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魔法少女マンゴ☆スチン Reincarnation  作者: 幸田遥
魔法少女マンゴ☆スチン 無印

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第30話 パン!パン!パン!ぶつけて!ひっくり返せ!だまんごー。


 高村まんごは、ドリア・ヌ・ロドリゲスの屋敷に遊びにきた。


 今日は、まんごの兄の高村桃矢も一緒だ。



「ドリアちゃん、これ、印刷してきたよ」


 まんごは、桃矢と一緒に、ドリアの屋敷に来る道中で、原稿を印刷をして来た。


 あとは、これらをまとめて、ホッチキスで止めて、冊子にしてゆくのだ。




「桃矢お兄様、ご気分はいかがでしょうか?」


「もう大丈夫だよ。色々と、心配かけてごめんね。俺ね、女の子になることに決めたんだ。来年の1月に海外で手術を受けるんだ。そうしたら、女の子だよ」


 桃矢は、ドリアに向けて笑顔を浮かべる。



「そうでございますか、もう、すぐでございますね〜。すぐに日本に帰っていらっしゃるのですか?」



「手術は一日で終わるみたいだけど、そこから安静にしていないといけないみたいだし。パパと一緒に、ゆっくりするんだ」


「それはいいでございますわねぇ〜。パパと一緒に旅行ができるなんて、羨ましいでございますわ〜」


 ドリアは、桃矢に相槌を打つ。



「あれ? そういえば、ドリアちゃんのパパとママには会ったことがないけど……。」


 まんごは、思いついたまま言葉を発したが、はっ、と気がつき言葉を呑んだ。



「あっ、ごめん、ドリアちゃん……。」


「ううん。大丈夫でございますわよ。パパもママも、ちゃんと海外にいますわよ。あまり日本には帰ってきてくださいませんが……。でも、わたくしにはスネイクがいますので寂しくありませんわ。それに、最近は、まんごちゃんもいますし、小学校のお友達もいますから」


 ドリアは、顔を上げて、ニコリと笑顔を浮かべる。


 ドリアの両親は、2人揃って海外に住んでいる。父親がアメリカ人で、母親が日本人であるが、2人とも主な仕事先はアメリカなのだ。




「まぁ、とりあえず、始めようか」


 桃矢の声をきっかけに、3人は、分担で作業を開始する。


 今回は、比較的簡単なコピー本である『袋綴じ本』にしたのだ。


 桃矢が、印刷したページを真ん中で折り、まんごが、それを並べる。そして、ドリアがそれをホッチキスで止める。これで完成だ。


 3人は、小学校の話などで盛り上がりながらも、テキパキと作業をした。



「ふぅ〜。一通り終わりましたでございますね〜」


 3人で作業をすると、瞬く間に本は完成してゆき、ものの1時間ほどで完成した。


 各10冊ずつで、全部で30冊だ。



「そうだね。みんなでやると早いね。お兄ちゃん、手伝ってくれてありがとう」


「いえいえ。お安いもんだよ。当日は手伝えないけどな。頑張ってこいよ、まんご。そして、ドリアちゃんも!」


「はい! でございますわ〜」


 ドリアは、大きく頷く。




「それでは、アレで遊ぶでございますわ〜」


 ドリアは、『大きな四角い缶』を棚から取り出す。



「あっ、それ。昨日見せてもらったやつだよね? 中身が気になってたんだよね〜」


 ドリアが、大きな四角い缶の蓋を開けると、それには、丸と四角の厚紙のようなものが入っていた。



「「何これ?」」


 まんごと桃矢は声を揃えた。



「おメンコでございますわ〜」


 面子(メンコ)である。


 ドリアはお嬢様なのでお上品に『お』をつけて呼んでいるだけである。特に深い理由はない!


