第111話 プロローグのエピローグ!だまんごー。
「ホクトっ! 無事だったか……? ひどくやられたようだな、おめぇ、背中が煤けてんぞ」
ツカモーは、熊のビョーンに吹き飛ばされたところから、自分の近くに戻ってきたホクトを心配する。
「はっ、言うなよ。俺だって自分が薄幸だって自覚してんだからよ。まぁ、なんとか大丈夫だがな……。あの不意打ちはさすがにキツかったぜ……。この俺様が死にかけたんだからな……。」
ホクトは、ビョーンの掌底をなんとか両手で受けたものの、かなりのダメージを負っていた。
「だろうな……。あの熊……。さすがにやべぇ〜ぞ……。」
ツカモーは、熊のヤバさに気がついていた。つまり、この熊が、その辺にいる野生の熊とは違う、何か別のものであることに気がついていたのだ。
「おいおい、たかが熊だろ? ただの大型哺乳動物じゃねぇか。さっきは不意打ちだったから攻撃をくらっちまったけどよぉ〜。まともにやりゃあ、俺たち魔族の相手じゃねぇだろ……?」
ホクトは、構えを取る。まだ戦うつもりでいるのだ。
しかし、先ほどビョーンから両腕に受けたダメージから回復はしていなかったため、気合いで手を自身の前に構える。そして、高村まんご達をギロリと睨みつけた。
「ヤルノカ? チュウトハンパナツヨサハ シヲマネクダケダゾ?」
ホクトの視線に気がついた熊のビョーンは、まんご達の前に出る。そして、ホクトの挑発に乗り返すように、鼻で笑い返した。
ホクトは、ビョーンの言葉に眉をピクリとさせる。
「あんっ? このやろう! 俺が熊ごときにびび……。」
「おい! やめろっ! ホクト! オメェは相手の力量もわからないのかっ? あいつはマジでやべーぞ! ホクト、ここは逃げるぞ?」
しかし、ホクトの声は、ツカモーに遮られた。ツカモーは、まだ戦う気でいるホクトを止めたかったのである。
「おぃ、ツカ! 俺たち誇り高き魔族が、人間のガキ4匹と大型哺乳類ごときから逃げるだって……?」
ホクトは、まだ、この熊のビョーンがただの熊だと思っているのだ。
「オラだって逃げたくねぇさ。こんなに強い奴を見るとさぁ……、ワクワクすっさ……。けどよぉ、今回は流石に相手が悪い……。ホクト、行くぞっ!」
ツカモーは、ホクトの肩に手を掛けて、魔力を込めた。
「おぃ、俺はまだ……。」
シュンッ!!
ホクトの言葉の途中で、2人は一瞬にして、まんご達の目の前から消えてしまったのだ。そう、彼らは瞬間的に移動したのである。
「なんや? 逃げたんかいな……?」
チェリモ・ヤ・ファストウィンドが言う。
「それにしても危なかったなぁ〜。あいつら強そうだったし、まともに戦ってたらどうなってたかわからね〜ぞ〜。」
高村桃矢は、『ふぅ〜。』と大きな息を吐いた。
「まぁ、ドリアちゃんも、そしてみんなも無事だったんだし。良しとしようよ〜。それにしても、ドリアちゃんは、何で襲われてたの?」
まんごはドリア・ヌ・ロドリゲスの近くに寄って、彼女にギュッとハグをした。ドリアは先ほどまで、熊に対して死んだふりをしていたが、誰もツッコんでくれないので、普通に目を開けて、まんご達と共に、ツカモーと対峙していたのだった。
「あの方々は私に、『仲間になって欲しい』って、おっしゃっていたでございますわ」
ドリアも、まんごにギュウっとハグを返す。
「ふ〜ん。何の仲間だろうね? でも、絶対悪いこと考えてるよね〜。」
「そうでございますわねぇ〜。」
まんごとドリアは、お互いに見つめ合い、ニコリと笑顔で頷いた。
「でも、ほんと良かった。みんな無事で。私の見てないところでみんなやられちゃった時はどうなるかと思ったけど……。」
まんごの言葉に、桃矢は『面目ない……。』と言わんばかりに舌をペロリと出す。
そして、チェリモは、自分のことを言われていると気が付かない体で『うん!そうだ!そうだ!誰やねん?やられたやつは?』と言わんばかりに大きく頷いていた。関西風……、いや、タイ風のボケである。
しかし、そのボケには誰もツッコまなかった……。
「それにしても、あの方々、魔法を使ってらっしゃいましたよね?」
「だよね……。私たち魔法少女以外にも魔法を使える人がいるんだね。でも、あの2人、どう見ても男の人だったよね〜? 普通の魔法使いかなぁ〜?」
ドリアが首を傾げながら言った言葉に、まんごも首を傾げて答えた。
「そうだよな〜。でもまぁ、俺も一応男だったけど……なぁ?」
桃矢は腕を組んで、まんごに相槌を打った。
「でも、お兄ちゃんは特別じゃないの? あと、パパも……。」
「そうかぁ〜? あいつらも、実は『元男』だったりしないのかなぁ?」
桃矢は、首を傾げた。彼は、自分の意見を妹のまんごに軽くあしらわれて、すこし不貞腐れた顔を浮かべている。
「そうかもしれないでございますわね〜。」
そんな桃矢をドリアはしっかりとフォローしたのであった。
「ふあぁああ〜。そういえば、真夜中だったな。とにかく、ドリアちゃんが無事でよかった。俺たちは、明日も学校だし……。早く帰って、寝るか?」
「うん。そうだね! 私も、なんだか眠くなってきちゃった……。」
桃矢の言葉に、まんごは頷いた。事件が発生して魔法少女が大集合していたが、今は、良い子は寝る時間なのである。危険が去って安心したのか、桃矢もまんごも眠たさを思い出したのだ。
「じゃあ、まんごちゃん! 桃矢お兄様! 助けてくれてありがとうございました!」
