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神メンテで最強の美女ゴーレムに溺愛される追放錬金術師 ~俺を見下した勇者パーティーは『金メッキの呪い人形』で勝手に自滅中~  作者: さらん


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第15話 灼熱の淑女と、ドワーフのコンプレックス ~お嬢様はマグマティーがお好き~

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!



 『溶鉄の扉』を抜けた先には、予想通り、ドワーフの賢者が遺した巨大な自動工場オート・ファクトリーが広がっていた。


 轟々と流れるマグマの河。

 その熱を動力源として、無数のピストンやアームが規則正しく動き、見たこともない合金を精製し続けている。


「すごい……! ここは『鍛冶場』じゃない。工場そのものが一つの巨大な『錬金術装置』なんだ!」


 俺は眼下に広がる光景に震えた。

 ここの設備は、ただ鉄を溶かしているだけではない。


 マグマの超高熱を媒介にして、異なる物質同士を分子レベルで融合させているのだ。

 俺は近くの操作端末(石板)に駆け寄り、その理論を読み解いた。


「……なるほど。『熱核錬成サーマル・シンセシス』か!」


 それは、ドワーフ族が追い求めた究極の夢。

 鉱石を叩くのではない。「熱エネルギーそのものを凝縮して、物質化する」神の技術だ。


 これさえあれば、インゴットがなくても、この場の熱がある限り、無限に武具を生成・修復できる。


「サフィ、データ収集だ! この理論、イエティ博士の冷却技術と組み合わせれば、俺は『温度』で万物を創造できるようになる!」

「了解。……マスター、前方の区画に『管理者』と思われる反応があります」


 サフィが指差した先。

 工場の最奥に、そこだけ異質な空間があった。


 マグマの海に浮かぶ、美しい白い大理石のテラス。

 そこには、優雅なティーテーブルと、一人の少女の姿があった。


「あら。お客様ですの?」


 透き通るような白銀の髪。

 ダイヤモンドのように輝く瞳。

 そして、この灼熱地獄には似つかわしくない、フリルたっぷりの最高級ドレス(耐熱素材)を纏った、深窓の令嬢のような少女。


 彼女はマグマが煮えたぎる音をBGMに、優雅にティーカップを傾けていた。


「……ようこそ、ドワーフのラボへ。わたくしは管理者の『ダイヤ』と申しますわ」


 彼女は立ち上がり、完璧なカーテシー(お辞儀)を見せた。

 その所作には、一分の隙もない。

 汗一つかかず、すす一つ付いていない。


 ここが火山の中であることを忘れさせるほどの「涼やかさ」と「気品」だ。


「……なぁ、ダイヤ。一つ聞いていいか?」

「何でしょう?」

「ここを作ったドワーフの賢者は、なんでお前のような『お嬢様』を作ったんだ? ドワーフと言えば、もっとこう……無骨で豪快なのが好きだろ?」


 俺の問いに、ダイヤは困ったように微笑み、ため息をついた。


「ええ。お父様(製作者)は、常々嘆いておられましたの」

『わしらはいつも汗臭い! 髭も煤だらけじゃ! 筋肉ダルマと馬鹿にされる! ……だからワシは作るんじゃ! 誰よりも美しく、誰よりも清潔で、誰よりも優雅な、理想の娘をなァァァ!!』

「……という、コンプレックスの爆発によって、わたくしは誕生しましたの」


 俺たちは顔を見合わせた。

 天才の動機なんて、だいたいそんなものだ。

 だが、その結果生まれた彼女のスペックは本物だった。


「分析。……彼女の体表温度は一定です。また、ドレスの裾から覗く脚部パーツには、極大出力の『熱線砲ヒート・レイ』が内蔵されています」

「ええ。わたくし、野蛮な争いは好みませんの。ですが……」


 ダイヤが優雅に日傘パラソルを開く。

 その先端が、工場内に侵入してきた迷い込みの魔物(巨大な火吹きトカゲ)に向けられた。


「お父様の庭を汚す『害虫』は、駆除させていただきますわ」


 ジュッ。

 音がしたのは一瞬だった。

 日傘の先端から放たれた、目に見えないほどの高密度の熱線。


 それがトカゲを貫いた瞬間、魔物は悲鳴を上げる間もなく炭化し、塵となって崩れ落ちた。


「……あら、失礼。少し焦げ臭くなってしまいましたわね」


 彼女は涼しい顔で、口元を扇子で隠す。

 圧倒的な火力。

 触れもせず、汗もかかず、ただ優雅に微笑むだけで対象を消滅させる。


 これぞ、ドワーフが夢見た「綺麗な破壊神」だ。


「素晴らしい……! 君こそ、俺が求めていた『火力』だ!」


 俺は手を差し出した。


「ダイヤ。俺と一緒に来ないか? 俺はこの世界の全てのラボを巡り、技術を継承する者だ。君の優雅さを、もっと広い世界で披露してほしい」

「まあ……お誘いですの?」


 ダイヤは小首を傾げ、俺をじっと見つめた。

 そして、俺が纏っている『フェンリルの白衣』と、その下に隠された『熱エントロピー操作』の波動を感じ取ったようだ。


「……合格、ですわ」

「え?」

「貴方様からは、お父様と同じ『技術屋の魂』を感じます。それに……この灼熱の中で涼しい顔をしている殿方は、貴方様が初めてですもの」


 彼女は俺の手を取り、ふわりと微笑んだ。


「お受けしますわ、新しいマスター。わたくしの灼熱の愛(物理)、受け止めてくださいますわね?」


 ◇


 こうして、4人目の仲間『ダイヤ』が加わった。

 彼女の加入により、俺たちは以下のものを手に入れた。


* スキル『熱核錬成』: 熱エネルギーから物質を生み出す、錬金術の奥義。

* 無限のエネルギー源: ダイヤ自身が歩く「永久機関」であるため、パーティの魔力切れがなくなった。

* 優雅なティータイム: どんな過酷な環境でも、彼女がテーブルセットを展開すれば、そこは貴族のサロンになる。


「さあ、行きましょうマスター。次はどこのラボへ参りますの?」

「そうだな……。冷却イエティ鍛冶ドワーフと来たら……次は『森』か?」

「お兄ちゃん! 森ならエルフだよ! 薬草とか果物がいっぱいだよ!」


 俺たちは、涼しげな顔のまま灼熱の工場を後にした。

 アミィ(回避)、サフィ(解析)、ルビィ(物理)、ゴルド(盾)。

 そこに、ダイヤ(遠距離熱攻撃・お嬢様)が加わった。


 地上最強どころか、もはや世界を征服できる戦力だ。

 だが、俺たちの目的はあくまで「知の探究(と快適な生活)」だ。


 勇者たちが安宿で汗を流している頃、俺たちは優雅にマグマを見下ろしながら、極上のティータイムを楽しんでいた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白かった!」「スカッとした!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、

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それでは、次回もどうぞお楽しみに!


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