第109話 ズッコン!バッコン!真夜中の大決戦!だまんごー。
「ガキどもが……。まぁ、名前を呼んでくれて助かるぜ……。あの『まんご』と呼ばれたガキ、マンゴーのフルプリかぁ? あいつからヤバい匂いがプンプンしやがんぜ……。」
ツカモーは、ホクトのそばに戻り、彼に言った。真夜中の夜空に浮かぶ男2人は、魔法少女4人と対峙していた。
「そうか……? 俺には、どいつもただのガキに見えるがな……。」
ホクトはまだ戦闘経験が少ないのか、相手の力量がよくわからないのであろう。『高村まんご』、『高村桃矢』、『ドリア・ヌ・ロドリゲス』、そして、『チェリモ・ヤ・ファストウィンド』の4人の魔法少女『フルーツプリンセス』を目の前にしても、まだ『数で負けてるが、所詮はガキだ』くらいの感情しか抱いていなかったのだ。
「おぃおぃ〜。もうちょっとちゃんと見ろよぉ〜、ホクト。どいつもこいつもただのガキじゃねぇぞ。フ力だけなら、そこいらの魔族と同等かそれ以上の力を持ってやがんぞぉ……。」
ツカモーは、豊富な戦闘経験からか、相手の力量を感じることができるのだ。ちなみに、彼は『フルーツ力』のことを『フ力』と省略しているのだが、他意はない。
「そんなはずねぇ〜だろ? 冗談だろ、ツカ?」
ホクトは、疑いの目をツカモーに向ける。彼の目には、ドリアを含め、目の前にいる4人のフルプリを皆、自分よりも力のない子どもだと思っているのだった。
「信じねぇならいいさ……。まぁ、オラたちの目的は、あの魔法少女を連れて帰ることだろ?」
ツカモーは、ホクトの言葉を鼻で笑った。そして、キリッとした真剣な目をまんご達に向けた。そう、彼達の狙いはドリアである。
「そうだな……。」
ツカモーの言葉は信じてはいないが、自身の目的が何であったかを思い出したホクトは、ツカモーと同様に真剣な顔をまんご達に向ける。
「それじゃあ、いくぜっ! はああ〜〜!!
縦! 横! 斜めっ! 10倍! 10倍!
竜王拳! 10倍!!!」
ツカモーは、またしても、ドラゴンのような紋章を額に浮かび上がらせ、赤い光を自身の体の周りに纏った。今度は、前回のものよりも力強いオーラである。
「今度は、オラから……本気でいくぜっ!」
そう言って、ツカモーは両手を腰の横に構えた。
「どぉ〜〜〜〜! らぁ〜〜〜〜! ごぉ〜〜〜〜ん!」
彼の込めた魔力は赤い光となって、腰の横に構えた両手の中に凝集してゆく。
キュイイ〜〜ン!
「はぁ〜〜〜〜〜!!!!」
そして、ツカモーは、その光を両手から打ち出すように両手を前に出した。『竜王拳10倍ドラゴン波』である。威力は通常時のおよそ10倍である。 (当社比)
ズッコ〜〜〜〜〜ン!!!
ツカモーの両手から打ち出された光の球は、まんご達、4人の魔法少女目掛けて向かってくる。
「ここは私が守るからっ! みんな下がってて!
赤黒の強固な砦のマンゴスチン!
汝の砦を妾に分け与えたまえ!
マンゴスチン! た〜て〜!」
まんごは、防御魔法『マンゴスチン・盾』。略して、『マン盾』の呪文を唱え、自身の前に赤い光の壁を出現させた。そして、両手を自身の体の前に構え、足をやや内股に構えた。
まんごが編み出した独自の防御技『マンゴスチン立ち』である。
バッコ〜〜〜〜〜〜ン!!!
