられるのか、とな。

ザドキエル団長は、伝説級の方だ。


《騎乗のまま、川を渡り、向こう岸の上流の果樹園のりんごを300個とって、川を下って戻って来い。》と厩舎を追い出された。


川を越えるには、馬も泳ぐ事になる。馬も討伐から帰って疲れていた。一緒に戦った馬を潰すわけにはいかない、できるだけ、流れの弱い場所を探して、馬の負担を減らすために、私たちは馬をおりて、泳いで川を渡った。

びしょ濡れになり、脱いだシャツを絞って馬を拭いたり、取ったりんごを馬に食べさせた。

リンゴを100個ずつ集めた。たくさん吐いていたから、さすがに腹が減っていて、3人で、苦しくなるまで、りんごを食べた。

色々話した。国を守ると言う事は、どういう事か、前線で剣を振るうと言う事は、どう言うことか、『強くなる、正しく国を導く』と、もう一度誓いあった。

馬も少し回復して、シャツにりんごを包んで、川の流れに軽く流されながら、騎士団の厩舎に戻った。

厩舎の水場に、ザドキエル団長の手紙と飯と、少しの酒がおいてあった。」


「なんて書いてあったのですか?」


《まだ若き少年たちよ。素晴らしい初陣、ご苦労であった。国を守るためとはいえ、見知らぬ人の命を奪って、心を痛める其方らを、騎士団団長として誇らしく思う。

共に戦った仲間を称え、散った命を見送り、勝利の酒を飲め。未成年だから、少しだけだ。

其方らを、近衛騎士団及び親衛隊の騎士として迎える。その使命を生涯忘れるな。

川を渡れば馬も綺麗になっただろう。早く休ませよ。りんごは同志たちへの感謝にせよ。明日の朝食に出すゆえ、寮のキッチンに置いておけ。

早く寝ろ。》


「と書いてあった。あれは生涯わすれぬ。経験した者にしかわからぬ。」


僕は、また泣けてきた。


「ヴァシリス、お前、最近、よく泣いてるな。まあ、その手紙を読んで、我らも号泣したがな。」


「父上も泣いたのですか?」


「まだ11歳だぞ。今のお前とあまり変わらん年齢だ。だからわたしは、アンジェラの父君には、頭が上がらないのだ。」


「父上が、騎士で良かったです。僕も強くならなくては。」


「ヴァシリス、お前は無敵だろう。焦るな。

私が騎士になるより、お前の方がきっと早く騎士になる。騎士は、剣の技術だけではない。騎士道精神と言うものがある、心を鍛錬しろ。それが己を強くする。そして、将来、共に戦う男の友を見つけろ。無理に見つけなくても、騎士団にいれば自然に見つかる。」


「父上、ありがとうございます。」


「ヴァシリス、お前は、私の誇りだ。」

そう言って、山ほど湯をかけられた。



浴室の入り口で、母上の声がする。

「エドワード、ヴァシリス、いい男たちが、いつまで、湯浴みして、遊んでいるのですか。夕食の用意が出来ていますよ。

お腹空いちゃったわ、先にアリエルちゃんと、いただきますよっ」


「アンジェラ、いま行くっ。」


夕食は、父上と母上と、アリエッタと僕だけだった。オランは、ユリシーズが迎えにきて、連れて帰ったらしい。そりゃそうだ。オランは今日、誘拐されたわけだし、いくらなんでも、一緒に過ごしてほしいから、ホッとした。


