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ひと
たった一日の覚めない夜のために、
輝く朝を、絶望に迎える。
おそらく、人は、夜を一日多く迎えて、
眠りに就く。もう、朝が来ることはないのだから。
二度と迎えることのない朝を夢みて。
何故、朝に生を受ける人は、そのうちに、
死を迎えることができないのか。
だからこそ、人には、光が必要だ。その長い夜に備えて。
おそらく、人は、朝を一日多く迎えて、
生を受ける。まだ、夜は来ていないのだから。
二度と戻ることのない夜を夢見ながら。
人には、暗闇が必要だ。その長い朝に備えて。
永遠に続く一日。
その、始まりこそは。




