第37話 へぇ、あんたが菜奈って言うんだ祭り!だまんごー。
「おい! これは、どういうことだ……?」
赤い越中褌をなびかせ、体育館裏に現れたのは、まんごのクラスメイトの『的場』であった。
(的場さんを忘れた方は、第11話をお読みください!)
的場は、上半身には、白いサラシを巻いており、腰丈ほどの法被を羽織っている。背中には『甘蕉』の大きな文字が描かれている。そして、下は、赤い越中褌だけという、男勝りな格好をしていた。
そして、右手には、大きな『ガントレット』を装備していた。それには、バナナ型の果物型変身装置の『バナナ・セブン』が付いている。
そう、的場は、『フルプリバナナ』だったのだ。
ちなみに、的場の下の名前は、『菜奈』である。
的場菜奈は『バナナ・セブン』に選ばれた『フルプリバナナ』なのだ!
「これは、どういうことだ? 堀江!」
菜奈が、体育館裏に辿りついた時には、まんごはすでに地面に倒れていた。そして、不知火玄武と思しき人物が堀江沙耶香の方に向けて歩いているところだった。
「んんん〜、あん!」
沙耶香が大声をあげて菜奈に応えるも、蓮根の穴からよだれが垂れるだけで、声は届かない。
沙耶香の口には、まだ蓮根が咥えさせられたままなのだ。
「ちっ……。喋れないのか?」
そう言って、菜奈は一瞬で、沙耶香の横へと飛ぶ。
『フルプリバナナ』に変身しているため、人間離れした素早さを備えているのだ。
その間にも、不知火玄武はゆっくりと沙耶香と菜奈の方に歩いてくる。上半身をフラフラとさせながら、不気味にゆっくりと歩いてくるのだ。
「大丈夫か、堀江。今、外してやるからな……。」
菜奈は、堀江沙耶香の両腕を縛っていたロープを取る。そして、口に咥えさせられていた蓮根も外した。
「ぷはあっ! ありがとう! 的場さん。そう、この玄武が、まんごちゃんの『マンゴスチン・ハート』を食べちゃったんだよ! (意味深!?)」
沙耶香は、口の周りをよだれまみれにしながらも、急いで状況を説明する。
「そうか。すごい叫び声がしたから大急ぎで駆け付けてきたんだが。正解だったようだな」
菜奈は、玄武の叫び声を聞いて大急ぎでやって来たのだ。もちろん、人目のないところで、魔法少女フルーツプリンセスに変身して来たのだ。変身後の格好がどうであれ、変身中を見られるのは、恥ずかしいのだ。
「うん。でも、まんごちゃんが……。」
沙耶香は不安そうに、まんごに視線をやる。まんごはうつ伏せのまま地面に倒れていた。
「高村は、まぁ……、大丈夫なことを祈ろう。とりあえずは、こいつ。この不知火玄武をなんとかしないといけないわけだ」
菜奈は、ゴクリと息を飲む。
玄武は姿形こそ変わっていないが、目を赤く光らせている。そして、沙耶香と菜奈をじっと睨んでいた。
明らかに、沙耶香と菜奈が次の標的だ。
「巨大化した虫と同様に、魔法が効けばいいんだがなぁ……。」
菜奈は、巨大化した虫が果物型変身装置の欠片を食べて巨大化するという事実を知ってはいた。しかし、人が果物型変身装置を食べた例など聞いたこともなかった。
「どうしようか……? さすがに、人間を殺すわけにはいかないよな。じゃあ、吐き出させるか……?」
菜奈は、ギュッと右手で拳を握る。
食べた果物型変身装置が完全に消化される前に胃から吐き出させれば、何とかなると、菜奈は考えた。
「堀江、お前は下がっていろ!」
菜奈は、視線を玄武から逸らすことなく言う。
「うん……。」
沙耶香はすぐに立ち上がり、後ろに下がる。
もちろん、地面から立ち上がるときにも細心の注意を払わなければいけない。忘れてはいけない大事なことだ。沙耶香は、今、ノーおパンツなのだ。
まんごが、マンゴスチン・ハートを犠牲にしてまで守り抜いたものを、うっかりミスで失うわけにはいかないのだ!
「手加減をしている余裕もないが……。まぁ、私が全力で行ったところで、死にはしないだろう……。なんせ、こいつは、果物型変身装置の力を取り込んだんだからな……。」
菜奈は、玄武をキッと睨みつける。
菜奈の目の前を歩いていた玄武も、菜奈が構えるのに反応して、身構えた。
「来い! 見せてやろう。『的場鍬形流』は、貴様なんぞには、やられん!」
菜奈は、腰を少し落とし、両腕を大きく前に出して、的場鍬形流の構えをとる。
「あぁあああ〜〜!」
そして、玄武は、雄叫びをあげて、菜奈に飛びかかる。
ガシッ
玄武が、菜奈に向けて放ったパンチは、菜奈によって、軽く受け止められた。
高村まんごを一撃で倒した玄武のパンチも、『フルプリバナナ』に変身した菜奈には全く効かなかったのだ。
菜奈は左手の手のひらで、玄武パンチを受け止めている。
「ふっ……、この程度か……。まだ力を完全に取り込めていないようだな。 ……と言うことは、早く吐き出させれば、なんとかなるか……。」
左手で玄武の右手を掴んだまま、菜奈は呪文の詠唱を始めた。
すぐに決着をつけるつもりだ。
「行くぞっ!
