表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巫女は海を守りたい〜愛が溢れるヒーラー物語  作者: 紫陽花
第3章 王子と王子妃と次代巫女
39/159

第3章 アリエッタの覚醒6

父上が部屋着のまま、陽の宮からでられるなど、前代未聞くらい、急いで下さったのだと、わかった。そのくらい、アリエッタの覚醒は大事な事なんだ。


「パニエール大公とその娘だと?」

父上の片眉が上がっている。


アリエッタはセレステの膝の上で、抱きしめられて、話している。  


「パニエール大公の動きが怪しいと思っていたが、まさか、なぜヴァシリスを狙う。」


「兄上の王太子の祝賀会で、アリエッタは大公の部下に拐われて、イライザに僕が刺されるようです。それにイライザは、プレップスクールで、アリエッタを妾と嘲笑ったらしく、アリエッタをミカエラード公爵家の娘と、認識してないのでしょうか。」


「アリエッタがどこの誰かわからぬ事はないはずだ。アリエッタの心を傷つける方法の一つだろう。しかし、パニエールは、親子で王家に逆らうわけか。

アラン、パニエールの最近の動きは?」


アラン親衛隊長と父上が顔を見合わせている。

「陛下、ヴァシリス殿下を狙うとしたら、海洋ヒーラーの力を無くしたいという事では?

シャチ事件は、アリエッタ嬢を狙って、軍港の破壊を狙っていました。

しかし、あの時、ヴァシリス殿下のヒーラーパワーが目立ち、敵は、殿下を直接狙った方が早いと考えたのでは?

今回、ヴァシリス殿下を亡き者にできれば、強大なヒーリングのパワーで、シーシェルの海を守れなくなります。」


「隣国と通じて、攻めてくる気か?」


「陛下から、シーシェルごと、奪う気かも?

これは、パニエールの謀反です。

王子を狙うのは、陛下を狙うのと同じです。

三王子の中でも、海の要であるヴァシリス殿下を抹殺すれば、シーシェルは落ちます。」


「あやつ、、我が息子と我が国を、隣国の餌食にする気か。10年前に殺しておくべきだったな、アラン。」


「御意、私は親衛隊に戻り、隠密で、祝賀会の警護の手配をいたします。」


「祝賀会は、予定通り行う。ユリシーズは、各騎士団から、精鋭をあつめ、隠密行動を取れ。

ミカエラード公爵、アリエッタは必ず守るゆえ、神殿警護隊を、動かしてもらえるか?」


「御意っ、

アラン親衛隊長と協力し、隠密に動きます。」


ミカエラード公爵が、僕の前に来た。

「ヴァシリス殿下、お久しぶりですが、時間がないので失礼いたします。

アリエッタを託します。どうか、、」


「ミカエラード公爵、みなまで言わずとも、痛いほどわかっている。未熟な私であるが、命をかけて、アリエッタを守るゆえ、力を貸してほしい。」


「殿下、アリエッタは幸せです、安心いたしました。では失礼する。」


アラン親衛隊長、ミカエラード公爵、ユリシーズが、急ぎ足で、部屋をあとにした。


父上が、オランにお茶の用意を言い付けていた。

「ここは、アリエッタの寝室だ。

ヴァシリスの書斎に移って、5人で話をまとめよう。」


僕の書斎机の椅子に父上が座っている。

その横の椅子にセレステ。

向かいのソファに僕とアリエッタが座った。

アリエッタの斜め後ろにお茶を入れ終えたオランが座った。

部屋の外には、親衛隊の護衛がいるようだ。


「セレステ、どこまでアリエッタに話した?」


「私が陛下の巫女であり、その娘には、同じ力が宿り、ある日突然、その力が目覚める、という事と、アリエッタが王家の巫女であるゆえ、予知夢を見たと言うところまで。」


「アリエッタ、セレステが話した意味はわかったか?」


「はい。ヴァシリス様が、私の目の前でイライザに刺されて、でも、目が覚めたら、ヴァシリス様がお元気だったので、夢だとわかりましたが、

本当に起きたような感じがしたのです。」


「うむ、怖いか?」

父上は優しく聞いている。


「はい、怖いですが、私が見たことを伝えれば、この国が幸せになると、お母様から聞いて、大事な事だと、わかりました。」


「そうだ。アリエッタの力が、必要なのだ。力を貸してくれるか?」


「はい。今日、ヴァシリス様も、国と民の幸せのために、騎士団や海洋軍に入って、強くなる、と話してくださいました。だから、私も、ヴァシリス様のお嫁さんになるのですから、頑張って強くなりたい、と思っています。」