ツカモーの攻撃魔法『ドラゴン波』の赤い光の球は、まんごが形成した赤い光の『マン盾』にぶち当たって、大きな音を立てる。
「かって〜なぁ。おぃおぃ……。」
ツカモーは、自分の魔法がまんごによって完全に防御されていることを愚痴る。
そう。ツカモーが全力で放った攻撃魔法『ドラゴン波』の猛攻を、まんごは凌いでいた。まんごの防御の方が、彼の攻撃よりも優秀であったのだ。
「さっ……さすが、まんごだぜ! カッチカチだぜっ!」
「そうでございますわっ! 無敵のまんごちゃん! カッチカチのカッチカチでございますわ〜!」
桃矢とドリアは、相手の攻撃の威力にビビりつつも、まんごの防御に安心しきっていた。
しかし、そんな時、
「……だが、忘れてないか? 俺たちは2人いるんだぜっ! お嬢さまはいただいていくぜっ!」
まんごの後ろに固まっていたドリア達にホクトの声が届いた。ドリア達は、その視線をまんごに向けていた。ツカモーの攻撃魔法を華麗に凌いでいるまんごに見惚れていた……、そう、守られているが故に、油断をしていたのだ。
「えっ……。」
ドリアが、まんごから視線を逸らし、横に向けた時、ホクトの姿が視界に入った。そう、ホクトはドリアのすぐ後ろにいたのだ。
「……でも、あんたらも忘れてへんか? うちらは4人なんやで……。ドリアちゃんは渡さへんで、ヒューロニアン・アイス・エイ……。」
チェリモは、すぐに魔法を発動できるように、呪文詠唱を完了させていたのだった。
彼女は、ドリアの背後に突如現れたホクトに対して、彼の背後で杖を構える。
「無論、忘れてなどないさ……。長距離魔法が得意なガキがいるってことはなっ!」
ホクトは、自身に向けられていたチェリモの杖を掴んだ。すぐ近くにいたので、彼にとっては簡単なことであった。
「ちょっ! あかんっ! あかへんっ……! ウチのちからじゃ……。」
チェリモは、必死で抵抗するも、力ではホクトに到底及ばない。彼女は、杖を相手に持たれたまま、魔法も発動できずにいた。
「ふんっ……。ザコが……。お前ら全員、ちょっと大人しくしてもらおうか……? ほぁあああ〜〜! ホクト林檎拳! 夢想再生! アップルプルプル! プルップルゥ〜〜!」
ホクトが使う、幻惑魔法『夢想再生』である。
相手の脳内に夢のような幻を再生させる魔法である。彼は、それを自身の周囲の3人、つまり、チェリモ、ドリア、そして、桃矢の3人に向けて放った。
「アッーー。プルプルな、おっぱい……。おかんのおっぱい……。おかん……会いたかったでぇ……。ちゅぱ、ちゅぱ……。」
「アッーー。プルプルな、くちびるでございますわっ……。まん……ちゃん……。ああっ……わたくし……蕩けてしまいま……。あんっ……。」
「アッーー。プルプルな、巨乳……。俺……。こんなのに頭を埋めてみたかったんだ……。パフッ! パフゥ〜〜!!」
チェリモ、ドリア、桃矢の3人は、焦点の合わない目をしながら、頭をコクリ、コクリと振るわせた。3人とも、とても幸せそうに顔を緩ませていたのだった。
ドンッ!
次回に続く!
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次回予告
チェリモハ、ドウシテタタカウ……?
おかんに会いたいから……。
タタカウノハ、コワクナイノカ……?
怖い。怖いよ……。でも、死んだらおかんに会えるから。死ぬよりも怖いことはないんや。でも、友達が死ぬのは、あかん! うち、もう大切な人が死ぬのは見とぉないんや!
ダイジョウブ! オマエハシナナイ。オマエノナカマモシナセナイ……。ミンナ、オレガマモルカラ!
次回!
魔法少女マンゴ☆スチン Reincarnation
『第百拾話 クマ、夜空のむこうに』




