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魔法少女マンゴ☆スチン Reincarnation  作者: 幸田遥
魔法少女マンゴ☆スチン Reincarnation

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第百拾話 クマ、夜空のむこうに



「他愛もないぜ……。それじゃあ、お嬢さま。一緒に来てもらうぜっ!」



「あんっ……まん……。ちゅぱ〜。」


 (うつろ)な目で変な言葉を口走る『ドリア・ヌ・ロドリゲス』を、『ホクト』は抱き抱えた。またしてもお姫様抱っこである。そして、彼は、ツカモーに目で合図を送りつつ、高村桃矢とチェリモ・ヤ・ファストウィンドから距離をとっていった。


 ドリア、桃矢、そして、チェリモの3人は、ホクトの魔法『夢想再生』にかかって、頭の中に夢を見させられているのだった。



「お兄ちゃん! ドリアちゃん! チェリモちゃん!」


 高村まんごは、大声を上げる。彼女には、自身の背後で何が起こっているのかはわからない。しかし、3人の変な声が聞こえたため、3人に何か異常なことが起こっていることはわかった。


 わかってはいた……が、彼女は目を逸らすことも、気を逸らすことも出来ないでいたのだ。



「オラオラっ! よそ見はいけねぇ〜ぞ! よそ見してっとオラが勝っちまうぞぉ〜!」


 ツカモーの放った赤い光の球とまんごの展開する『マンゴスチン・盾』はまだ拮抗状態を保っている。どちらも、全力で魔力を込めていた。



「わかってるよっ! でも、私も絶対に負けないんだからっ!」


 ツカモーの挑発的な言葉にも、まんごは怖気ない。気持ちでも負けるわけにはいかないのだ。



「……って、ドリアちゃん!」


 その時、まんごの視界の端に、ホクトに抱き抱えられているドリアの姿が入った。しかも、彼女が(うつろ)な目で口をパクパクしているのも見えたのだ。



「ドリアちゃん! ねぇ! ドリアちゃん! くぅ……。なんとかしないとっ……。」


 まんごが大声で叫ぶも、その声はドリアには届かない。依然として、ドリアの目は(うつろ)なままだった。まんごは、それに焦りを覚えた。今のところ、ツカモーの攻撃はなんとか凌いではいたが、このまま守っているだけでは、自身の目の前でドリアが連れていかれるのを見ているだけになりそうなのである。