「アリエッタはヴァシリスを大切に思ってくれて、感謝するぞ。」


「王様、私、頑張ります。

でも、お母様は王様に見たことをお話しするのなら、私は誰にお話しするのですか?」


「アリエッタ、それは、これから、だんだんとわかってきますよ。母とオランと一緒に、巫女になるお勉強を、これから、しますからね。」


「わたくし、王家の巫女になったら、ヴァシリス様のお側にいられなくなるのですか?」


「アリエッタ、そんな心配はしなくて大丈夫だ。其方の母上も、王の巫女だが、公爵と結婚しているだろう?アリエッタが誰の巫女になっても、僕はアリエッタを離さないし、守るから安心してほしい。それに、海洋ヒーラーとして、僕達は一緒に国を守るのだから。」


「あっ、そうでした。ヴァシリス殿下と一緒に、ヒーリングをして、海を救うのですね。

でも、それなら、わたくし、ヴァシリス様の巫女になりたいです。」


父上が苦笑しながら、アリエッタに向いた。

「アリエッタ、其方が、三王子の誰の巫女になるかは、まだわからないが、その日がくるまで、

焦らずに、巫女教育と、妃教育を受けてほしい。

できるかな?

もしヴァシリスの巫女になりたいなら、頑張って神様にお祈りをしてみてはどうかな?」


「はい王様、わたくし、努力いたします。」

アリエッタの目がキラキラしてきた。

思ったより、落ち着いているので、ホッとした。


「では、アリエッタ、明日は王妃の後宮面談を受けてくれるね。」


「はい。精一杯、王妃様に、ヴァシリス様をお慕いしていることを、お伝えしてまいります。」


「うむ。アリエッタ、王は嬉しいぞ。

我が息子、ヴァシリスは、何年も前から、アリエッタを妃にしたいと、真剣に私に頼んできた。

父の私が見ていても、王としてみても、ヴァシリスの其方への愛は信じるに値する。

其方ら二人は、まだ未成年だ。アリエッタが成人するまで、まだ13年ある。長い道のりの間に、離れ離れになる事もあるだろう、心ない噂に傷つく事もあるやもしれぬ。だが、其方ら二人の出会いは、互いの信頼の絆を深め、愛を成就させ、

国を幸せに導いてくれると信じている。

これからの13年を、互いの愛を温めながら、大切に生きてほしいのだ。

アリエッタ、私の愛する大切な息子・ヴァシリスを、愛し続けてくれるだろうか。」


アリエッタの目から、涙がポロポロと落ちている。アリエッタが父上の前に、淑女の礼をした。


「王様、わたくし、王家の巫女の名にかけて、ヴァシリス様を愛し抜くと、お約束いたします。」


「アリエッタ、嬉しいぞ。

しかしな、その約束は、ヴァシリスにもしてやってくれ。二人っきりの時になっ」


アリエッタが、一瞬、僕をみた。また顔が真っ赤になってきた。


「よし、では、私は宮に戻る。セレステは、どうする?」


「陛下のお供をいたします。

アリエッタ、あなたが見たご神託は、王太子祝賀会に起きる事です。母は、陛下の巫女として、対処をせねばなりません。

オランがいますから、ヴァシリス様のお側で、頑張れますね?」


「はい、お母様。」


「明日は、王妃様の面談です。それが終わったら、またお話ししましょう。」


セレステは、アリエッタを何度も何度も抱きしめて、僕に言った。

「殿下、アリエッタをお願いいたします。」


「お任せください。」


「ヴァシリス、明日、アリエッタの面談の時、書斎にまいれ。」


「はっ!」


父上がオランに何か言い、セレステを連れて親衛隊に囲まれて宮に戻られた。

僕も早く、父上のように強く勇敢になりたい。

これからのアリエッタの道が変わっていきます。

読んでいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