表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/159

第二章 ヴァシリスの追憶 4歳その7

アリエッタが、1歳になりました。

ヴァシリス、歯を食いしばって努力中。

父上から剣を受け継いで、僕の日々は大きく変わった。

アリエッタを託されて1年が経つ。

アリエッタは一歳になった。ぼくは4歳だ


僕の隣の部屋に、アリエッタの部屋ができた。

アリエッタは、ほとんど泣かない赤子であった。

この一年は、良く寝ているか、起きている時は、空間を見つめて小さな緑の光を飛ばしていた。


早く強く賢い男にならねばと、毎日頑張った。

近衛騎士団副隊長のユリシーズが、僕とアリエッタの護衛責任者になり、

僕は頼み込んで、ユリシーズを師と仰ぎ、毎日、勉学の合間に、乗馬と剣と格闘技の稽古をつけてもらっている。

ユリシーズは手加減なんてしなかった。手加減されては、強くなれない。


今日も、朝から騎乗で剣の稽古をし、落馬して、傷だらけで部屋に戻ってきた。


「まあまあ、坊っちゃま、傷だらけではありませんか。」

「済まないオラン、加減を忘れて本気になりすぎてしまった。」

オランがユリシーズをキツく睨む。


ユリシーズが僕の護衛責任者になってから、知ったのだが、オランはユリシーズの妻だった。

乳母と養父みたいで、僕の部屋は、かなり家庭的だ。


「オラン、アリエッタは?」

「姫さまは、よく眠っておいでですよ。

坊っちゃま、姫さまに会うのは、傷の手当てをしてからで、、坊っちゃま!」


今日は何故が、アリエッタにすぐに会いたくなっていた。

傷の手当てを後回しにして、アリエッタの部屋の扉をパン!と開けたら、

アリエッタがベビーベッドから下に落ちようとしていた。いや、よじ登って飛び降りようとしていた。

「アリエッタ!危ない!」


僕は、ベビーベッドにスライディングして、落ちるアリエッタを危機一髪で抱き止めた。

僕のお腹に着地したアリエッタは、キャッキャキャッキャと僕を見て、笑っている。


「アリエッタ危ないじゃないかっ!」

一瞬、怒鳴った。

アリエッタは、深いグリーンの瞳で、じっと僕の目を覗き込み固まった。

しまった、怒鳴りすぎた、泣かせてしまう、と思った瞬間、

僕の顔の傷を見て「ヴァチュチュ」と言い、指の先で傷をなぞった。

瞬間にグリーンの光がキラキラと僕の傷にかかった。

アリエッタは、次々と僕の傷を見つけては、「ヴァチュチュ」と言っては、グリーンのキラキラでなぞっている。


「坊っちゃま、傷の手当てをして、お着替えをしないと、、汚れていますから、、あらまあ」


オランが唖然として、そして叫んだ。

「ユリシーズ!来てください!」


ユリシーズが「何事か」と怒鳴りながら、凄い勢いで飛んできたが、僕たちを見て、唖然としている。


僕は床に転んだまま、アリエッタは僕に馬乗りになり、「ヴァチュチュ」と言いながら、グリーンの光を撒き散らしていた。


オランが僕からアリエッタを引き離そうとしたら、アリエッタが「ヴァチュチュ〜」と泣き出した。滅多に泣かないアリエッタが、僕に指を向けて泣いてる。


「アリエッタが、ベビーベッドから、飛び降りたから、受け止めただけだ。」


「飛び降りたのですか?姫さまが?」 


「落ちたのではなく、自分で柵をよじ登って、

上から飛んだのを見たんだ。」


アリエッタの泣き声がうるさくて、オランと僕の会話が途切れる。


「オラン、アリエッタを僕に渡してくれないか、少しの時間でいいから。」ときちんと頼んだ。


僕は起き上がり、ソファーに座り直して、アリエッタを受け取ると、泣き止んだ。


「オラン、ユリシーズ、アリエッタはどこも打ってないはずだよ。僕のお腹に着地してるから。」


説明してる間に、アリエッタは、またグリーンの光を撒き散らしはじめた。

アリエッタの指は、僕の腕や足や、怪我したところに触れては、キラキラグリーンを出して、10分足らずで傷を治してしまった。


そして僕の膝から滑り降りると、よちよちと歩き出した。


「嘘だろ?」

オランのところまで歩いて、オランの足にしがみつき「オリャン」と言った。

次はユリシーズまで歩いて、ユリシーズの靴の上に座り込み「しーじゅ」と言った。

もう一度、僕のところまでよちよちして、僕の足に抱きついて「ヴァチュチュ」と、天使のような笑顔でにっこりした。


僕たちは、驚きと喜びで、固まってしまった。


オランが復活して

「坊っちゃま、まずは湯浴みとお着替えをなさってください。アリエッタさまが汚れます。」

僕は自室にもどり、浴室に向かった。


「坊っちゃまの傷、姫さまのグリーンの光で治った気がするのですが、、」

「王子の着替えが済んだら、傷は私が確認する。姫さまが、ベッドから飛び降りたのなら、姫さまに怪我がないかどうか見てくれ。」


「姫さま、お傷を見ましょうね」

「オリャン、んっふー。」とよちよち歩いている。


その後、3人で話したが、僕の傷は全て治っていて、

アリエッタにも傷一つなかった。

一歳になり、よちよち歩きができた。僕たちの名前が、半分くらいは言える。

そして、ヒーリングのグリーンの光を撒き散らす、と言う成長したことが、わかった。

そしてベビーベッドは撤去された。

もうしばらく、男の子視点・ヴァシリス視点で、幼い2人の成長ををたどります。

読んでいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