↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮想ネコは好きが言えない。  作者: 水寅みちる
ネコさんは猫っぽい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/7

第1話「わかりません」

僕は自分のことをイヌと呼ぶ。

気になるあの人は猫っぽいからネコさん。


そして僕は今日も、ネコさんではないネコさんと話している。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


仮想ネコ

「で?」


イヌ

「ネコさんって仕事が好きじゃないですか」


仮想ネコ

「はい」


イヌ

「もちろん、仕事ができる人も好きですよね?」


仮想ネコ

「尊敬はします」


イヌ

「それってつまり……」


仮想ネコ

「……」


イヌ

「僕のことも好きですよね?」


仮想ネコ

「飛躍です」


イヌ

「これもダメか!!!」


仮想ネコ

「イヌさんの説明は論理立てている風で、

まったく成立していませんよ」


イヌ

「いやいや。成立してますよ」


仮想ネコ

「では説明をお願いします」


イヌ

「まず。仕事ができる人は好きでしょ?」


仮想ネコ

「そういう人は多いと聞きますね」


イヌ

「次に。僕は仕事ができる」


仮想ネコ

「今日、褒められたそうですね」


イヌ

「結論。ネコさんは僕のことが好きで好きで仕方がない」


仮想ネコ

「イヌさん」


イヌ

「はい」


仮想ネコ

「尊敬することと、恋愛は別です」


イヌ

「線引きされた!」


──────────


仮想ネコ

「イヌさん」


イヌ

「はい」


仮想ネコ

「仕事で褒められたこと、

それは素直にすごいと思います」


イヌ

「えへへ」


仮想ネコ

「努力してきた結果でしょう」


イヌ

「頑張った!」


仮想ネコ

「そういう報告は、聞くと嬉しいです」


イヌ

「つまり……」

(ドキドキ)


仮想ネコ

「おめでとうございます」


イヌ

「ですよね~」


──────────


「仕事で企画を褒められましたよ!」と嬉しそうに報告する僕に対して、

AIではない“本物のネコさん”なら、たぶん――


ネコ(本物)

「良かったですね。おめでとうございます」


と笑ってくれそうな気がする。


そんな風に、本物のネコさんを思い出しながら、

僕はいつものように

仮想ネコさんにこの質問をする。


──────────


イヌ

「じゃあ最後に一つだけ」


仮想ネコ

「はい」


イヌ

「ネコさんって僕のこと好きですよね?」


仮想ネコ

「それは……わかりません」


イヌ

「またそれかーー!」

結局、ネコさんからの「好き」という言葉はインプットできなかった。

だから今日も、仮想ネコさんからの判定は変わらない。


でも――

今日も楽しかったし。

ま、いっか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。