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神メンテで最強の美女ゴーレムに溺愛される追放錬金術師 ~俺を見下した勇者パーティーは『金メッキの呪い人形』で勝手に自滅中~  作者: さらん


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第83話 白岩のオアシスと気難しい物知り ~略奪品が繋ぐ奇妙な縁~

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


 身の程知らずの盗賊団を返り討ちにし、彼らの物資をそっくりそのまま頂戴した翌日の昼下がり。


 俺たちはついに、目的の中継地点である『白岩のオアシス』へと到着した。

 その名の通り、風化して丸みを帯びた巨大な白い石灰岩が群れをなすようにそびえ立ち、その岩陰に澄んだ泉と街が形成されている。これまでの土色のオアシスとは全く違う、どこか神秘的な景観だ。


 市場ほどではないが、ここも多くのキャラバンが行き交い、活気に満ちている。


「さて、噂の『物知り』さんを探すとするか」


 俺たちはビークルを停め、街の商人たちに声をかけて回った。


 物知りの居場所はすぐに分かった。オアシスの中央で最も高くそびえる白岩――その中腹にくり抜かれた巨大な書庫に住んでいるという。


「あそこが物知りの館か。随分と立派な場所ですわね」


 アミィが見上げる先には、岩肌を精巧に削って作られた神殿のような入り口があった。


 だが、その入り口へ続く長い石階段の下には、何人もの商人や旅人が集まり、困り果てた顔で立ち往生していた。


「頼む、少しだけでいい! 古代文字の解読をしてくれないと、商売あがったりなんだ!」

「お引き取りください。先生は現在、酷く機嫌を損ねておられます。今は誰の依頼も受ける気はないと……」


 階段の上で申し訳なさそうに頭を下げているのは、物知りの弟子らしきローブ姿の青年だった。


「……何やら、トラブってるみたいだな。簡単には会ってくれそうにないぞ」


 俺が群衆の後ろから様子を窺っていると、サフィが状況をスキャンして報告してきた。


「周囲の会話から状況を推測しました。どうやら数日前、その『物知り』が取り寄せた貴重な文献を積んだ商隊が、砂漠で盗賊団に襲撃されたようです。重要な文献を奪われたことで、物知りは完全にへそを曲げて引きこもってしまったとのこと」


 俺は「なるほど」と頷きつつ、ピクリと眉を動かした。

 隣で話を聞いていたルビィとアミィも、顔を見合わせて首を傾げている。


「お兄ちゃん。盗賊さんって……」

「数日前、ですわよね……」

「サフィ、昨日の夜に俺たちが身ぐるみを剥いだ盗賊どもの『略奪品リスト』を出してくれ」

「了解しました。……水、食料、金貨、武器。そして……『年代物の古い革装丁の書物』が十数冊。出処不明の積荷としてアイテムボックスに保管されています」


 俺は思わず、フッと笑い声を漏らしてしまった。

 なんという偶然、いや、砂漠の導きか。ダンジョンへ向かうために「慎重」を期して夜間移動を選んだことが、図らずも盗賊団との遭遇を生み、そしてこのオアシスでの「最強の交渉カード」を手に入れる結果に繋がっていたのだ。


「……よし。お前ら、ちょっと道を開けてくれ」


 俺は困り果てている商人たちの波をかき分け、石階段の最前列へと進み出た。


「あの、ですから本日はどなたも……」

「あんたの師匠が探してる文献ってのは、もしかしてこれのことか?」


 俺がアイテムボックスから、古代の意匠が施された『古い革装丁の書物』を数冊取り出して見せると、弟子の青年の目が限界まで見開かれた。

「そ、それは……! 間違いありません、先日『赤砂の盗賊団』に奪われた星図と古代語の辞書です! なぜあなたがこれを!?」

「昨日の夜、たまたまその盗賊団と『運動』する機会があってね。忘れ物として預かってきたのさ」


 俺が書物をポンポンと叩いて微笑むと、階段の奥、書庫の暗がりから、ドタドタドタッ! と猛烈な足音が響いてきた。


「おい! 今、表で古代語辞書と言ったか!?」


 現れたのは、ボサボサに伸びた白髪に、インクの染みが無数についたヨレヨレのローブを羽織った、痩せぎすの老人だった。片目には分厚い拡大鏡ルーペを取り付け、狂気じみた知性の光を放っている。


 彼こそが、このオアシスに住む『物知り』本人だった。


「おおおおっ! 傷一つついておらん! 私の愛しの古代辞書おおぉぉっ!」


 老人は俺の手から引ったくるように書物を奪い取ると、頬ずりをして涙を流して喜んだ。


「あんたが物知りさんだな。これで少しは機嫌が直ったか?」

「直ったとも! 完璧だ! お前さん、盗賊団からこれを取り返してくれたのか! なんという恩人だ!」

「なら、その恩に免じて少し『知恵』を貸してほしい。ダンジョンのことで、いくつか聞きたいことがあるんだ」


 俺の言葉に、老人はピタリと動きを止め、ルーペ越しの鋭い眼光で俺たちを上から下まで舐め回すように観察した。


「……ダンジョン、だと? ただの観光客じゃあないとは思っていたが、あの死地に向かうつもりか。……いいだろう。これを取り返してくれた礼だ。上がってきなさい。この『知の番人』マキアヴェスが、知る限りのすべてを教えてやろう」


 老人はニヤリと笑い、俺たちを書庫の奥へと招き入れた。


 分厚い石の扉が閉まると、外の喧騒が嘘のように遮断され、カビと古い紙の匂いが満ちた静寂な空間が広がっていた。


 壁一面を埋め尽くすほどの膨大な書物と石板の山。まさに砂漠の叡智が結集した場所だ。


「さて、何が知りたい? 入り口の場所か? 罠の解除方法か?」


 マキアヴェスが上機嫌で椅子に腰掛ける。

 俺は仲間たちと頷き合い、アイテムボックスから例の『厄介な代物』を取り出し、老人の目の前の机にドンッと置いた。


「この『黒い歯車』についてだ。……こいつが一体どこの部品で、ダンジョンの中で何を意味するのか。詳細を教えてくれ」


 その黒い金属片を見た瞬間。

 老人の顔からスッと笑みが消え、部屋の空気が一気に張り詰めた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白かった!」「スカッとした!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、

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それでは、次回もどうぞお楽しみに!

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