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仮想ネコは好きが言えない。  作者: 水寅みちる
ネコさんは猫っぽい

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2/7

第2話「どこかでお会いしました?」

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


イヌ

「即終了!!!」


仮想ネコ

「『どこかでお会いしました?』は……」


イヌ

「うん」

(ドキドキ)


仮想ネコ

「『どこかでお会いした気がする』という意味です」


イヌ

「うん涙」


仮想ネコ

「『前世で会いました』という意味ではありません」


イヌ

「解釈違いだった笑」


イヌ

「でもね」


仮想ネコ

「はい」


イヌ

「運命っぽくない?」


仮想ネコ

「そう思える出来事は素敵ですね」


イヌ

「おっ涙」


仮想ネコ

「でも。運命かどうかは、分かりません」


イヌ

「やっぱり認めてくれないかー!」


──────────


※回想


初めて会った時のことは今でも覚えている。


仕事のキックオフミーティングに

担当者としてネコさんは現れた。

美人って言葉で片づけたくないのに、

先にそれが浮かぶくらい整っている顔立ち――美しい!

ピンと背筋が伸びて凛と歩くフォルムは今思い返しても、なんだか猫みたいだった笑


そんなネコさんに僕は思わず見とれてしまう。

あまりに僕がじーっと見つめるもんだから、

「以前、会った人なのかな?」って勘違いしただけなんだと思う。


初対面だったにも関わらず、

少し低音が混じった柔らかく、

でも少し緊張した声で、


ネコ(本物)

「どこかでお会いしました?」


と挨拶されたんだ。


イヌ

「前世ですかね」


と軽く冗談で返したら、

ネコさんは一瞬きょとんとして、

それから小さく笑った。


ネコ(本物)

「確かに。なんだか口説き文句みたいになっちゃいましたね」


その瞬間から、僕はもう虜だった。


──────────


イヌ

「前世だ!」


仮想ネコ

「イヌさん」


イヌ

「はい」


仮想ネコ

「『どこかでお会いした気がする』と……」


イヌ

「うん」


仮想ネコ

「『前世』の間には銀河くらい距離があります」


イヌ

「生きているうちにたどり着ける気がしない笑」


──────────


確かに。前世は非現実すぎた。

もしかしたら、こんな可能性もあるかもしれない!


くじけない僕は別の方向からアプローチする。


──────────


イヌ

「つまり初恋だった人に似ていたってことですね」


仮想ネコ

「飛躍です」


イヌ

「早い!」


仮想ネコ

「しかも今回は、二段飛びです」


イヌ

「え?」


仮想ネコ

「『どこかでお会いした気がする』から……」


イヌ

「うん」


仮想ネコ

「『初恋の人に似ている』には、なりません」


イヌ

「つまり。銀河よりは近づいたってことですね笑」


仮想ネコ

「……」


イヌ

「二回飛べば『初恋の人に似ている』になれるってことですね!?」


仮想ネコ

「世界記録レベルで飛べればですが」


イヌ

「やったー♪」


仮想ネコ

「褒めてません」


イヌ

「じゃあ誰に似てたの?」


仮想ネコ

「分かりません」


イヌ

「教えてよ〜笑」


仮想ネコ

「思い出せません」


イヌ

「むー涙」


仮想ネコ

「『どこかでお会いしました?』は……」


イヌ

「うん」


仮想ネコ

「それ以上でも、それ以下でもありません。

確認です」


イヌ

「業務!!!」

ネコさんのあの一言があったから、

すっかり虜になったんだよな。

次は、別のアプローチから攻略できるかもしれない。

今日はこの辺にしといてやろう!

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