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神メンテで最強の美女ゴーレムに溺愛される追放錬金術師 ~俺を見下した勇者パーティーは『金メッキの呪い人形』で勝手に自滅中~  作者: さらん


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第40話 大草原の巨都と、止まったままの時計 ~勇者がゴブリンと戦っている間に、俺たちは神話を攻略していた~

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!



 『鏡水川きょうすいがわ』を後にした俺たちは、見渡す限りの大草原をビークルで爆走していた。


「風が気持ちいいですわね!」

「お兄ちゃん! あっちに牛さんの群れがいるよ!」


 窓から入る風は、森の湿り気を含んだものではなく、乾いた草の香りがする。

 数時間のドライブの末、地平線の彼方に巨大な城壁が見えてきた。


「……でかいな」


 それは、今まで訪れたどの街よりも巨大な、石造りの城塞都市だった。

 無数の馬車が行き交い、空には飛竜便が飛び交っている。


「ここが、大陸中部の最大拠点、『交易都市アルタイル』か」


 門番の兵士は、俺たちの異様なビークル(と黄金の巨体ゴルド)を見てギョッとしたが、俺が提示したギルドカード(ランク:測定不能)と、溢れ出るカリスマ性(主にアミィたちの美貌)を見て、敬礼して通してくれた。


 ◇


 街の中は凄まじい活気だった。


 俺たちは中央広場にビークルを停め、まずは情報収集と換金のために、街一番の規模を誇る冒険者ギルドへと向かった。


 ギルドの扉を開けると、そこは数百人の冒険者でごった返していた。

 怒号、笑い声、ジョッキのぶつかる音。


「……賑やかだな」


 俺は苦笑しつつ、カウンターへ向かおうとした。

 その時。聞き覚えのある、神経質な怒声が耳に飛び込んできた。


「ふざけるな! なんで今回の報酬がこれだけなんだ!」

「規定通りです。討伐した『オーク』の部位欠損が激しすぎます。これでは素材としての価値がありません」


 人だかりの中心で、受付嬢に食って掛かっている三人組。

 ボロボロの鎧に、手入れ不足で輝きを失った聖剣。

 そして、疲労困憊で目の下にクマを作った聖女と重戦士。


「……アレクか」


 俺の声に、その男――勇者アレクが弾かれたように振り返った。


「あぁ!? 誰だ俺に気安く……って、ク、クロウ!?」


 アレクが絶句する。

 ガルドとミリアも、幽霊でも見たような顔で俺たちを凝視した。


「よぉ。久しぶりだな。まだこの辺りでくすぶってたのか?」


 俺は軽く手を挙げた。

 その背後には、アミィ、サフィ、ルビィ、ダイヤ、プリムローズ……5人の絶世の美女たちと、深紅に輝く最強の盾『ゴルド・改』が控えている。


「な、なんだその人数は……!?」

「それに、その装備……! 前に会った時より、さらに凄くなってないか!?」


 ガルドが後ずさる。

 無理もない。今の俺たちが纏っているのは、世界樹の加護を受けたローブや、星核鉄の鎧、神霊蛇のインナーだ。


 立っているだけで、周囲の空間が歪むほどの魔力を放っている。


「ま、色々あってな。仲間が増えたんだ」

「ふ、増えただと……? お前、追放された荷物持ちの分際で……!」


 アレクがギリッと歯を食いしばる。

 彼の手には、以前俺が恵んでやった『蒼水の剣』が握られている。刃こぼれもせず、美しい輝きを保っているのが皮肉だ。


「で、お前たちは何をしてたんだ? 随分とやつれてるみたいだが」

「う、うるさい! 俺たちは今、オークの巣を壊滅させてきたところだ! Bランクの高難易度クエストだぞ!」


 アレクが胸を張る。

 周囲の冒険者からは「おお、さすが勇者パーティー」「腐ってもBランクか」という声が上がる。

 だが、俺のパーティーメンバーたちの反応は冷ややかだった。


「……オーク? あの豚さんのこと?」

「分析。戦闘力数値、推奨レベル25。……私たちが通り道で『轢いた』雑魚敵と同ランクです」

「あらあら。そんな小物の討伐で、そこまで泥だらけになれるなんて。……ある意味、才能ですわね」


 ルビィ、サフィ、アミィが容赦なく切り捨てる。

 悪気はない。彼女たちにとって、オークなど散歩のついでに消し飛ぶ障害物でしかないのだ。


「なっ……! 貴様ら、言わせておけば……!」


 アレクが激昂し、剣に手をかけたその時。

 ギルドの扉がバンッ! と開き、血相を変えた伝令兵が飛び込んできた。


「き、緊急速報ーーッ!!」


 伝令兵は、カウンターに一枚の手配書を叩きつけた。


「北の『エルフの里』より、公式声明が届きました! 世界を蝕んでいた『世界樹の腐敗』が、完全に浄化されたとのことです!!」


 ザワッ……!

 ギルド中が騒然となる。


「世界樹が!? あの不治の病がか!?」

「誰がやったんだ! 国の聖騎士団か!?」


 伝令兵は、震える声で続けた。


「い、いいえ! 声明によれば、たった一人の『錬金術師』とその従者たちによる偉業だそうです! その名は――『白衣の賢者、クロウ』!!」


 ――静寂。

 数百人の視線が、一斉に俺に突き刺さった。


「……え?」


 アレクが、ポカンと口を開けて俺を見る。

 そして、俺の後ろに控える、見覚えのない小柄な眼鏡の少女――プリムローズを見た。


「……まさか、そこのチビが……」

「口を慎め、小僧」


 プリムローズが、冷徹な瞳でアレクを一瞥した。


「私はエルフの里の管理者、プリムローズ。……このクロウ様は、私の数百年の悲願を叶え、世界を救ったお方だ。オーク退治ごときで粋がっている貴様らとは、住む世界が違う」


 トドメの一撃だった。

 世界を救った英雄と、オーク一匹に苦戦して報酬を値切る勇者。


 その差は、誰の目にも明らかだった。


「そ、そんな……。嘘だろ……?」

「クロウさんが、世界を……?」


 ミリアがへなへなと座り込む。

 アレクは顔を真っ赤にして、何かを叫ぼうとしたが、言葉にならなかった。


「……行くぞ、みんな」


 俺は彼らに興味を失い、カウンターへ向かった。


「すまん、買取を頼む。道中で拾った『銀鱗アユ(Sランク食材)』と、『違法工場の証拠書類』だ。……ああ、報酬はここの皆に一杯奢ってやってくれ」


 俺が大量のアユと書類を出すと、ギルド中から「うおおお! クロウ様万歳!」「さすが賢者様!」という歓声が上がった。


 その喧騒の中、勇者パーティーは誰にも見向きもされず、小さくなってギルドの隅へと追いやられていった。


 かつて俺を捨てた彼らの時計は、あの日から止まったまま。

 一方、俺たちの時計は、世界を変えるスピードで進んでいる。


 交わることのない二つの道を確認し、俺たちは次の目的地――『海』への情報を求めて、ギルドマスターの部屋へと足を運んだ。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白かった!」「スカッとした!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、

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それでは、次回もどうぞお楽しみに!


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