ドリアは、ニコリと笑顔を浮かべながら、2人に向かって大きく手を振った。
「うん。大したことないよ。じゃあね〜。ドリアちゃん!」
「じゃあな!」
こうして、まんごと桃矢はまた空を飛んで家に帰った。
そして、チェリモは、彼女のお供の4匹の大型哺乳類を連れて、ドリアと一緒にドリアの家に向かった。
――――――――――――――
カチャ
カチャ
と、音を立てながら、割れたガラスの無言で掃除していたのは、『スネイク・ド・ファルシア』。ロドリゲス家の執事兼ドリアの世話係である。
ホクトがドリアの部屋に侵入した際に割ったガラスの破片である。部屋中に散らばっており、さらには、靴で踏みつけられたために、破片は小さくなっていた。こんな荒れた状況の部屋を、スネイクは掃除していたのであった。先ほどホクトにやられた痛みはまだ残っていたが、何もせずにじっとしていることに耐えかねて、掃除を始めたのだ。
もちろん、防犯アラームはすでに解除してある。
そう、そのため、真夜中の静かな部屋にはガラスのカチッと当たる音だけが微かに聞こえていたのだった。
掃除の途中、彼は時折手を止め、歯をギュウと食いしばった。そして、箒を持つ右手に、全力で力を込めていた。そう、彼は、ドリアを拐われた悔しさに耐えていたのだ。
「はっ!」
俯いて掃除をしていたスネイクの視界の横に、月明かりでできた影が、さっと動いた。その動きに気がつき、『もしや!?』と思い、彼はベランダに視線をやる。
そこには、ドリアの姿があった。フルプリドリアンに変身し、空を飛んで帰ってきたのだった。
「おっ……。お嬢様っ! ドリアお嬢様っ! よくぞご無事でっ!」
今しがた掃除をしたばかりのガラスの入ったチリトリと箒をその場に投げ置き、スネイクはベランダに駆けた。
「ただいまでございますわ、スネイク!」
慌てて駆け寄ってきたスネイクに、ドリアは笑顔を返す。
「お嬢様! 本当に無事で……。よくご無事でお帰りくださいました……。何もできずに、本当に申し訳ございません……。」
耐えきれずに、涙を流しながらドリアに抱きついたスネイクを、ドリアも涙を流しながら抱き返した。
「大丈夫でございますわ……っ。私、こうやって無事に帰ってこれましたし。まんごちゃんと桃矢お兄様、あと……チェリモちゃんにも助けてもらったのでございますわ!」
ドリアは、そう言いながら、目線を横にやった。スネイクがその方を見ると、そこにはチェリモがいた。彼女はベランダの端に立っている。
「そうでございますか。チェリモ様、ドリアお嬢様を助けていただきありがとうございます!」
スネイクは、チェリモに近づき、彼女の手をとってお礼を言った。
「あの……それで、スネイク。ちょっと相談があるのでござますが……。チェリモちゃんはついさっき日本に来たばかりで、まだ住むところを持っていらっしゃいません。ですから……、しばらくうちに住んでもらってもよろしいでしょうか?」
ドリアは、スネイクに遠慮がちに尋ねた。チェリモと一緒に住みたいという気持ちはあったのだが、ちょっと気になることがあったのだ……。
「もちろん大丈夫でございます! ドリアお嬢様の命の恩人でございますからねっ!」
スネイクは、大きく頷いた。
「そう、私の命の恩人でございます。それに……、この『青いヒモ』の命の恩人でもございますわ!」
ドリアは、満面の笑みで、右手持った『青いヒモ』をスネイクに見せる。チェリモが『女神さまっ』から取り返してきたものを、ついさっき彼女から受け取ったのだ。
「それはっ! それはお嬢様のお気に入りの『青いヒモ』ではございませんか! チェリモ様、本当にありがとうございます!」
「ははは。かめへんて。うちがここに来る時の通り道に寄っただけやさかい……。」
スネイクは、チェリモの手を取り、何度もお礼を言った。あまりの厚いお礼に、チェリモは逆に申し訳なさを感じていた。
「それで、その……。あれや、うちをしばらく泊めてくれるって……?」
「もちろんでございますよ! 遠慮しないでください。チェリモ様は、ドリアお嬢様とまんご様と同じ学年でございましたよね? お友達が増えて、私も嬉しく思います!」
「あ……おおきに。ちなみに、うちには仲間がおんねんけど……。その子らも一緒に住んでも大丈夫かなぁ……?」
チェリモも遠慮がちに言う。そう、ちょっと気になることがあるのだ……。
「もちろん! 大丈夫ですよ! 何人でもどうぞ。どちら様ですか?」
スネイクは、チェリモの言葉に、胸を張って答えた。
ドリアの命の恩人であり『青いヒモ』の恩人であるチェリモとその仲間である。彼としては、是非とも恩返しがしたいと思っていたのだった。幸い、ロドリゲス家は大きく、空き部屋もある。
「おおきに! よかった〜。この子らやねん……。あんたら、よかったなぁ〜。しばらくここに置いてもらえることになったでぇ〜!」
チェリモの仲間の大型哺乳類4匹は、ベランダの下で待機していた。チェリモが指した方に目をやったスネイクは、そこにいたキリン、象、熊、そして、猿の4匹の存在に気がついた。
「あっ……。この方々でございますか……。だっ……、大丈夫でございます……。」
スネイクは、一瞬、顔を青くさせたが、何事もなかったかのように、笑って答えたのであった……。
こうして、チェリモと大型哺乳類4匹は、ロドリゲス家に居候することになった。
そして、新学期、ドリアと一緒の学校に転校することになる。
バンっ!