アリエッタを先に帰して、気になっていたけど、

ダイニングで顔を見て、ほっとした。

椅子に座っていたけど、僕がダイニングに入って行くと、小走りで、僕に抱きついてきた。


「アリエッタ、遅くなってすまない。」


「まだ、お仕事だと聞いていたから、あの、お傷は痛みませんか。」


「アリエッタが癒してくれたから、傷も塞がっているし、大丈夫だよ。ありがとう。アリエッタは、どうだ?気持ち悪くなったりしてないか。」


「はい、、、」

ちょっと歯切れが悪い。多分、人が死んだ事が気になってきたのだろう。


「アリエッタ、今日は忙しかったし、大変だったから、夕食をしっかりいただいて、早めに休もうな。」


「はいっ」


食事はおいしかった。色々な話をしたり、ダンスの話しや、黄色い声の話をしたりして、、

みんな、食も進んだし、元気になれた。


食後に、父上が、今日を無事に過ごせたお祝いと言って、子供も飲めるお酒?らしきものを出してくれた。

多分、気持ちがリラックスするような、飲み物だとわかった。


父上も母上も、今日は早く寝なさいと、言ってる。ちょっと寝るには早い時間だったけれど、この一週間の大変さを考えたら、あまり寝てなかった。たまには、子供が寝る時間に寝た方がいいと思った。


母上が、アリエッタを、着替えさせるために、ダイニングを出た。


「アリエッタの心が心配だ。ヴァシリス、お前も不安が戻ってきたら、すぐに起こしてくれ。今日の事は、1人で我慢するものではない。お前たちの年齢で、普通は、戦争には参加しない。今日は、アンジェラとこちらの寝室にいる。気遣い無用だ。侍女を呼ばずに直接、部屋に入ってきなさい。わかったな。」

かなり父上が心配してくれている。


「わかりました。」


父上が、抱きしめてくれた。そして額におやすみのキスをしてくれた。

すごく嬉しかった。


寝室に戻ると、まだアリエッタはいなかった。

僕は剣を剣立てに立てて、ポセイダルゴとポセイドンとクロノスに感謝を伝えた。


ノックの音がして、母上とアリエッタが入ってきた。

アリエッタは、今日は、真っ白な寝着だった、僕色のレースが胸元と裾に付いている。

真珠のネックレスは肌身離さずつけている。


「ゆっくり眠りなさい。もし眠れなくなったら、すぐに私のところに来るのよ。」とアリエッタに言い聞かせている。」


僕が手を伸ばすと、僕の手に捕まって、寝台にゴソゴソと上がってきた。


アリエッタが「おかあさま、おやすみなさい」と言って、母上がアリエッタを抱きしめて、額におやすみのキスをしている。

僕も母上におやすみのキスをしてもらった。


「ヴァシリス、眠れなければ、こちらに来るのよ。」


「はい、父上にも言われました。」


母上が部屋を出て扉を閉めた。


「アリエッタ、その寝着、可愛いよ。お姫様だな。」


「綺麗で可愛いです。今日は、おかあさまと一緒に湯浴みしたのです。。それにこの寝着は、おかあさまとお揃いです。」


「母上が一緒に湯浴みしてくださったのか?」


「はい。髪を洗ってくださって、嬉しかったです。」


「良かったな。アリエッタ。僕も父上と一緒に湯浴みしたぞ。その寝着は、母上と同じなのか。」


「ここのレースが、私はヴァシリス様色で、おかあさまは、お義父さまの瞳色でした。うふふっ」


「可愛いくて、綺麗だ。」


会話はいつも通りだけど、何かモジモジしている。婚約したとか、今更関係ないだろうし。

いつもなら、すぐに大の字で寝始めるのに、今日は、寝台に座ったまままだ。


「どうした?眠くないのか?」


「ヴァシリスさま。傷を見せてください。気になって、気になって。」


アリエッタが僕の寝着に手を出している。

そっちだったか。

僕はアリエッタに背中を向けて、刺された場所を見せた。


「まだ、刺された傷痕が残ってる。」


「転んだって、傷は残るから、そのうち消えるだろ。気にするな。」


「嫌です。昨日は、灰になったところも、ちゃんと元通りになったのに。毒が強いのです。ヴァシリスさま、もう一度、ヒーリングするから、このままで、、」 


「アリエッタ、疲れているから、しなくても、、」


突然、後ろから抱きつかれた。アリエッタ、それはまずい、いくら5歳でも、、、5歳の妹なら問題ないか。父上が良いと言ってるから、大丈夫なのか。僕も混乱してきた。乳兄妹だから、でも、もう婚約者だ。


