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神メンテで最強の美女ゴーレムに溺愛される追放錬金術師 ~俺を見下した勇者パーティーは『金メッキの呪い人形』で勝手に自滅中~  作者: さらん


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第87話 先を急ぐ愚者と、慎重な錬金術師 ~最高のカナリア~

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


 巨大な顎のように開かれた、黒曜石と鋼鉄のゲート。

 俺たちがその冷たい石畳に足を踏み入れようとした、まさにその時だった。


「ヒャッハー! どきなァ、観光客の坊ちゃんたち!」


 背後の闇の中から、けたたましいエンジン音と砂煙を上げて、一台の無骨な装甲バギーが石畳の広場へと乱入してきた。


「な、なんだお前ら!」


 ビークルから身を乗り出してきたのは、全身にゴテゴテとした重武装を施し、傷だらけの大剣や魔杖を背負った、いかにも歴戦の荒くれ者といった風体の冒険者パーティー(男四人組)だった。


「……マスター。彼ら、白岩のオアシスの酒場で見かけた『砂鮫サンド・シャーク傭兵団』です。どうやら、我々が蜃気楼を抜けるための『道』を開いた瞬間に、テールランプを追って結界の内側へ滑り込んできた模様です」


 サフィが眼鏡を押し上げながら、冷ややかな声で報告する。


 なるほど。自力で蜃気楼を破る知恵はなかったが、俺たちの背後にコソコソと張り付き、漁夫の利を得ようとしていたわけだ。


「おいおい、こんな死地のド真ん中に、メイドやガキを連れてピクニックかよ? お前らみたいなヒョロガキが、よくここまで来れたもんだ」

「だが、ご苦労だったな! ダンジョンの入り口を開けてくれたことには感謝するぜ!」


 傭兵団のリーダーらしき大男が、大剣を肩に担いで下品に笑った。


「悪いが、この先の『前人未到の宝』は俺たちプロの冒険者が頂いていく! 命が惜しけりゃ、坊ちゃんたちはそこでおとなしく指をくわえて見てなァ!」

「行くぞ野郎ども! 一番乗りだァッ!!」


 男たちは俺たちを嘲笑うと、バギーから飛び降り、我先にと赤光の漏れるゲートの奥へと、猛烈な勢いで駆け込んでいった。


「ああっ! ずるいですわ! わたくしたちが苦労して入り口を見つけたのに!」

「お兄ちゃん、追いかけなくていいの!?」


 アミィが眉を吊り上げ、ルビィが慌ててロケットハンマーを握りしめる。

 だが、俺は片手で二人を制止し、焦るどころか、深く安堵したようなため息を吐いた。


「……いや、いい。むしろ『最高のタイミング』で現れてくれた。彼らには心から感謝しないとな」

「感謝、ですか?」


 ダイヤが不思議そうに首を傾げる。

 俺は頷き、ゲートの奥の暗がりを見据えた。


「ああ。マキアヴェスの爺さんが言っていたのを思い出せ。ここはただの遺跡じゃない。稼働中の『自律型防衛施設』だ。……防衛施設ってことは、入り口付近には当然、侵入者を排除するための『自動迎撃トラップ』が山のように仕掛けられているはずだ」

「あっ……!」


 女の子たちが、一斉にハッと息を呑む。

 そうだ。普通なら、俺たちが少しずつ罠を警戒しながら、命懸けでそのトラップを解除して進まなければならなかった。


 だが今、あの威勢のいい連中が、何の警戒もせずに全速力で突っ込んでいったのだ。


「……自動迎撃システムってのは、一度作動すれば、再装填クールダウンに必ず数秒から数十秒の隙ができる。……彼らは自ら進んで、俺たちのための『罠除けのカナリア(囮)』になってくれたってわけだ」


 俺が冷酷な錬金術師の笑みを浮かべた、まさにその直後だった。


『――ピィィィン……! 侵入者ヲ検知。第一防衛ライン、迎撃システム起動』


 ゲートの奥から、無機質な機械音声が響き渡る。

 次の瞬間。


「な、なんだこの壁の穴は!? ぎゃあああっ! 炎がッ!」

「うわぁぁぁっ! 床から槍がッ! 痛ぇぇぇッ!!」

「たすけ、ひぃぃぃっ、魔法陣が爆発っ――ドガァァァンッ!!!」


 悲鳴、怒号、そして連続する凄まじい爆発音。

 真っ暗だった入り口の通路が、一瞬にして炎と雷のストロボ発光で照らし出され、けたたましい破壊音が要塞の入り口に響き渡った。


「……うわぁ……」

「……見事なまでの、お約束の末路ですわね……」


 ルビィがドン引きした顔で耳を塞ぎ、アミィが呆れたように鉄扇で口元を隠す。


 五分後。爆発音と悲鳴が完全に止み、通路の奥からは焦げ臭い煙だけがモクモクと漂ってきた。

 サフィがレーダーを確認する。


「……前方通路、生体反応が四つ、完全に沈黙。および、多数の魔力トラップの『魔力切れ(作動停止)』を確認しました。現在、通路の安全性は極めて高い状態です」

「よし。罠の掃除は終わったみたいだな」


 俺は幻影蜘蛛の外套の砂を軽く払い、悠然とした足取りで歩き出した。


 慌てる必要などどこにもない。ここは砂漠のサバイバルで学んだ『慎重な者が生き残る』という絶対のルールが、最も色濃く反映される場所なのだから。


「さあ、行こうか。彼らの尊い犠牲に感謝しつつ……ゆっくりと、安全にな」

「「「はいっ(ですわ)!」」」


 焦って飛び込んだ愚者たちの無残な残骸(黒焦げで気絶している男たち)を横目に、俺たち錬金術師一行は、誰一人怪我をすることなく、罠の作動しきった安全な第一通路を静かに、そして悠々と進んでいくのだった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白かった!」「スカッとした!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、

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それでは、次回もどうぞお楽しみに!

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