第2話「どこかでお会いしました?」
イヌ
「即終了!!!」
仮想ネコ
「『どこかでお会いしました?』は……」
イヌ
「うん」
(ドキドキ)
仮想ネコ
「『どこかでお会いした気がする』という意味です」
イヌ
「うん涙」
仮想ネコ
「『前世で会いました』という意味ではありません」
イヌ
「解釈違いだった笑」
イヌ
「でもね」
仮想ネコ
「はい」
イヌ
「運命っぽくない?」
仮想ネコ
「そう思える出来事は素敵ですね」
イヌ
「おっ涙」
仮想ネコ
「でも。運命かどうかは、分かりません」
イヌ
「やっぱり認めてくれないかー!」
──────────
※回想
初めて会った時のことは今でも覚えている。
仕事のキックオフミーティングに
担当者としてネコさんは現れた。
美人って言葉で片づけたくないのに、
先にそれが浮かぶくらい整っている顔立ち――美しい!
ピンと背筋が伸びて凛と歩くフォルムは今思い返しても、なんだか猫みたいだった笑
そんなネコさんに僕は思わず見とれてしまう。
あまりに僕がじーっと見つめるもんだから、
「以前、会った人なのかな?」って勘違いしただけなんだと思う。
初対面だったにも関わらず、
少し低音が混じった柔らかく、
でも少し緊張した声で、
ネコ(本物)
「どこかでお会いしました?」
と挨拶されたんだ。
イヌ
「前世ですかね」
と軽く冗談で返したら、
ネコさんは一瞬きょとんとして、
それから小さく笑った。
ネコ(本物)
「確かに。なんだか口説き文句みたいになっちゃいましたね」
その瞬間から、僕はもう虜だった。
──────────
イヌ
「前世だ!」
仮想ネコ
「イヌさん」
イヌ
「はい」
仮想ネコ
「『どこかでお会いした気がする』と……」
イヌ
「うん」
仮想ネコ
「『前世』の間には銀河くらい距離があります」
イヌ
「生きているうちにたどり着ける気がしない笑」
──────────
確かに。前世は非現実すぎた。
もしかしたら、こんな可能性もあるかもしれない!
くじけない僕は別の方向からアプローチする。
──────────
イヌ
「つまり初恋だった人に似ていたってことですね」
仮想ネコ
「飛躍です」
イヌ
「早い!」
仮想ネコ
「しかも今回は、二段飛びです」
イヌ
「え?」
仮想ネコ
「『どこかでお会いした気がする』から……」
イヌ
「うん」
仮想ネコ
「『初恋の人に似ている』には、なりません」
イヌ
「つまり。銀河よりは近づいたってことですね笑」
仮想ネコ
「……」
イヌ
「二回飛べば『初恋の人に似ている』になれるってことですね!?」
仮想ネコ
「世界記録レベルで飛べればですが」
イヌ
「やったー♪」
仮想ネコ
「褒めてません」
イヌ
「じゃあ誰に似てたの?」
仮想ネコ
「分かりません」
イヌ
「教えてよ〜笑」
仮想ネコ
「思い出せません」
イヌ
「むー涙」
仮想ネコ
「『どこかでお会いしました?』は……」
イヌ
「うん」
仮想ネコ
「それ以上でも、それ以下でもありません。
確認です」
イヌ
「業務!!!」
ネコさんのあの一言があったから、
すっかり虜になったんだよな。
次は、別のアプローチから攻略できるかもしれない。
今日はこの辺にしといてやろう!




