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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
4 俺たちの戦いはこれからだ

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196 王都ブリタニカ

「それじゃまたな」

「うん、おじさんたちも気をつけてね」


バリカン街で観光したあとベッキーたちを屋敷へ帰した

俺たちはバリカン街へ戻って旅館でくつろぐ


「明日はいよいよ王都ブリタニカだ」

「楽しみでござる♪」

「王都は港町から近いからいよいよだな」

「この世界に来てやっと出会えるのね」


王都と港は馬車で片道3時間ほどで行き来できる

港町は他の大陸と行き来するため他の大陸からの来訪者がたくさんいる

その来訪者たちは王都へ仕事や観光にもやって来る


このフーテン大陸は人間しか種族がいない

しかし他の大陸は人間以外の種族がいる、むしろそっちがメインだ


他の大陸からの来訪者、すなわち人間以外の種族

ようやく他種族とのご対面だ


まあアキラのとこのエヴァさんと会っているから初めてではないけどな

でもエルフとかケモ耳とかにはまだ出会っていない

それがとても楽しみなのでござる!




翌朝早くバリカン街を出発

王都まではいくつかの村や街などがあるが素通りする

カブのスピードも上げて王都を目指す


王都の外壁が見えてきた

行き来する他の馬車も増えてきたので少しスピードを落とす

事故ったら意味がないからな


「フランチャイズ王国の王都と同じぐらい広そうだ」

「まあこっちもブリタニカの王都だしな」


門兵にギルドカードを提示して王都の中へ入る

カブはしまってここからは徒歩だ


「すげえな」

「そうだなケンタ」

「いっぱいいるでござる」

「わくわくするわ♪」


王都ブリタニカ、港町と近いためたくさんの人々が集まっている

観光する者、仕事で来る者、種族も多様でまさにファンタジー


狼の獣人が屋台で値段交渉をしている

ケモ耳の親子連れが楽しそうに遊んでいる

ドワーフの鍛冶師が武器を売っている


「リザードマンもいるわよケンタくん」

「本当だ」


この世界でリザードマンは魔物ではなく一種族である


「おいケンタ、あっちにエルフがいるぞ」

「おお、やっとエルフに出会えたぜ」


やっと異世界に来たって感じだ、いや元から異世界なんだけどね

ずっと人間しかまわりにいなかったから仕方がない


俺たちは少し興奮してキョロキョロする


「おのぼりさんみたいで恥ずかしいから落ち着いてくれませんか?」

「しょうがないじゃん」

「そうだぜ」

「そうでござる」

「仕方がないのよアンナちゃん」


でも言われて少し恥ずかしくなってきたのでキョロキョロするのをやめる


「もう夜だし、王都を散策するのは明日にしよう」

「そうですね、まずは宿屋に向かいましょう」


もう遅いのでとりあえず泊まるところを確保する

明日はお楽しみの王都観光だ♪




「さて諸君、ようやく王都ブリタニカに我らはやって来た」

「お兄さん、普通に話してくれない?」


雰囲気だよ!


「港町へは馬車で3時間、俺たちのカブなら30分弱で行ける

 しかし港町でなくてもケモ耳やエルフには王都でも出会える

 だから少しだけ王都で遊んでも問題はない」


「そうですね、じゃ数日は王都ですか?」


「うん、そうしようと思う

 それに王都には遊べるところも多いしな」


観光客が多いため遊べる場所が多く存在する


「ということで今日から数日自由行動とする

 各自好きなように遊ぶがいい!」


俺は右拳を天に掲げる


「俺たちは自由だ!」


「「「だー!」」」


(ダメだこの人たち)


呆れた目で俺たちを見るアンナ

だが問題ない、なぜなら俺たちは自由だからだ

自由を手にした俺たちに恐れるものなどない

もう何も恐くない!




