195 温泉へ行こう 後編
楽しく食事をして軽く腹休めをする
そしていよいよ温泉だ!
男湯と女湯は旅館の両端に分かれている
覗くのは難しい、覗かないけど
俺とトムとハックは男湯に到着
ブルーは入らないので部屋でくつろいでいる
「ようし二人とも、ここには俺たちしかいない」
他に客がいるかと思ったが今は俺たちだけのようだ
こんなに広い温泉に俺たち三人だけ
「口うるさいアンナはいない
お前たちを叱るベッキーもいない」
そう、俺たちは自由だ
「他の客が来るまでは俺たちの貸し切りだ」
俺は二人にニヤリと悪い顔をする
「野郎ども、思う存分泳ぐぞっ!」
「らじゃー!」
「ぶらじゃー!」
俺たちは温泉に飛び込んだ
そして何物にも縛られず自由に大暴れした
「わはは、ばたふらーい!」 バッシャンバッシャン!
「ブクブクブク」 潜水するハック
「とうっ!」 何度も飛び込みをするトム
桶をフリスビーにして遊んだりやりたい放題だ♪
「俺たちは自由だー!」「「だー!」」
のぼせた
おじさんたちに招待されて温泉旅館に来ました
食事はとても美味しかったです
そして温泉にお姉さんたちと入ります
「よし、洗い流した!」
ベンケイさんが身体を洗い流してすぐに温泉に飛び込みました
「お姉ちゃんはもう!」
アンナさんがベンケイさんを怒ります
でもベンケイさんは遠くへ泳いで逃げます
まるで子供です
「あはは、相変わらずねベンケイちゃんは♪」
「いつもなんですか?」
「そうよ」
サクラさんは長い黒髪を丁寧に洗っています
やっぱりサクラさんは大人です
わたしもこんな大人になりたいです
「温泉から上がったら部屋でゴロゴロしようっと♪」
そういう部分は見習わないでおこう
「どうしたのベッキーちゃん?」
「なんでもないです」
洗い流し終えてわたしも湯に浸かります
ちょっと熱めですが気持ちいいです
温泉なんて話に聞いていただけで来たことがありませんでした
連れて来てくれたことを感謝します
「まったくお姉ちゃんは」 ブツブツ
「大変ですねアンナさん」
アンナさんがあきらめてこちらへ来ました
「どうですかベッキーさん、楽しめていますか?」
「はい、楽しいです、ありがとうございます」
「それならよかったです」
熱さにも慣れてゆったりとくつろぎます
アンナさんも隣でゆったりしています
「そういえばアオイさんは?」
「いますよそこに」
わたしの右側にアンナさん
わたしの左側を指差すアンナさん
「バラさないで下さいアンナさん」
「ひゃっ!」
わたしの左側にアオイさんがいました
まったく気づきませんでした
「うう、気配を消して大人しくしていたのに~」
「魔力の気配までは消せませんからね」
「魔力じゃなくてチャクラだもん」
「まだそんなことを」
やれやれという感じでアンナさんが呆れます
「なぜ気配を消していたんですか?」
「ベッキーちゃん、胸悪な敵から精神を守るためでござるよ」
「凶悪?」
アオイさんの言っていることがよくわかりません
ここは平和な温泉、魔物とかも入らないように結界が張ってあるそうです
凶悪な敵などどこにいるのだろう?
(ベンケイ殿とサクラ殿は胸悪でござる
ベンケイ殿は普通サイズだけどそれなりにあるでござる
サクラ殿はうらやまけしからんでござる!
わたしは、、、 ふっ、考えないようにするでござる)
悟ったように空を見上げるアオイさん
なにか悩みでもあるのかな?
「よいしょっと」
サクラさんが正面に入ります
アオイさんが消えました
どこに行ったの?
「サクラさん、お胸大きいね」
「ベッキーちゃんもきっと大きくなるわよ♪」
「どうだろ」
お母さんは小さかったし
「持つ者は持たざる者の気持ちはわからんでござる」
「ひゃっ!」
アオイさんが左側に現れました
もしかしてまた気配を消していただけでずっと左にいたの?
「そのままのベッキーちゃんでいてね」
「アオイさん?」
遠くを見る目をしながらわたしの頭をなでるアオイさん
大丈夫かなアオイさん、のぼせたのかな
「ふい~、堪能したぜ♪」
ベンケイさんがこっちに来ました
満足したようです
「上がるまで遊ぶのかと思っていたけど」
「他のお客さんも来たから切り上げた」
他の人が来なかったらまだ遊んでいたんだね
湯にみんなで浸かりながらゆったりしたりおしゃべりしたり
楽しい時間を過ごせました
温泉から上がって部屋へ戻る
「お兄さんたちも今上がったんですか?」
二部屋借りて男女で別れるが部屋は隣同士だ
温泉から上がって少し散歩してから戻って来た
アンナたちと部屋の前で鉢合わせる
「少し散歩してた」
「そうですか」
俺たちは全員旅館の用意した浴衣を着ている
なんというかサクラさんが目の毒だ
浴衣の胸元が少し開いていて谷間が目の毒だ
同衾事件以来、なんとなくサクラさんを意識してしまう
「ふふ~ん♪ ケンタくんどこ見てんの~?」
俺の視線に気づいてからかってくるサクラさん
くそう、サクラさんめ!
「ミ、ミテマセンヨ」 目を逸らす
「変態ですねお兄さん」
「変態でござる」
「おじさん変態なの?」
「ちゃうわいっ!」
「うははははは♪」
その様子を見ながら爆笑するベンケイさん
さっさと男部屋へ退散する俺
アンナたちも部屋へ入って行った
変態ちゃうもん、健全なおっさんだもん
それはそれで虚しい
翌日、ベッキーはお休みらしいので温泉街をみんなで観光した
トムとハックが木刀に目を輝かせていた
わかるぞ、旅行の土産の定番だよな
買ってやったらめっちゃ喜んでくれた
そしてベッキーはメモっていた
「ほれ、ベッキーの分」
「え?」
ベッキーに木刀、ではなくカンザシをあげた
毬のような飾りのついたやつ
「サクラさん、刺してあげて」
「いいわよ♪」
俺はきっと上手く刺せないと思うのでサクラさんに任せる
浴衣のベッキーがさらに可愛くなった
「よく似合ってるぞベッキー」
「そうね、可愛いわ♪」
「そ、そうかな」
照れるベッキー、うん、こういう妹が欲しかった
アンナとは違うのだよアンナとは!
「お兄さん、なんかムカついたから殴っていい?」
「やめて」
勘のいい奴だ
「えへへ、嬉しい」
喜んでくれてなによりだ
でもメモるな!