 ドリアのクラスで流行っているのだ。



「おめ……。」


「んこ……。」


 桃矢とまんごは、メンコで遊んだことがなく、その存在を知らなかったのだ。



「そうでございますわよ。元々は男子の間で流行っていたんでございますが。遊んでみると、意外と奥が深いのですわよ。勝つために自分のおメンコを改造するのでございますわ〜。まんごちゃん、これがわたくしの一番のお気に入りのおメンコでございますわ」


 ドリアは、そう言い、一枚のメンコをまんごに渡す。それには、『王冠を被ったピンク色の竜』の絵が書かれていた。



「えっ……、ドリアちゃんのメンコ、すごくしっとりしてるぅ〜!」



 まんごは、ドリアから受け取ったメンコの裏がしっとりとしていることに気がついた。紙に油が染み込んでいるようだ。



「そうですわ。重くしたり、重心を変えるために、色々と塗るのでございますわ」



「そうなんだ〜。メンコに色々塗るんだ……。」


 まんごは感心しながら、メンコの裏をまじまじと見る。



(のり)やサラダ油も試しましたし、バターも試しましたわ〜。色々と、試行錯誤を繰り返し、最終的にたどり着いたのが、コレですわ!」」



「「……。」」


 まんごと桃矢は、ゴクリと息を飲む。



「エキストラ バージン オリーブオイルですわ!」


 ドリアは、そう言って『エキストラ バージン オリーブオイル』を取り出した。



「「……。」」


 まんごと桃矢は、お互いに目を合わせる。



「これをこうやって、おメンコに塗るのでございますわ〜」


 ドリアは、まんごと桃矢にお手本を見せる。


 オリーブオイルを垂らした人差し指で、メンコの縁をなぞる。紙のメンコはじわじわとオリーブオイルを吸い込み、しっとりと潤いを帯びてゆく。



「優しく、丁寧に、じっくりと染み込ませるのがコツでございますわよ〜。潤いを帯びたおメンコは、強く美しくなるのでございますわ〜」



「う……、うん。」


 機嫌よく説明を続けるドリアに、まんごは、ただ相槌を打つ。



「とろっとろ バージンオイル メンコかな」


 そのまんごの横では、桃矢がポツリと呟いた。

 桃矢の趣味は川柳を詠むことである。



「……。」


 しかし、まんごは、それを華麗に聞き流した。割といつものことである。




「さぁ、まんごちゃん、桃矢お兄様、どうぞお好きなおメンコを選んでくださいませ!」


 ドリアは、大きな四角い缶を2人の前に置く。



「お……、おう、じゃあ俺も、やってみよぉ〜かなぁ」


「じゃあ、私は、このメンコにしようかなぁ〜」


 桃矢とまんごは、大きな四角い缶の中から、メンコを手に取る。


 まんごは、『水の精霊の様なキャラクター』が描かれたメンコを、桃矢は『仮○ライダーのパチモンキャラクター』が描かれたメンコを選んだ。



 まんごは、ドリアに倣って、『エキストラ バージン オリーブオイル』をメンコに塗り込む。


 まだ手慣れないまんごは、手を必要以上にオリーブオイルでトロトロにして、メンコにオイルを塗ってゆく。



 桃矢も、丁寧に、丁寧にメンコにオイルを塗った。




「よぉ〜し、完成だ。ドリアちゃん、勝負しようよ!」


 メンコにオイルを塗り終わった桃矢は、立ち上がる。



「はい、でございますわ! わたくしは、クラスでも強い方でございますからねぇ〜。『3年1組のツカサ』と呼ばれておりますのよ! 桃矢お兄様にも負けませんですわよ〜」


 ドリアは、メンコを手に取り、立ち上がった。



「では、私から行きますわよ! 見ていてくださいませ! まんごちゃん、これがわたくしのっ、おメンコよっ!!」



「えっ……。うん」


 まんごは、オリーブオイルでトロトロなメンコを握りしめながらも、コクリと頷いた。



「行きますわよっ! ジャイアント!!!! シューーーーーーーッ!!」


 ドリアはメンコを構え、それを、桃矢のメンコめがけて、投げた。



 パン!


 ドリアのメンコは、桃矢のメンコをひっくり返した。



 とりあえずは、ドリアの勝ちである。



「なるほど〜、これは楽しいね〜。じゃあ、今度は俺の番だね。行くぜっ!」


 桃矢は、負けたにもかかわらず、楽しそうにはしゃいでいる。そして、メンコを構える。





 パン!


