表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神メンテで最強の美女ゴーレムに溺愛される追放錬金術師 ~俺を見下した勇者パーティーは『金メッキの呪い人形』で勝手に自滅中~  作者: さらん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/115

第81話 空振りの泉と次なる希望 ~足踏みもまた、旅の道~

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


 星詠みの老婆から重要なヒントと「黒い歯車の厄介な真実」を得た俺たちは、峡谷の隠れ井戸を出発し、さらに砂漠の深部へと針路を進めていた。


 蜃気楼を破るための『雷結晶のレンズ』は、サフィの精密な加工技術によってすでに完成している。あとは三つの赤い星が沈む夜に、その入り口を見つけるだけだ。


 だが、その「入り口」の先、つまりダンジョン内部の構造や罠についての情報は、依然として不足していた。


「……そろそろ、次のオアシスが見えてくるはずですわ」


 ダイヤが日傘を傾けながら、砂丘の先を指差す。

 数日間の夜間移動を経てたどり着いたのは、枯れかけた数本の古代樹が寄り添うように立つ、こぢんまりとした中継地点――『枯れ木立の泉』だった。


 これまでの移動オアシスや巨大なバザールに比べると、あまりにも静かで小さな場所だ。

 泉のほとりには、疲れ切ったラクダを休ませている数人の小規模な商隊キャラバンがいるだけだった。


「よし。水を補給させてもらいつつ、ダンジョンの情報収集だ」


 俺たちはビークルを停め、商隊の男たちに干し肉を分け与えながら、それとなくダンジョンの噂について尋ねてみた。


「砂漠のダンジョン? ああ、ガキの頃にお伽話で聞いたことがあるな。なんでも、金銀財宝が眠ってるとか……」

「俺は親父から、ただの蜃気楼だって教わったぜ。あんな熱砂の奥地、行く前に干からびて死んじまうよ」

「悪いな、錬金術師の兄ちゃん。俺たちは生きるのに必死で、そんな命知らずの遺跡のことは欠片も知らねぇんだ」

 ……見事なまでの「空振り」だった。

 男たちの言葉に嘘はない。彼らにとってダンジョンとは、実在するかどうかも怪しい遠い世界の御伽話に過ぎないのだ。


「……まあ、そう都合よくいくもんじゃないよな」


 俺は苦笑いして、彼らに礼を言った。

 立ち寄る村ごとに、都合よく伝説のヒントや重要アイテムが転がっているわけがない。現実の旅程とはこういうものだ。何の手がかりもない足踏みもまた、広大な砂漠を越える旅のリアルなのだ。


「お兄ちゃん、ダメだったの?」

「ああ。だが、無駄足ってわけじゃないさ。美味い水が補給できるだけでも、砂漠じゃ百点満点だ」


 俺がルビィの頭を撫でてやると、泉から水を汲んできたアミィが、少しだけ弾んだ声で戻ってきた。


「ご主人様。確かな手がかりはありませんでしたが、一つだけ『有益な噂』を聞けましたわ」

「噂?」

「ええ。ここからさらに北東へ三日ほど進んだ先にある『白岩のオアシス』に、砂漠の歴史や古い伝承をすべて記憶しているという『物知り』が住んでいるそうです。商人たちも、道に迷ったり古い地図の解読が必要な時は、その人物の知恵を頼るのだとか」


 アミィの報告に、俺とサフィは顔を見合わせた。


「なるほど。ダンジョンそのものの知識はなくても、古い伝承を網羅している知識人なら、あの厄介な『黒い歯車』の正体や、遺跡の成り立ちについて何か知っている可能性は高いですね」

「ああ。そいつは期待できそうだ」


 一歩進んで、何もないなら、次へ行く。

 ただそれだけのことだ。


「……マスター。……お水、冷たくて美味しいですぅ……」

「……お水筒、いっぱいにしましたぁ……」


 双子のパールとコーラルが、それぞれの水筒をタプタプと鳴らしながら、泉からひょっこりと顔を出した。

 俺は頷き、ビークルの水タンクにもたっぷりと澄んだ湧き水を補充した。


「よし、補給完了だ。長居は無用だな。日が暮れたら、すぐにその『物知り』がいる白岩のオアシスへ向かうぞ」


 何もない泉での、静かな休息。

 焦ることはない。大砂漠の旅は、慎重に、そして着実に進めるのが一番の近道だ。

 次なるオアシスでの「物知り」との出会いに静かな期待を寄せながら、俺たちは再び、星降る熱砂の海へとビークルを走らせるのだった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白かった!」「スカッとした!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、

ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、毎日の執筆の爆発的なエネルギーになります!


ブックマークへのご登録も、ぜひよろしくお願いいたします!


それでは、次回もどうぞお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