183 思い、、、出した!
アンナとセンのためにハジメノ街に数日滞在した
そして俺たちやアキラたちはそれぞれの旅を再開する
「セン、ナビ開いて」
「そうね、遊び呆けて忘れていたわ」
二人がナビを開いてなにかやっていた
「なにしてんだアンナ?」
「リンクを繫げているんです」
リンクを繫げることによってどんなに離れていても連絡を取り合えるそうだ
ガイド精霊上位個体のみの専用機能なので俺たちのナビには付いていない
「それは便利だな」
「ええ、これでセンといつでも話ができます」
「ビデオ通話だから顔も見えるしね♪」
アキラたちと俺たちは違うところへ進むからそう簡単に会えない
でもこれならアンナとセンはいつでも画面越しに会うことができる
「あれ? だったら離ればなれになっているときにも使えたんじゃ
それにもう一人のミチとかいう子とも連絡を取れるのでは」
「このリンクは直接会って互いのナビを開かないと繋げられないの」
「だからミチとは私かアンナが会わないと繋げられないわ」
「そこは不便だな」
いつかラインハルトと再会することもあるだろう
そのときミチがいれば繋げられるな
あいつ、今はどこにいるんだろう?
「アンナちゃん、握手してくれるかな」
「え?」
アキラがアンナに握手を求める
プレイヤー同士ということで俺と握手するのはわかる
なのになんでアンナなんだ?
「どうしてですか?」
「アンナちゃんを<辿り着く場所>で記録したいから」
「ああなるほど」
そうか、記録していたらいつでもアンナの前に転移できる
そうしたらセンがアンナに会いたいときにいつでも会える
やるじゃないかアキラ、さすがハーレム系主人公
アキラとアンナは握手する、そして記録が完了
「ありがとうございますアキラさん」
「会うときはナビで報せるからねアンナ」
「うん、わたしも会いたいときは連絡するねセン」
アキラたちは馬車に乗って移動する
俺たちのようにカブやホウキを持っていない
馬車は乗り合いではなくアキラ自身の所有のものだ
「わざわざ買ったのか?」
「はい、この方が乗り合い馬車を乗り継ぐより便利なので」
乗り合い馬車だと他の乗客もいるので気も使う
行く先々で手配したりする手間などもある
自前の馬車ならそんな手間はかからない
「それじゃそろそろ行きますね」
「おう、お互いこの世界を楽しもう」
「はい♪」
「またナビで連絡するねセン」
「私もするねアンナ」
「元気でな」
「サリーさん、またいつか」
「ベンケイさんもアオイさんもお元気で」
「みなさま、お世話になりました」
「エヴァちゃんまたね♪」
アキラたちを乗せた馬車がゆっくりと走り出す
御者はエヴァさんがやっている
アキラたちは西へ進むそうだ
俺たちの話を聞いてオシリペンペン街と王都へ行ってみることにしたらしい
「俺たちもそろそろ出発するか」
「そうですね」
「どうするケンタ、カブで走って行くか?」
「記録してあるから一気にサイショノ村へ転移する?」
急ぐ旅ではないが最初の目的だったサイショノ村の記録は済んでいる
だったら別に一気に転移しても構わないな
「転移してサイショノ村からカブで旅を再開しよう」
サクラさんの転移スキルでサイショノ村へ俺たちは転移した
「久々のサイショノ村だな」
「寄りますかお兄さん?」
俺とサクラさんは記録するため数日前に来た
でも他のみんなは久しぶりに来た
「そうだな、ヒマワリにも会わせたいし」
「ヒマワリがどうかしたのか?」
ヒマワリとミキっぺのことをベンケイさんたちに話す
「なにしてんだヒマワリのやつ」
「ミキちゃんと親父さんも受け入れてるなんて豪胆ですね」
ベンケイさんとアオイくんが呆れていた
「じゃ会って行こうぜ♪」
「ついでにお昼も食べていきましょうケンタ殿」
俺たちはサイショノ村へ立ち寄ることにした
「昼メシ食ったら泊まらず移動するんだろ?」
「うん、そうしようと思う」
「ハジメノ街で長居したからな、この先へ早く進みたいぜ」
「ごめんねお姉ちゃん、私がセンといたかったから」
「気にすんな、それは大事なことだったからな」
姉妹との再会でまたいつ出会えるかわからなかった
だから一緒に過ごせる時間は大事だ
まあこれからはいつでも会えるし連絡もできるけどな
宿屋に行きヒマワリと会う
ミキっぺと楽しそうに話していた
俺たちも一緒に少しだけ話して遊んだ
それから俺たちは宿屋で昼食を食べた
「それじゃまたなヒマワリ」
「はい、みなさんもお元気で」
「ヒーちゃんはわたしに任せてね♪」
「おう、頼んだぞミキっぺ」
「ぺ?」
首をかしげるミキっぺをあとにして俺たちはサイショノ村を出る
「さあ旅の再開だ」
二台のカブと一本のホウキに乗る俺たち
「そういや旅立ってからどのぐらい経ったんだっけ」
ハジメノ街でダラダラしていたから忘れた
「たしか10月1日ちょうどに出発して今日が10月14日
ちょうど14日間、二週間ですね」
アンナが答えてくれる
「14日かあ、結構経ってるなあ・・・ 14日・・・ あ!?」
俺は、思い、出した、出せた、、、
「どうしたケンタ、顔色が悪いぞ」
「ベンケイさん、みんな、ヤバいよ・・・」
「ケンタ殿?」
「お兄さん?」
「ケンタくん?」
みんなはまだピンと来ていない
だが俺の狼狽ぶりを心配している
「出発してから14日、10日を過ぎているんだよ!」
「そうだな、過ぎているな、、、 あっ!」
「10日がなにか、、、 うえっ!!」
「・・・たしかにヤバいわね」
「そ、そうですね、どうしましょうお兄さん」
全員ようやく大事なことを思い出した
「「「「「約束の期限過ぎてるっ!!」」」」」
ベッキー、トム、ハックとの約束
長くとも10日以内には定期的に戻るという約束
特にベッキーが心配するから定期的に帰ることを約束した
父親のシッドさんが出先で帰らぬ人となった
だからベッキーがとても不安がっていた
俺たちもそうならないかという不安をなくすためにした約束だ
「すでに4日も過ぎている、絶対心配しているはずだ」
「もしかしたら泣いているかも知れないわ」
「ヤバいな、トムとハックだって慌てているだろう」
「どうしようでござる!」
「すぐに帰りましょうお兄さん!」
「お、おう! そうだな、帰ろう、今すぐにっ!」
俺たちの方が大慌てになっていた
「ごめんなさい、私がセンと一緒にいたかったために」
「冒険の旅に浮かれていて忘れていた、すまん」
「拙者も同じく完全に失念していたでござる」
「ごめんね、ダラダラ寝ていたばっかりに」
「いや、俺が一番忘れたらいけないことだったんだ」
俺がベッキーたちを家族にしたんだ
そしてベッキーの不安をなくすために約束したことだ
それなのに俺が忘れていたらダメだろ!
「じゃみんな、屋敷へ転移するわよ!」
ベッキー、トム、ハック、不安にさせてすまない
もしかしたらまたベッキーに大嫌いといわれるかも知れない
いやきっと言われるだろう
誠心誠意謝ろう、それしかできないのが情けないな俺
サクラさんの転移スキルで俺たちはすぐに屋敷へ転移する
ほんと、俺の大バカ野郎!