「ヴァシリス様が、死ぬのは嫌です。少しでも傷や毒が残っていたら、どうなるかわからないです。」

アリエッタの涙が、背中に当たっている。


「アリエッタ、わかった。じゃあ納得するまで、ヒーリングしていいから。泣くな。無理するな。」


「はい、、、グリーンキラキラ、、ヴァシリス様の傷よ、治れ、毒よ消えて、、、」


アリエッタの手のひらが、僕の、背中に当てられている。少し温かくて、ふわふわした感じだ。

少し頭を動かして、後ろを見ると、アリエッタの、手がグリーンになっている。

ちょっと引っ張られる感じがした。


「あっやっぱり毒が少し残っています。いま出てきました。」

後ろを、見ると、アリエッタは、手のひらを僕から離していく。紫黒色のドロっとしたものが、背中から引き出されていく。髪の毛を引っ張られるような感じだ。どんどん引かれて、すうっと細いものが抜けた感じがした。


「あっ、取れたっ。」

振り向くと、細長い黒色の糸みたいなものが、アリエッタの手のひらに吸い込まれた。


アリエッタの息が少し荒い、肩で息をしている。毒だ。


僕は、アリエッタの手を両手で握り閉めて、神様に祈った。


「天の神、海の神、どうか僕を癒してくれる、僕のアリエッタをお守りください。アリエッタの毒を取り除いてください。」

僕の手のひらから、オレンジキラキラがら出て、アリエッタの体を包んでいく。 


剣が光って、引き出しから光が出ている。

なんで引き出しが、、あっ、解毒緩和薬だ。

僕は引き出しから、残りの解毒緩和薬の小瓶を出した。

「アリエッタ、残りを半分ずつ飲もう。これで楽になるはずだ。飲めるか?」


アリエッタがかなり苦しそうだ。

アリエッタが、今日、吸い取った毒は、これだけじゃない。刺されてすぐの毒も吸い取ってくれている。そのあと、海で動き続けていた。


「アリエッタ、飲めるか?」と聞いたときには、寝台にうずくまっていた。


薬の小瓶が光っている。飲ませろ、だよな。わかってるけど、意識がないのに、どうやって飲ませるんだ。僕のオレンジ光では、アリエッタが目を覚さない。


僕は意を決した、

アリエッタを抱き起こした。もう一度、呼んで、意識があるかどうか確認した。ダメだ。

許せ、アリエッタ。

ぐったりしているアリエッタを片手で支えながら、

小瓶の薬を半分口に含んで、サイドテーブルに瓶を置いた。空いた手で、アリエッタの顎を持ち上げ、口移しで飲ませた。

頼む、吐きださずに飲んでくれ。

恐ろしい味だから、アリエッタが飲み込むまでに、こっちが吐き出すか、意識がなくなりそうだ。アリエッタの体が震えている。僕は、アリエッタを支えながら、飲み込むまで、口を離さなかった。でも、僕も苦い、倒れそうだ。