私のバナナが光って唸るぅ!
黄色い皮が ズルリと剥けるぅ!
白い実が まっすぐにそそり立つぅ!
そして、悪を 突き破るぅ!
これが バナナの叩きURYYYYYYYYY!
貫け 敵を! 貫け 闇を! 貫け 世界を!
バナナの極み! アァァァーーーッ!」
そして、菜奈が大声で叫ぶ。
説明しよう!
『バナナの極み』とは、
魔法によって、敵の足元にバナナの皮を出現させ、敵を滑らせる。敵が滑って転ぶ際に、無重力になるその瞬間に、横からの一撃を加えることで、横からの力を最大限に敵に加える技である。
菜奈が、魔法を発動させると、黄色く輝くバナナの皮が玄武の足元に現れる。
トゥルン
「あぁああ〜」
玄武は、そのバナナの皮に滑って、ひっくり返る。
「おらぁああああ!!」
玄武が、バランスを崩し、倒れかけたその一瞬に、菜奈は正拳突きを繰り出す。
ドゴッ
「お……ぁあ……。」
玄武は菜奈のパンチを腹に受けた。玄武は右手を掴まれていたため、防御が間に合わない。ノーガードのまま腹にパンチだ!
無重力状態の玄武は、お腹に全ての力を受け、そのまま、真横に吹っ飛んだ。
玄武は、地面を数回転がった挙句、地面に仰向けに倒れる。
ゴフッ
そして、その口からは、真っ白な嘔吐物が、吐き出された。
そして、玄武は意識を失った。
先ほどまで赤く不気味に光っていた目も、その光を失い、元の目の色に戻る。
「よし、やったか……。」
菜奈は、的場鍬形流の構えを崩すことなく、玄武の様子を伺う。
武道の心得のある菜奈は、相手を倒したことを確認するまで、気を緩めないのだ。
「堀江! 今だ! 今の内に、高村を!」
菜奈は、玄武に向けた視線を動かすことなく、大声をあげる。
「うん、わかった!」
菜奈の言葉に反応し、沙耶香は、倒れているまんごの元に大急ぎで駆け寄る。
もちろん、スカートに最新の注意を払いながらも、全速力でまんごの元に駆けつけた。
ドドン!
次回に続く!
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わたくし、ドリア・ヌ・ロドリゲス。小学3年生でございますわ〜。
わたくしは、『果物型変身装置』の『ドリアン・クラブ』の力で、魔法少女『フルプリドリアン』に変身できますのよ。
まんごちゃんと同じで、同人作家兼魔法少女をやっているでございますわ。
ご機嫌麗しゅう〜。
前回から、まんごちゃんがピンチでございますのよ。
そして、今回も、まんごちゃんが意識を失っていらっしゃいますので、わたくしが次回予告のナレーションを勤めさせていただくでございますわ。
わたくしもこの近くに住んでいれば、すぐに駆けつけられるのですが……。
本当に、残念です。
今回のところは、的場菜奈さまが来てくださって助かったですわ。
でもまさか、的場様が『フルプリバナナ』とは、誰が予想しましたでしょうか。
幾度もほのめかしていたのですが、お気づきだったでございましょうかね?
えっ?
苗字しかなくて、下の名前がない時点で気がついていた?
えっ?
人物まとめの時に、果物型変身装置に『?』がついていた?
そうでございますわよ〜。
ありがとうございますですわ〜。
さて、次回は、なんと!
口惜しや〜! まんごちゃんを助けられないだけでなく、沙耶香ちゃんにまんごちゃんの唇まで許してしまうとは……。
とはいえ、沙耶香ちゃんには、以前にも唇は奪われていましたのでね。わたくしとは、兄弟、いえ、姉妹のようなものでございましたがね。
次回は、一歩先を行かれてしまうようでございますわ〜。
くぅぅう〜。
しかし、危険でございますわ〜。
描写に気をつけねば、大変なことになるでございますわっ。
間接的な表現をして、ごまかすしか方法はないと思います。
詳細は想像で補っていただけると幸いでございますわっ!
それでは、ご機嫌ようでございますわぁ〜。
次回!
魔法少女 マンゴ☆スチン A’s
『第38話 目覚めろまんご!沙耶香決死の口移し!だまんごー』
でございますわ!
絶対にお読みくださいませっ!
ドリアン! カジュー! ヒャクパーセントー!