次回に続く!
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やっほ〜久しぶり!
私、高村まんご。小学4年生! ついこないだ進級して4年生になったんだよ!
でもまだ小学生だし〜。魔法少女兼同人作家の小学生こと、まんごちゃんですっ!
さて、こうやって次回予告で会うのは、久しぶりだよね〜! なんたって、ここ数回は、シリアス回で〜。しかも、まんごちゃん大活躍だったからね〜。久々にかっこいいとこ見せてあげちゃったね。うふふ〜。
いやぁ〜、いきなり襲ってきたよね〜。やばい奴らが。ほんと、色んな意味でやばいよね〜。
ええ? あぁ〜! 彼らの名前でしょ? もちろん、本名はもっと長いんだよ。
もうわかってる読者さんもいるかもね〜。だってねぇ〜。ねぇ〜?
え? わかるわけないって?
じゃあ、まんごちゃんの出血大サービス! ヒントをあげよう。私って優しいでしょ?
『ツカモー』のミドルネームは、『Z』だよっ。
あっ、そうか、でも日本だと『Z』のことを『Z』って発音するのかな? まぁ、一応、安全のために、ここでは、『Z』ってことにしとくけどね〜。まぁ、あれだよ、遥さんって、外国語出来るぶってるから(笑。
あぁ〜、もう、これだけ出しちゃったら、ラストネームも、何の果物なのかもバレバレよねっ? うふふ〜。
そして、『ホクト』のミドルネームは、『U』だよっ。
あぁ〜。これは、もう、ラストネームがバレバレだねっ? まぁ、『ホクト』は林檎の種類だからね。うん。すでに果物はバレちゃってるけどね〜。うふふ。
え? これでもわからないって?
そうか〜。そうだよね……。じゃあ、本名が出てくるまで、あともう少し全裸待機しててねっ!
もうすぐ春だよね〜。ちょっとは暖かくなってきてるようだけどねっ。風邪をひかないようにね〜! 暖かくして全裸待機するんだよっ!
そうそう、チェリモちゃんね。ドリアちゃんと一緒に住むんだって。いいなぁ〜。きっと夜は……。いや、そんな……。
まぁ、こういうことは置いておいて、あれだ。
密入国とか? そういうこと?
それについては、チェリモちゃんは、
「不法滞在やけど。うちは気にしーひんねん。漫画とかアニメとかやと、そんなんザラやで。気にしてるキャラの方が少ないで。警察と仲がいい少年も、パスポート無しで海外に行ってたやん。せやからうちも、大丈夫やでぇ!」
って言ってたから!
まぁ、ということだから、気にしないでねっ!
なんでかわからないけど、小学校に転入できたりもするからね。きっと第五の力が働いてるんだよ。
え? 第五の力なんて存在しないって?
まぁ、そう言われてた時代もあったよね〜。知らんけど。
よくわからないけどね。この辺は、深くツッコまないでねっ!
奥までツッコんでいいのは、マンゴスチンだけっ!! てへっ? 意味わかんないっ!
で? 次回ね?
シリアスな回を続けたからね〜。ちょっと息抜きが必要かなぁ〜って。まぁ、いつものことだから。
みんなも、小学校の時、牧場くらい行ったことあるでしょ?
遥さんは小学校2年生の時に行ったらしいよ〜。
じゃあ、そういうことで、次回もヨロシコッ!
次回!
魔法少女マンゴ☆スチン Reincarnation
『第112話 課外授業 幼児の手が 乳搾り。だまんごー』
だよっ!
絶対に読んでねっ!
マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!




