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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
4 俺たちの戦いはこれからだ

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189/204

189 約束

「それはストーカーねケンタくん」

「サクラさんまで!?」


飲食スペースでベッキーを見守っていただけなのに


「許してもらいたいし見守りたい気持ちはわかります

 でも行動自体はストーカーですよお兄さん」


「アンナもかよ、ひどいよなアオイくん」

「わたしもサクラさんたちと同意でござる」

「味方がいない!」


ベッキーたちが寝静まったあと俺たちは報告会をしていた


「なんだよう、みんなは許してもらえたからって余裕かよう」

「拗ねないで下さい、いい大人がみっともない」


こうしてアンナに虐げられているから耐性はできているのさ

それでも涙が出ちゃう、だっておっさんだもの


「なにかキモいことを考えていませんか?」

「キモいゆーな!」


「わたしたちから言うのは良くないけど言っておくわね

 ベッキーちゃんはもう怒っていないと思うわ」


「でも塩対応だぞ」

「そりゃストーカーまがいのことをされたらそうなるわよ」


「うぐう! だけど他にどうすればいいのかわかんないんだよ」

「ベッキーさんも同じで対応に困っているのでしょう」


たしかに返事や挨拶はしてくれる

食事も一緒にするしガン無視とかはない


「まあ落ち着くまである程度の時間はかかりそうですけどね」

「ベッキーちゃんの心の整理がつくまでの辛抱でござる」

「そういうことだからあまりあたふたするなケンタ」

「みんな、わかったよ、ありがとう」


ベッキーの心が落ち着くまでの辛抱か

そうだな、それしかないか




翌日もベッキーは仕事である

ベンケイさんとアオイくんがいつものように一緒にギルドへ行く


俺はもちろん今日もベッキーの仕事ぶりを見守っていた

うん、たしかに行動がストーカーだな

だが俺はこのやり方しか思いつかないので頑張る!


ベッキーさんが無表情で俺に接客して下さります

他の客には可愛い笑顔を向けていた

ふ、塩対応如きで俺の心は折れないぜ! ニヤリ


ちょっとベルさん、かわいそうな子を見る目で見ないでくれ




また翌日、俺はくじけずギルドに入り浸る

まわりの者たちは呆れつつも生温かい目で見てくれていた

ベッキーさんは無表情から怒りの笑顔に変わっていた

だがその程度で俺の心は(以下略)




翌日、今日は仕事が休みなので屋敷にいるベッキー

俺も屋敷でベッキーのあとをウロウロついてまわる


買い出しに出たのでもちろんついて行く


商店街のみなさまは苦笑いしながら生温かい目で見てくれていた

ベッキーさんは時折ため息をついていた、悩みなら聞くぞ?


買った物は俺の収納庫へ入れる


「・・・おじさん」

「どうした?」


屋敷へ帰る途中、ベッキーが立ち止まって話しかけてきた

さすがにストーカーはもうやめろと言われるのかも

だが断るっ!


「買い出しの荷物持ちは助かっています、ありがとう」

「おう」


なんだ、ただのお礼か

ちょっとホッとした


「でもギルドに入り浸ったり、うろうろあとをつけるのはやめてちょうだい!」

「ふぐう!」


やっぱりそうだよな、ついにベッキーに言われてしまった


「でもベッキーに許してもらいたいけど他にどうすればいいのかわかんないし」


ブツブツと言いわけがましいおっさんがいた


「はあ、それに関してはわたしもごめんなさい」

「ベッキーは悪くないだろ、悪いのは俺だ」


「もう怒ってはいないんです、ただバツが悪いというかなんというか

 嘘つきとか言ったり態度が悪かったりしたからわたし・・・」


「嘘つきなのは本当だし、態度だって仕方がないだろ

 それだけのことを俺はしたんだから」


「それもそうだね」

「うぐう!」


あっさり肯定されて少し俺の心は折れかけた

だがまだ倒れるわけにはいかない!


「はあ」


ベッキーが大きくため息をつく


「もう一度約束しておじさん」


俺をしっかりと見て言うベッキー


「次からはちゃんと10日以内に戻って来るって」


不安そうな顔をしている

なにをやっているんだ俺は、こんな顔をさせたらダメだろ

なんのためにベッキーたちを家族にしたんだ

こいつらの笑顔を守るためだろうが!


「約束する、今後は絶対に10日以内に戻って来る」

「本当? 本当に約束を守ってくれる?」

「絶対に守る、二度とお前たちに、ベッキーにそんな顔をさせない」


俺はこの約束を、誓いをもう忘れない

その決意を言葉に乗せてベッキーに改めて約束をした


「うん、ありがとうおじさん」

「おう」


まだ不安そうだが少しだけ笑顔になった

その不安は今後の行動でなくしていこう

こいつらの、ベッキーの笑顔を失わせないために


屋敷へ向かって俺とベッキーは歩き出す

ベッキーは俺を許してくれた、ありがとう

もう二度と約束を忘れない、俺は心に深く刻み込んだ




ベッキーに許してもらい、改めて約束をした

だからといってすぐに旅を再開はしない

許されたからと言ってすぐに旅立つのはダメだろ

だから数日は屋敷で過ごした


ストーカーはしなくなったが1時間ほどはギルドで過ごしたけどな

やっぱりベッキーさんはうざそうに塩対応だったのは言うまでもない

だが俺の心は(以下略)




「それじゃ行くな、ベッキー、トム、ハック」

「うん、いってらっしゃいおじさん」

「気をつけてねおじさんたち」


今日から旅を再開させる、早朝から出発だ

ベッキーたちが見送ってくれる


「おじさん、約束忘れないでね?」

「ああ、絶対に忘れない」


不安そうなベッキーに笑顔で答えてやる


「ふん、次に約束を破ったら私が子供たちを引き取るからな」

「破らないからそんなことにはなりませんよ」


なぜか領主様まで見送りに来ていた

領主様に引き取られるのは勘弁という顔をしているベッキーたちだった


「今回は我がついおるから安心せよ」

「おう、頼りにしているぜブルー」


レッドと交代してブルーが今回は同行する


「僕たちもいるよー」

「私もです」

「私も忘れないようにします」


ポチャ、サスケ、ヨシツネも忘れていたことを反省していた

お前らは忘れてても仕方がないんだけどな


「それじゃいってきます」


俺たちは最後に立ち寄った場所へ転移する


ベッキーはまだ不安そうだった、ごめんな

だけどもう二度と約束を忘れない


旅も楽しむ、家族の笑顔も守る

俺は決意も新たに仲間とともに旅を再開する

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