「待って! お願いっ! ドリアちゃんを連れていかないでっ! 私の大事な友達なのっ!」


 まんごは、大声でホクトに訴えかける。それはホクトの耳に届いたが、彼はその言葉を無視した。



「大事な友達を守りたいんなら、本気を出しなっ! 守ってばっかじゃ、勝てねぇぞ!」


 そのまんごの言葉に、ツカモーが返す。ツカモーはそう言いながらも、力を抜くことはない。隙あらばまんごの防御を貫こうと、力を入れ続けているのである。



「確かに勝てないかもしれない……。でも、今、あんたには負けないっ!」


 まんごはギュウと歯を食いしばった。相手の挑発に乗って、気を逸らしてしまえば相手の攻撃を食うことになる。もしそうなってしまえば、反撃のチャンスは無くなることに。


 まんごは、ただ、全力で防御に集中していた。ドリアをすぐには助けられないけれど、今自分にできることに全力を注いだ。



「強気なガキだな……。オラ、そういうの嫌いじゃねぇぞ。ははは……。んんっ??」


 その刹那。ツカモーは背筋が凍りつくほどの恐怖を感じた。ヤバいと感じた本能のまま、瞬時にドラゴン波に注いでいた魔力を抜く。


 そして、ホクトに対して大声を上げた。



「おぃ!! ホクト! やべぇぞっ! すぐに、そいつをよこせっ!」


「なっ……?」


 さすがのホクトも、今回のツカモーの悲鳴に似た叫びが、尋常ではないことを感じたのか、すぐに、抱き抱えていたドリアをツカモーに向けて放り投げた。


 ドリアは宙を浮かび、ツカモーの方へと放物線を描いた。



 その直後、



「なんだとっ! 熊かっ!?」


 ホクトは、ドリアを投げたモーションによって視界が上まで広がって、自身のすぐ真上にいる熊の存在に気がついたのだった。



「ショウテイ! テエェ〜〜〜〜イ!!」


 熊のビョーンである。彼は、上空から右手を下にして落下してきて、ホクトに掌底を当てたのであった。



「オシカッタ……。」


 ホクトを不意打ちをして、ドリアを奪い返す算段だったが、ギリギリのところで相手に気がつかれてしまったため、ビョーンは少し悔しそうに呟いた。



「なっ……。何だとっ……。」


 ホクトは、咄嗟に両腕を交差させ、ビョーンの掌底をギリギリ受け止めていた。しかし、その衝撃で、真下に十数メートル吹っ飛んでいった。



「大丈夫かっ……! ホクトっ……! ったく、なんなんだあの熊……。オラ、あまりにおっかなくてしょんべんちびるとこだったぞ〜。」


 ツカモーは、ゴクリと唾を飲んだ。なんとかギリギリのところで、ホクトからドリアを受け取ったはいいものの、数秒でも反応が遅れていたら……と考えずにはいられなかった。



「ダイジョウブカ? オマエ?」


 ビョーンは、すぐに桃矢に近づき、彼に掛かっている幻惑魔法を解除した。世界樹の精霊ともなれば、これくらいのことは簡単なのだ。


 ちなみに、この熊のビョーンは世界樹の精霊であり、ヤジュウパワーをインジェクションすれば、空も自由に飛べるのだ。



「んんっ……。あれっ? 俺のパフパフは……パフパフ、どこに? って、クッ……クマ〜〜〜!!」


 桃矢は、ホクトにかけられていた幻惑魔法から正気に戻った。しかし、すぐ目の前に熊がいたので、またしても意識を失いそうになっていた。



 しかし、そんな桃矢をスルーして、ビョーンはチェリモの側に向かう。



「チェリモ! ダイジョウブカ?」


 熊のビョーンは、チェリモを大事そうに抱えて、彼女の心配をした。そして、すぐに彼女に掛かっていた幻惑魔法も解いた。



「あぁ……。おかん……。チュパチュパ〜。……あっ! ビョーン! そか……。あんたがうちを助けてくれたんか。ありがとな。でも、うちよりも、ドリアちゃんを助けなあかんのや……。」


 チェリモの言葉に、熊のビョーンは口元にニヤリと笑みを浮かべて、



「ダイジョウブ! オレハ サンヒキメダカラ……。」



 と答える。



「そうや……、うちの仲間は4匹いんねん……。まだ、もう1匹いるんやで?」


 チェリモは、ドリアを抱えるツカモーの方に目を向けた。彼の頭上には、チェリモの声に応じるように、猿の『天翔龍白虎』が接近していた。



「う○こは友達! 怖くない!」



 白虎は、ビョーンが先ほどやっていたのと同様に、右手を下にして落下してきた。そして、ツカモーに掌底を当てたのだ。



「ちっ……。」


 ビョーンの掌底と違い、白虎の掌底は威力も低く、ツカモーに簡単に防御された。もちろん、この衝撃でツカモーが吹っ飛んでいくこともない。



 しかしっ! 白虎は、象のエレフのお尻の穴に右手を突っ込んで、右手を象のう○こまみれにしておいたのだ。


 ちなみに、象のエレフは喜んでお尻の穴に手を突っ込まれていたし、猿の白虎も喜んで手を突っ込んでいたので、この技は、この2匹にとっては、ウィンウィンな技なのである。


 しかしまぁ、一般論として、この技は、う○こが手についたところでなんとも思わない動物や、むしろ好んで付けにいく動物には効果はない。だが、綺麗好きな人間および魔族に対しては真価を発揮するのだ。実際、この技は、ツカモーに対して有効打になっていた。



