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巫女は海を守りたい〜愛が溢れるヒーラー物語  作者: 紫陽花
第3章 王子と王子妃と次代巫女
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第3章 アリエッタの覚醒7

大人組がいなくなり、

オランとアリエッタと僕だけになり、静かになった。


「アリエッタ、大丈夫か?」

今日は、色々と起こり過ぎた。

父上達大人組は、前進、というところだろうが、

お子ちゃま組は、大変だった。


アリエッタが巫女を自覚したことで、

大人組は、お子ちゃま組をも、大人組に巻き込んだ。アリエッタが一番大変だったろう。


王子は幼い頃から、子供扱いが少なく、大人組に含まれて、常に大人的な判断を仕込まれて育つので、可愛げのない、上から目線の、こまっしゃくれた王子になってしまいやすい。


とうとう、アリエッタも、そこに巻き込まれてしまったが、逆にこれで、僕とアリエッタの温度差がなくなれば、人魚の王子を敵にしなくても済む。


「アリエッタ、明日は母上の面談もあるから、早く寝た方がいい。僕は自室に戻るから。」

アリエッタが、黙ったまま、僕の袖を掴んで離さない。


「アリエッタ、隣の部屋にいるから、夢を見たら、呼べばいいから。」

アリエッタは、僕の袖を離さない。

困ってオランを見た。


「坊っちゃま、先程、陛下が、騎士団入団までの1週間は、姫さまとの同室を許可すると。 

王子のマナーを忘れずに、大切な時間を共に過ごしなさい、との事です。」


「オラン、そんなことをしてもいいのか?」


「陛下がおっしゃるには、大事な時期なので、姫様のお気持ちが不安定にならぬように、と。

騎士団入団後は、結婚式を済ませるまでは、同室禁止になるので、せめて幼い兄妹として、とのことです。」


「ありがとう。オラン。」


「さっ姫様、今日は、坊っちゃまのお側でおやすみになれますよ。」


「アリエッタ、先に寝なさい。僕は湯を浴びてくる。」


「はあいっ。では、ご本を準備して、先に寝台にいますね。

ヴァシリスにいさま。寝る前に、人魚物語を読んでくださいませ。」


まだこの上、絵本を読むのか?さすがに今日は、ぐっすり眠りたいのに。あぁ、父上が、許可くださるはずだ。


オランがクスクス笑っている。

「さっ、坊っちゃまは湯浴みをどうぞ。」


僕が湯浴みから出た時には、すでにアリエッタは爆睡していた。

ちょっとホッとして、アリエッタを起こさないように、寝台に滑り込んだが、あっという間に睡魔に襲われた。

腕に重さを感じて目が覚めた。

アリエッタが、僕の腕にしがみついている。

寝てる?起きてる?


「アリエッタ、眠れないのか?」


「ヴァシリスにいさま。死なないでください。」

目を見開き、またウルウルしている。

アリエッタ、泣くな。


「アリエッタ、大丈夫だ。僕は死んだりしない。

アリエッタは妻になる。一緒にたくさん幸せになろう。

アリエッタは、結婚したら、どこに住みたい?」


「う、み〜、海がいい。」


「そうだな、海の家もいいなあ。」


「部屋から、すぐ浜辺に行けて、クーポやクールも、一緒にいたい。やくそくっ。」


「約束する。だけど、その前に、たくさん勉強しなきゃいけないよ。

アリエッタ、僕は、君に、僕と同じくらい勉強してほしいと思っている。いつも一緒にいたいからだ。僕が王子の仕事をするときは、アリエッタにも手伝ってほしい。

海洋研究所の研究や、海洋軍で、ヒーリングする時も。」 


アリエッタは、目を輝かせて、うんうんと頷いている。

「お勉強ができれば、いつも一緒にいられるのですね?」


「そうだ。一緒に海を守れるし、一緒に海を守ってほしい。」


「努力します。

ヴァシリスさま、私は誰の巫女になるのですか?」


「アリエッタ、今はわからないけれど、それは神様が決めてくださるよ。僕の巫女になってほしいと思っているから、毎日、神様にお祈りしようと思っている。」


「私も、たくさん神様にお祈りします。

ヴァシリスにいさまの巫女になれるように。」


「アリエッタ、セレステから聞いてると思うけど、アリエッタが巫女だということは、2度と口にしてはいけないよ。王家の秘密だからね。」


「はい。でもヴァシリスにいさまは、どうして知っていたのですか?」

うっ、まずい。


「それは、僕とアリエッタが婚約するから、ポセイダルゴ様が、特別内緒に教えてくれたんだ。

僕が、もしこの秘密をもらしたら、アリエッタをポセイダルゴ様が連れ去ると、言われたから、絶対に秘密にしなくてはならないんだ。」


「それは、私も嫌。ポセイダルゴ様は大好きだけど、ヴァシリスにいさまと、引き離されるのは、絶対に嫌。」


「だから、僕とアリエッタだけの秘密だ。いいね。」


「うん、秘密。」


アリエッタが眠ったのをみて、僕もまた眠りに引き込まれた。




巫女の自覚、新しい道です。

読んでいただき、ありがとうございます。

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