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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
4 俺たちの戦いはこれからだ

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190/205

190 再出発

ベッキーと仲直りして数日屋敷で過ごした

そして旅を再開させる


サクラさんの固有スキル<辿り着く場所>でサイショノ村へ転移する

最後に立ち寄った場所から再開できるので便利だ


今後のためにサイショノ村は記録したままにしている

野良ガイド精霊を保護したらすぐに連れて来るためだ

ここは聖域でデリートシステムは入れないからな


「サイショノ村は立ち寄らなくていいよなケンタ」

「ああ、前回立ち寄ったし、このまま先へ進もう」


「西だと戻っちゃうから東、南、北のどれかよね」

「そうだな、他の大陸に行きたいからこのまま東へ向かおう」


他の大陸へ行くためには港へ行かなければいけない

南と北よりも東にある港の方が近い

どの方角でもまだまだ距離はあるけどな


「それじゃ行きましょうお兄さん」

「おう!」


俺たちはカブに乗って東へ走り出す

サクラさんはホウキだけどな




東へ進んで行くと眼前に広大な森林が見えてくる

というか樹海である


ここでこの世界の地理について少し語ろう


この世界には大陸が5つあって俺たちがいるのはフーテン大陸

ここが中心というわけではないが説明しやすく中心としておこう


フーテン大陸を中心に東西南北にある各大陸

東がパラボラ大陸、西がオンボロ大陸、北がグシケン大陸、南がラクダイ大陸

やはりネーミングがおかしい


俺たちはフーテン大陸東端の港へ向かっている

その港から船で東のパラボラ大陸へ渡る予定だ


次に国家について


各大陸にはそれぞれ複数の国がある

小国から大国まで様々だ


俺たちが拠点にしているフランチャイズ王国は大国だ


フーテン大陸には3つの国があり、大陸を縦に三分割している

真ん中がフランチャイズ王国で東と西に別の国がある

だけどフランチャイズ王国が二分の一を占有している

東25%、西25%、フランチャイズ王国50%という占有率だ


西の国についてはまた今度として向かっている東の国ついて


フーテン大陸の東にある国はブリタニカ王国

フランチャイズ王国とは同盟を結んでいる

もちろん西側の国も同盟を結んでいる

フーテン大陸内では国家間の争いはないので安心だ

他の大陸では戦争しているところがあるからな

近寄るときは注意が必要だ


では眼前の樹海について


この樹海は北端から南端まで(つら)なっている

幅はそれほどではないが小さい街3つ分ぐらいの距離はある


どこを向いても高い木だらけで薄暗く迷いやすい

ちなみに名前はフジノ樹海だ


フランチャイズ王国とブリタニカ王国の国境線としている

しかしこんな樹海があったら流通とか難しいと思うだろう

だが問題ない!


互いの国で協力して樹海に一番近い村から道を開拓している

樹海の木々を倒してルートを確保しているのだ

樹海すべてを開拓は難しいが道を数か所作るぐらいは可能である




「ここから一番近い道は北か南かどっちだっけ」

「ここからだと南が近いですね」


俺たちは樹海に沿って南へ進むとちらほらと馬車と遭遇する

木々がなく道になっているところへ着く

ここから馬車が出入りしていた


その道には兵士が立っている

ここにいるのはフランチャイズ王国の兵士だ

この道の向こう側にはブリタニカ王国の兵士がいるはずだ


国から国へ移動するのだ、そりゃ手続きとかいるよね

でも冒険者の俺たちはギルドカードがあるので無料で通れる

一般人も無料だが犯罪歴とかチェックされる

商人は商業ギルドの証明書があれば無料で通れる


「冒険者の方ですか? ではカードを提示して下さい」


俺たちはカードを見せる

また見た目とランクのギャップで困惑されるかも

と思っていたが特に困惑もせず普通にカードを返却された


「どうかしましたか?」

「いえ、なんでもありません」


俺の方が困惑したので心配された

見た目とかで判断しないんだなここの兵士たちは

まあ国境だから多種多様な人たちを見ているからだろう


何事もなく俺たちはフジノ樹海を抜けてブリタニカ王国に入国した

ブリタニカ王国の兵士たちも平然と迅速にカードチェックを済ます


「では良い旅を」

「ありがとう」


俺たちはここから一番近い村へと向かう

というかすでに遠目に村の囲いが見えていた

めっちゃ近いな


村の名前はツキユビ村、痛そうだ


「今日はこの村で休もう」

「数日いるの?」


「いや、休むだけで明日からまた先へ進む

 早く港に着きたいからな」


他の大陸に行きたいんだよ

東のパラボラ大陸には亜人がたくさんいるんだ

ケモ耳! もふもふ! わくわくが止まらないぜ!