  パン!!



 パン!



  パン!!



 軽快なメンコの音がドリアの部屋にこだまする。


 3人は、仲良くメンコ遊びに夢中になった。




 冬の祭典、同人即売会『マン・セレ 2020冬』はもうすぐだ。


 ドリアとまんごは『フルキン』として、準備万端だった。あとはその日が来るのをワクワクしながら待つだけである。



 次回!

 『マン・セレ 2020冬』開催!!

 お楽しみに!




===============================




 私、高村まんご。小学3年生。


 マンゴスチン・ハートに出会って、魔法少女『フルプリマンゴスチン』に変身できるようになっちゃったの。



 ま〜、それは置いといて、同人即売会の準備に忙しいのよね、私は。


 で、桃矢お兄ちゃんも一緒にドリアちゃんの屋敷に遊びに来たんだよっ!

 準備を手伝ってもらっちゃった。




 あれ?


 今回は、あの例の予定の30話ねっ……。

 忘れたって読者さんは、第7話を読み直すといいよっ。



 まだ、あわわわわわわわわわわわわわ。



 ……とか言ってる場合でもないよね。



 ステータスオープンして、ダンジョンに潜る予定だったのにねぇ。


 遊んでばっかりいるから、間に合わなくなるんだよ……。


 しかも、その大事な30話に、『メンコ』って……。


 まぁ、これが、マンゴスチンシリーズなのよっ!




 実は、この冬の祭典こそがダンジョン……。


 ……ってことは無いわよ。


 そのうち潜るからね! たぶん。


 任せてっ!!




 さぁ、手に汗握るバトルだったわねぇ〜。


 昔懐かしい『メンコ』だよね〜。


 昭和の匂いがするよね。うん。


 懐かしい!




 え? 油を塗るのは反則だって?



 まぁ、ドリアちゃんのクラスでは、そういうルールになっていないから!


 重くした方が強い!


 シンプルに強さを求める姿勢、いいよねー。



 えっ? 『お』をつけるのも反則だって?


 いや、私には何が悪いのかわからない!!


 大丈夫、大丈夫。 無問題(もうまんたい)




 さて、次回はいよいよ同人即売会当日だよっ!



 あっという間に当日になっちゃうんだよ。早いね〜。


 ちゃんと冊子が売れるといいなぁ〜。



 でも、『マン・セレ 2020冬』は年末にあるという設定だからね〜。


 今年の分のクリスマスは吹っ飛ばしちゃう感じだね。



 いやぁ〜、クリスマスでひとりぼっちのことを『クリぼっち』っていうんだよっ!


 こんなのマンゴスチンシリーズに登場しないわけがない!



 そして、『クリぼっち』からの〜、いちごのショートケーキ! からのホイップクリーム!


 色々妄想が膨らむんだけどね……。



 うん。でもまぁ、またの機会にってことだねっ!



 とりあえず、早く同人即売会デビューしないと始まらないのよ!


 色々とね!




 よしっ、即売会!


 ガンバりま〜す!




 次回!


 魔法少女 マンゴ☆スチン

 『第31話 冬の祭典!フルキンの即売会デビューだまんごー』


 だよっ!



 絶対に読んでねっ!


 マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!


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i488219
秋の桜子さまよりいただきました。
リンク先は『マンゴスチンから生まれたマンゴスチン太郎』です。
i471546
こちらもどうぞ!完結しました!
― 新着の感想 ―
[一言]  30話、おめでとうございます(^o^)  桃矢くんは、やっぱり女の子になるんですね。  海外ということは、モロッコ(古い?)かな。  まあ、幸せのカタチは人それぞれということで。  突…
[一言] マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー! メンコに油ぬって戦うんですね (*´▽`*) パン×4とか凄い Σ( ̄□ ̄|||)www まんごちゃんキボンヌw
[一言] マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー! おメンコwwww いつも思うんだけどドリアちゃんは確信犯じゃないかな!?www >「とろっとろ バージンオイル メンコかな」 とてもこれ…
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