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神メンテで最強の美女ゴーレムに溺愛される追放錬金術師 ~俺を見下した勇者パーティーは『金メッキの呪い人形』で勝手に自滅中~  作者: さらん


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第50話 珊瑚の迷宮と、海中ピクニック ~水着で潜るゆったりダンジョン探索~

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!



 特大パール貝の採取依頼をこなし、極上の海鮮料理で港町『ポート・セルリア』の夜を満喫した翌朝。

 俺たちは再び冒険者ギルドへ足を運んでいた。


「ご主人様、海都の技術も手に入れましたし、次はどこへ向かいますの?」

「いや、急いで次の街へ行く必要もないさ。せっかく海辺のリゾートに来てるんだ。もう少しこの海を堪能していこう」


 俺がクエストボードを眺めていると、受付のエーメイド(水棲エルフ)のお姉さんが声をかけてきた。


「陸の冒険者さん、海に潜るなら『瑠璃るりの海溝』に行ってみるかい? この街のすぐ近くにある海中ダンジョンさ」

「海中ダンジョン?」

「ああ。深海の『沈黙の海都』は結界に守られてて入れないけど、こっちは誰でも入れる自然の迷宮だよ。陸にはない珍しい魔物や素材がたくさんあるから、水棲の冒険者には人気の稼ぎ場さ」


 俺は目を輝かせた。

 古代のラボ探索もいいが、手つかずの自然が作り出したダンジョンには、未知の素材が眠っている。


「よし、今日の予定は決定だ」


 俺はボードから、いくつかのクエスト札を引っぺがした。

『Bランク:ソード・サーモンの角の納品』

『Cランク:瑠璃珊瑚の欠片集め』

『Cランク:海魔ヤドカリのハサミ肉の調達』


 どれも海中ならではのラインナップだ。特に「サーモン」と「ヤドカリのハサミ肉」という文字に、俺の食欲センサーが強く反応している。


「みんな、準備はいいか? 今日は海中ダンジョンで素材集め(と食材調達)のピクニックだ!」

「わーい! お魚! お肉!」

「……海の中ならぁ、わたしたちの庭ですぅ……」


 ルビィが飛び跳ね、双子のパールとコーラルが眠そうに、しかしどこか嬉しそうにふにゃりと笑った。


 ◇


 港から少し離れた岩場から、俺たちは海へとダイブした。

 もちろん、全員がそれぞれの個性に合わせた水着(+白衣等)のままだ。

 第5の賢者が遺した『海神の魔術』のおかげで、冷たい海中も快適な適温に感じられ、呼吸の息苦しさもない。


「マスター。前方、水深100メートル地点に海溝の入り口を確認しました。魔力濃度が一段階上昇しています」

「よし、行くぞ。今回は急ぎじゃない。ゆっくり周りを確かめながら進む」


 サフィの案内に従い、俺たちは海底にぽっかりと開いた巨大なクレバス――『瑠璃の海溝』へとゆっくり潜っていった。


 ダンジョン内は、暗い洞窟を想像していたが、全く違った。

 壁一面に群生する「発光珊瑚」が青や緑の幻想的な光を放ち、海中をステンドグラスのように照らし出している。

 海流が穏やかに渦巻き、その中を大小様々な魚の群れが星屑のように泳いでいた。


「綺麗ですわね……。まるで夢の世界を泳いでいるようですわ」


 アミィが紫紺のビキニ姿で、海流に身を任せてくるりと回る。

 彼女の周りに小さな光る小魚が集まり、幻想的な絵画のようだ。


「お兄ちゃん見てー! 変なカニがいるー!」


 ルビィが海底の砂地を指差す。

 そこには、岩に擬態した巨大なヤドカリがいた。クエスト対象の『海魔ヤドカリ』だ。

 背負っているのは貝殻ではなく、硬いサンゴの塊だ。


「シャアァァッ!」


 俺たちに気づいたヤドカリが、巨大なハサミを振り上げて威嚇してくる。

 挟まれれば鉄骨でも真っ二つだろう。


「よし、ルビィ。出番だ。ただし、ハサミの中身(肉)は傷つけるなよ」

「はーい! 優しく叩くね!」


 水中の抵抗を全く感じさせない速度で、ルビィが接近する。

 彼女は愛用のロケットハンマーではなく、俺が作った『ミスリルの打岩槌ショックレス・ハンマー』を構え、ヤドカリの頭部(殻の隙間)をコンッ、と正確に叩いた。


 ゴンッ……!

 衝撃が脳だけを揺らし、ヤドカリは泡を吹いて気絶した。


「完璧だ。ゴルド、回収してくれ」

「御意! 今夜ノ晩餐ガ楽シミデス!」


 赤い装甲のゴルドが、巨大なヤドカリをアイテムボックス(共有)へと放り込む。

 クエストの目的である「ハサミ肉」だけでなく、殻についている希少なサンゴも錬金術の素材になる。捨てるところがない。


 ◇


 さらに奥へと進む。

 迷路のように入り組んだ海溝だが、双子のソナー能力の前では迷うことはない。


「……マスター。右の横穴からぁ、大きなのが来ますぅ……」

「……すごく、脂が乗ってそうですぅ……」


 パールとコーラルが指差した先から、猛スピードで突進してくる影があった。

 全長5メートル。銀色の鱗を持ち、頭部には鋭い剣のような一本角を生やした魚。

 『ソード・サーモン』だ。


「おおっ! デカい鮭だ!」

「分析。突進速度、推定120km/h。あの角は鋼鉄の船体すら貫通します」


 サフィの警告と同時に、サーモンが角を突き出し、まるで魚雷のように俺たちへと迫る。


「ダイヤ、軽く炙ってやれ!」

「ええ、お任せを。……水の中での調理も、乙なものですわね」


 ダイヤが防水仕様の日傘を開き、先端をサーモンへ向ける。


「――ジュワッ」


 熱線が放たれた瞬間、サーモンの周囲の海水が一瞬で沸騰し、超高温の水蒸気爆発キャビテーションが発生した。


「ボボッ!?」


 突進の勢いを殺され、さらに周囲の熱水で「軽くボイル」されたサーモンは、目を回して海中をクルクルと漂い始めた。


「よし! 生け捕り(半生)完了!」


 俺は素早く泳ぎ寄り、サーモンの角を根元から綺麗に切り落としてクエスト品を確保。

 そして、丸々と太ったサーモンの本体を大事に回収した。


「ご主人様、これ、お刺身にしたら美味しそうですわね」

「ああ。少し火が通った表面(炙りサーモン)と、中の冷たい生の食感……。考えただけでヨダレが出る」


 俺たちは時折立ち止まっては、壁に生えている『瑠璃珊瑚』を丁寧に採取し、未知の海藻や小魚のデータを集めながら、ゆっくりとダンジョン探索を楽しんだ。


 息継ぎの必要もなく、重力からも解放された海中ピクニック。

 それは、今までのどの旅よりもリラックスできる、極上の癒やし時間だった。


「よし、今日はこの辺にしておくか。戻って、ギルドに報告だ」


 アイテムボックスが海の幸とレア素材でずっしりと重くなったのを確認し、俺たちは穏やかな海流に乗って、光の差す海面へと向かって泳ぎ始めた。


 今夜の港町の宿では、俺が腕を振るう「特製サーモン尽くし定食」と「特大ヤドカリの蟹(?)鍋」が待っている。

 錬金術師のバカンスは、最高潮を迎えていた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白かった!」「スカッとした!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、

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それでは、次回もどうぞお楽しみに!

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