「お兄さん、変態みたいな顔になっていますよ」

「そんな顔してねーよ!」




ツキユビ村の宿屋でゆっくり休む

そして翌朝早く出発する


ツキユビ村の次の村を通り過ぎでブリタニカ王国での最初の街へ着く

その街の名前はビンタ街、やっぱり痛そうだ


「ここで軽い依頼でも受けようかな」

「そうだな、移動ばかりじゃ面白くないからな」


ベンケイさんとアオイくんがつまんなさそうにしていたからな

少しは滞在して遊ばせてあげよう


俺たちはビンタ街の冒険者ギルドに入る

受付でカードを見せて依頼板に向かう


「小さい街だから軽い依頼がほとんどだね」

「まあ軽めの依頼が目当てだからちょうどいいよな」


依頼を物色していたらギルドへ一人の少女が入ってきた

薄茶色のぼさぼさの短髪、背格好はベッキーと同じぐらいかな


受付で依頼書を見せているが断られたようだ

それでもお願いしますと頼み込む少女

困ったように苦笑する受付嬢


「お兄さん、ダメですよ?」

「なんでだよ」


俺が話を聞こうとしたのを察してアンナが止める


「軽めの依頼だけして次へ行くんでしょ

 あの子の依頼、おそらく軽くなさそうです」


そうだよ、お節介だよ、でもほっとけないじゃん

軽くないかも知れないけど助けてやりたいだろ


「俺たちならそんなに時間はかからないかもだろ」

「それでも何日か取られますよ」

「いいじゃん、急ぐ旅じゃないし」

「そういう考えだから10日過ぎるんですよ」

「う、それを言われると」


たしかに時間がかかれば旅の足取りは遅くなる

それに意識がそっちに向けば約束のことを忘れがちになるかも知れない


「我がいるから10日目になれば教えてやる」

「ブルー、お兄さんを甘やかさないで」

「お主こそ、ガイド精霊ならば主の行動を制限しすぎるのは良くないぞ」

「そんなふうだからサクラさんが甘えて怠惰になるんでしょ」


「うぬぅ!」「ひどい!」


ブルーとサクラさんがダメージを喰らった


「アンナ、ちゃんと約束も忘れないし無茶な依頼なら断る

 だから話を聞くだけでもいいだろ?」


「はあ、わかりました」

「わりぃな、ブルーもありがとな」


アンナが折れてくれたので受付へ向かう


受付ではまだ押し問答していた


「その依頼書、なんで受理してあげないんだ?」

「あ、先程の方」


「子供でも報酬がちゃんと払えるなら問題ないんだろ」

「そうなのですが依頼内容と報酬が合っていないのです」

「ああ、報酬が内容に対して少ないってことか」


依頼内容に対しての依頼料と報酬は最低基準がある

おそらくその最低値より少ない依頼料や報酬なのだろう


「たしかにそれだと受理できないよな」

「そんな、でもこれがせいいっぱいなのに・・・」


涙目になってうつむく少女


「だったら冒険者へ直接依頼をすればいいさ」

「ですがこの子が騙されるかも知れませんよ」

「わかってる、だから俺たちが受けるつもりだ」

「えっとたしかあなた達は・・・」


受付嬢が俺たちのことを水晶板端末でチェックする

ちょっとだけ驚いた顔をする


「えっと、Bランクの方がやるような依頼ではないですよ?

 報酬も基準値より低いですし」


「直接依頼にランクは関係ないし、俺たちがやりたいから問題ない」

「まああなた方が良いのでしたらこれ以上は言いませんけど」


「よし、じゃあっちに座って話を聞かせてくれ」

「えっと、うん・・・」


アンナたちのところへ少女と一緒に行く

席に座って少女にジュースを注文する


「えっと、いただきます」

「おう」


一口飲んで落ち着く少女

さて、どんな依頼を持ってきたのか

少女から依頼の内容を聞き始める

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