「まずはこの近くの広場にでも行ってみるかな」


サクラさんは宿屋でくつろいでいる

観光ぐらいしろよと思うがサクラさんだから仕方がない


アオイくんはサスケと王城観光へ行った

ブリタニカ城はなぜか大阪城っぽいのだ

まあ大阪城よりさらに大きく広いのだけど


ベンケイさんはファンシーショップが近くにあるのでそっちへ行った

またきっとヘンテコぬいぐるみでも買うのだろう


アンナはポチャと食べ歩きに旅立った

食い過ぎるなよ、太るぞ


ということで俺は一人でぶらついている


港町が近いため他大陸からの輸入品も多い

そのため珍しいものがたくさんあるので露店を見ているだけでも楽しい

なるほど、これがウインドウショッピングの面白さか


ぶらついていると昨日見たエルフの二人組がいた


二人とも細身で長身、少しつり目がちで翡翠色の瞳をしている

男エルフはストレートの長髪、女エルフは長めのポニーテール

やっぱりエルフは美男美女なんだな


男エルフは長い白ローブを着ている

装飾は金色だがほんの少しついているだけのシンプルなもの


女エルフは白シャツに膝丈の白スカート

男エルフの白ローブと同じ装飾のついた短めの白マントを羽織っている


エルフカップルで観光かな、美男美女のカップルなんて眩し過ぎるぜ


「そろそろ他へ行くぞオトヒメ」

「待ってよシロバナ!」


移動しようとするシロバナと呼ばれた男エルフ

あわててついて行くオトヒメと呼ばれた女エルフ


名前もキレイとか世の中不公平だ


あ、女エルフが小袋を落とした

気づかず行ってしまう


「しょうがないな」


俺は小袋を拾う

重いな、それにこれお金が入っている

俺はエルフたちを追いかける

お金なかったら困るだろうからな


「おーい、そこのエルフさんたち」


エルフたちが振り返る


「なんですか?」

「なによあんた?」


男エルフは落ち着いた口調だが女エルフは少しキツい

むしろ警戒心バリバリで俺を見ている


「これ」 落としていたぞと言おうとしたら


ジャキン! 細めの長剣を突きつけられた


「落と、って、うわあっ!? なにすんだ!」

「黙れこの盗っ人が!」

「はあっ!?」


盗っ人って、俺は落とし物を届けに来ただけだぞ?

中身も見ていないし触ってもいない、無論抜いてもいない


「誰が盗っ人だ、あんたがこれを落としたから拾って持ってきただけだ!」

「白々しい、どうせ礼金目当てかなんかだろ薄汚い輩め!」


こいつ、こっちの話をまともに聞く気がねえのかよ


「ふざけんな、てめえこそ人の話を聞きやがれバカエルフ!」

「バ、バカだと!? 貴様、もう許さん! 切り刻んでやる!」


相手がエルフだとか女だとか関係ねえ、ぶん殴ってやる!

冤罪で切り刻まれてたまるかよ!


バカエルフが突いてくる、かわして袋を男エルフに投げ渡す

男エルフはしっかり袋を受け取る


「ちゃんと渡したからな! あとコイツ殴るが怒るなよ!」

「貴様如きが私を殴れると思い上がるな外道!」


盗っ人、薄汚い輩、外道、人のことをボロクソだなコイツ

いくら美人エルフだからってこいつだけは許さねえ!


流麗な剣さばきで切り込んでくる

しかしこのぐらいの速さならかわせる


「ちっ、ちょこまかと!」

「おっせえんだよバカエルフ!」

「またバカと言ったな!」


ギィンッ!


銀の短剣で受け止める


決壊死(けっかいし)!」


てめえの剣、消させてもらうぜ、ってあれ?

バカエルフの剣が消えない


「どうした、なんかしたのか?」


俺の目論見が外れたことを察して不敵に笑うバカエルフ


「ちっ!」


俺は飛び退いて距離を取る

なぜ決壊死(けっかいし)が効かなかったんだ?


仕方がない、普通に戦うか

そう思ってバカエルフに向き合う


するとバカエルフは右手を前に出してなにかを呟く

右手に嵌めている銀色のブレスレットが光る


「薄汚い猿め、塵と化せ!」


ついにおサルさん呼ばわりかよ、うっきー!(怒)


「ドラゴニック・ブラスト!」


ちょ、これヤバそうな魔法じゃね?

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