「うん? うんんん! おおぉい! くっせぇ〜! くっせぇ〜ぞ、なんじゃこりゃあ!」


 ツカモーは、白虎の掌底を手で防いだために、象のう○こが自身の手についてしまったのだ。そのあまりの衝撃で、抱えていたドリアを手放してしまった。



「うっひゃぁあ〜〜。こいつはたまんねぇぞぉ〜!」


 だが、ドリアを手放したことよりも、自身の手についた象のう○こを拭う方が大事だったのか、彼は、手についた象のう○こを必死に拭っていた。



「ホラ! ダイジョウブ!」


 空中に放り出されたドリアを、ビョーンが難なくキャッチした。そして、ついでにドリアにかかっていた魔法も解除した。



「あんっ……。まん……っ……ちゃん。らめっ……。あああぅ……うん? あぁ……。なっ、なんでございますか? まんごちゃんではなくて、熊でございますか……? ああ〜あれぇ〜〜。」


 ドリアは、目を覚ましたものの、熊に抱き抱えられていることを知り、そのまま死んだふりを決め込んだ。彼女の得意技?である。



「うほっ! いいオス!」


 白虎は、ツカモーに掌底を当てた後、チェリモ達の近くに飛んできたのだ。ちなみに、白虎はビョーンの力で空に浮かされているのだ。自身の力で飛んでいるのではない。


 あと、補足だが、随分前に落下していった象のエレフとキリンのガッフェルもビョーンの力で空を浮いており、落下の後は、地面に当たる直前で減速し、ちゃんと無事に着地したので、彼らは無事である。念のため。



「ありがとうございます。助かりました!」


 まんごは息を切らしながらも、チェリモ達に近づき、ビョーンと白虎にお礼を言った。



「ワイは猿や! 普通の猿や!」


 まんごのお礼に、白虎は嬉しそうに謙遜する。



「ソレニシテモ オレ コンナトキ ドンナカオシテイイカワカラナイ……。」


 一方で、ビョーンも、まんごにお礼を言われたことが嬉しかったのか、ドギマギと照れた。



「笑えばええんやで! それにしてもあんた、また変なことしとんかいなぁ……。まぁええわ。ビョーン。白虎。助かったわ、おおきにな!」


 チェリモは、呆れた顔で白虎の右腕に視線をやる。う○こまみれの彼の手を見れば、彼が何かをしたかくらいは察することができるくらいにはなっていたのだ。



「……でも! まだ終わってないからね……。」


 まんごは、ツカモーの方に視線を向けた。その言葉で、チェリモたちも一斉にツカモーの方に視線を向ける。



「ふっ……。はじめてだぜ……。オラをここまでコケにしたガキどもは……。」


 手についた象のう○こをあらかた拭い終えたツカモーは、まんご達の視線に対して、口元にニヤリと笑みを浮かべて答えた。




 ドンッ!!





 次回に続く!




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次回予告



 ついに出番だ、熊と猿!



 4人の魔法少女を助ける力強い味方!


 魔族だろうが相手じゃないぜっ!



  あんなやつら、ぶっとばしちゃぇえええぇ〜〜!




次回!



魔法少女マンゴ☆スチン Reincarnation

 『第111話 プロローグのエピローグ!だまんごー』


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i488219
秋の桜子さまよりいただきました。
リンク先は『マンゴスチンから生まれたマンゴスチン太郎』です。
i471546
こちらもどうぞ!完結しました!
― 新着の感想 ―
ゾウのう○こ強すぎ ( ˘ω˘ )
ア〇レちゃんなキャラだったらヤバかったなぁ白虎( ´Д`)=3 フゥ そんでついに次回で最初の小競り合いも終わりそうで。 果たして連中はドリアちゃんをどないしようとしたのか!? 楽しみです。
うおおおーっ、ただのお笑い集団じゃないぜ。
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