アリエッタの喉が、ゴクッと動いた。飲み込んだみたいだ。

アリエッタを寝かせ、僕は口を離して、すぐに残りを飲み干した。

僕が、七転八倒してもがいていると、

アリエッタの声が聞こえた。


「ヴァシリスさま、大丈夫ですか?」


「うっうぐっ、ア、アリ、、うっ。」


「お薬、飲んだのですね。ヴァシリス様。」


アリエッタが、背中を撫でてくれている。

しばらくして、体が楽になって、起き上がった。


「ありがとう、アリエッタ。楽になった。」


「私も楽になりました。でもこのお薬、側にいても、飲んだみたいに凄い味が、口に入ってきます。」


うっ、バレるわけにはいかない。

アリエッタが、指で、口の周りを触っている。口移しの時に、少し流れた薬が、口の端に残っていたのが、アリエッタの指についた。

それを見て、、

「ヴァシリスさま。私にもお薬、飲ませて下さったのですね。ありがとうございます。だから、こんなに体が楽に。。」


「僕の毒を吸って、かなり苦しんでいたから、剣とこの引き出しと瓶が光ったんだ。」


「でも、どうやって、、私、飲んだ記憶がなくて、、、」


「うっ、」


「ヴァシリスさま、私、どうやって、飲ませていただいたのですか?」


頼む、妹の振りをして、聞かないでくれ。

言ったら、絶対に叫ばれる。それに平手打ちされそうだ。あと2日だから、このまま過ぎてくれ。

シャチ事件の時は、死ぬ覚悟で、口づけをした。

あれは、バレてない。セレステは知ってるけど、怒られなかった。

今日は、兄として、妹を救うためだ。いや違う、言い訳だ。大事なアリエッタを楽にしてやりたかった。


「ヴァシリスさま、私、何も知らないのは嫌です。」


こういう時のアリエッタは、非常に追求してくる。更に、例の瞳で、僕をまっすぐ見つめてくる。だめだ、これは逃げられない。

叫ばれて、父上が来て、バレて、叱られるのも覚悟した。


「アリエッタ、怒らないで聞いてくれるか。」


「はい」


「アリエッタが苦しんで意識がなくなって、何回も呼んだけど、意識が戻らなくて、、

くっ、くっ、口移しで飲ませた。飲んだら、すぐに離れるつもりだったけど、この味だから、吐き出してしまいそうで、飲み込んでくれるまで、そのまま口をつけたままだった。」


アリエッタの形相が変わってきた。


「と、ということは、ヴァ、ヴァ、ヴァシリス様が、お薬を、くっ、口に含んで、私にくっ、口移しで。」


「アリエッタ、すまない、そなたの初めての口づけを、こんな形で、、なかった事にはならないかも知れないが、毒を消すためだったが、申し訳ない。」


アリエッタの顔も真っ赤だ?首も真っ赤だ。寝着の袖から出ている腕も、桜色になっている。

あのグリーンキラキラで、殺されるかもしれない。覚悟は、で、できている。


アリエッタが俯いて、ポツリと言った。


「ありがとうございます。」


「へっ?」


「こんなに恐ろしい味のお薬を、口に含んだままで、我慢なんてできないのに、私が飲み込むまで、動かず、吐きださずに、じっと耐えて下さったのですね。」


「アリエッタ、、、」


「はっ初めてのくっ、口づけは、私は、わっ、わからないままに終わってしまいましたが、ヴァ、ヴァシリス様が、私の事を心配して下さった事ですから、うっ、うれしいです。それに、きょ、今日は、私たちの、こっ、婚約のひっ、日ですから。

ヴァ、ヴァシリスさまの、つ、つ、妻になる、あ、あかしに。。あのっ、そのっ、はっ、恥ずかしいです。」


この展開には参った。まさか、アリエッタが怒らず、叫ばず、、受け入れた。


「アリエッタが知らないうちに、すまない。嫌でなければ、もう一度、、」


僕は何を言ってるんだ。さっき食後に飲んだ、子供のお酒に、何か入っていたのか。ヤバい。


「はい、、、」


嘘だろ?アリエッタが、イエスと言ったか?

もう知らない。次に平手打ちが来ても構わない。好きなものは好きだ。


僕は、アリエッタの顎に手を触れると、アリエッタは目を閉じた。アリエッタのさくらんぼ色の唇に、触れるだけの口づけをそっとした。


口移しは、もうしない。できない。

アリエッタは、恥ずかしそうに嬉しそうに小さな声で言ってさた。

「妻になりました。」と。


あとで、知る事になるけれど、この国のプレップスクールでは、みんな5歳くらいから、仲良しの子供同士で、チュッチュっと、軽いチュッは、よくしているらしい。

プレップスクールを拒否していた僕の情報不足だった。だから、アリエッタは、プレップスクールで、他の男子に触れられたくないと、僕の愛に応えて、男子を拒絶していたらしい。


これで、アリエッタのファーストキス(すでに3回目)は、無事に終わった。


「アリエッタ、薬も飲んだから、もう眠れるな。」


「はい、おやすみなさい。」


アリエッタはクジラのぬいぐるみに抱きついて寝ついた。


僕も、無意識に眠りに入っていった。

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