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神メンテで最強の美女ゴーレムに溺愛される追放錬金術師 ~俺を見下した勇者パーティーは『金メッキの呪い人形』で勝手に自滅中~  作者: さらん


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第13話 黒い砂利と、極上のメンテナンス・ナイト ~ゴミ捨て場にオリハルコンが転がっている件~

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!



 偏屈なドワーフ・ガランに『星核鉄』と『蛇の抜け殻』を預け、俺たちは工房を後にした。


 完成は明日。それまでの間、俺たちはこの灼熱の都『ヴォルカ』を自由に散策することにした。


「さて、と。せっかくだから市場を冷やかしていくか」

「賛成ですわ。この街の市場には、ドワーフの失敗作や廃材が多く出回っていると聞きますもの」


 アミィが日傘を差しながら楽しげに言う。

 俺たちはメインストリートから外れた、資材置き場のようなエリアへ足を運んだ。


 そこには、鍛冶の過程で出た「スラグ(鉱滓)」や「失敗した武具」が山のように積まれていた。


 ドワーフたちは「あーあ、また失敗だ」「これは路盤材(道路の舗装)にでも使うか」と、無造作に捨てている。


「……ん?」


 俺の『鑑定眼』が、ある「砂利の山」に反応した。

 道路の穴埋めに使われている、黒くキラキラした砂利だ。


「おい、そこの親父さん。この砂利、いくらだ?」

「あぁ? なんだ観光客か。そりゃただの『燃えカス』だ。道路の滑り止めに撒いてるだけだから、欲しけりゃ袋一杯で銅貨1枚でいいぞ」


 銅貨1枚。水よりも安い。

 だが、俺にはその「燃えカス」の正体が見えていた。


【精製オリハルコンの粉塵ダスト

* 概要: 高温の炉で希少金属を精製した際に、煙突から排出された微細な粉末が固まったもの。

* 純度: 98%。一度溶かせば、最高純度のインゴットになる。


 (……マジかよ。ドワーフの炉が高性能すぎて、煙と一緒にオリハルコンまで排出してやがるのか)

 彼らにとってはただのすすだが、錬金術師にとっては「宝の山」だ。


「そうか。じゃあ、そこにある山を全部貰おう。庭の敷石にちょうど良さそうだ」

「はぁ? 全部? ……物好きな兄ちゃんだな。金貨1枚でどうだ?」


 俺は即座に金貨を払い、トラック一杯分ほどの「オリハルコンの砂利」をアイテムボックスへ回収した。

 これでしばらく、最高級金属には困らない。


「ふふ、またゴミ同然の値段で国宝を手に入れましたわね」

「合理的です。原価率0.001%。錬金術による再構築コストを含めても、莫大な利益です」


 ホクホク顔の俺たちは、さらに市場で『火蜥蜴サラマンダーの尻尾(高級強壮剤の原料)』が「トカゲの干物」として売られているのを買い占め、『温泉卵(マグマ茹で)』を食べ歩きし、夕暮れ時に街一番の宿『赤竜のあくび亭』へとチェックインした。


 ◇


 宿の部屋は、石造りの頑丈な作りだったが、やはり熱気が篭もっていた。

 だが、俺たちには関係ない。


「『永久凍土の核』、展開。……室温設定、24度」


 俺がアイテムボックスから氷の結晶を取り出し、部屋の隅に置くと、瞬く間に爽やかな冷気が広がり、極上のスイートルームが完成した。


「生き返りますわ……。外は灰が凄かったですもの」

「マスター、機体温度が低下。メンテナンスを推奨します」


 そうだ。火山灰と熱気は、精密機械である彼女たちにとって大敵だ。

 明日のダンジョン攻略の前に、念入りなケアが必要だろう。


「よし、みんな並べ。今日は特別コースだ」


 俺は道具袋から、最高級の『精製オイル』と、柔らかい『シルクの布』、そして先ほど手に入れた『サラマンダーのエキス』を配合した特製クリームを取り出した。


 まずはアミィだ。

 彼女の白い肌(人工皮膚)には、うっすらと煤が付着している。


「んっ……♡ ご主人様、そこは……関節の駆動部ですわ……♡」

「じっとしてろ。ここに入り込んだ灰を取らないと、舞のキレが悪くなる」


 俺は丁寧に拭き取り、潤滑油を馴染ませる。アミィの艶めかしい吐息が部屋に響くが、これはあくまで整備だ。整備なのだ。


 次はサフィ。

 彼女の眼鏡が曇り、排熱ファンが唸りを上げている。


「……ん。効率的です。冷却スリットの清掃……感謝します」

「レンズも磨いておくぞ。明日はお前の分析が頼りだからな」

「了解。……視界良好。マスターの顔が、より鮮明に見えます」


 そしてルビィ。

 彼女は一番はしゃぎ回っていたので、煤だらけだ。


「わーい! お兄ちゃんにくすぐられてるみたい!」

「こら、動くな。ハンマーの接続端子が汚れてるぞ。ここを綺麗にしないと出力が落ちる」

「あはは! くすぐったーい!」


 最後に、ゴルド。

 彼は部屋の隅で直立していたが、その黄金のボディも少し曇っていた。


「ゴルド、お前もだ。明日は新しい装甲になるが、中身コアの調子は見ておく」

「オオ! 我ガ主ヨ! このゴルド、感涙ニ咽ビ泣いております!!」


 俺はゴルドの装甲を磨き上げ、関節に高粘度のグリスを差した。


「よし、全員完了だ。ピカピカになったな」


 メンテナンスを終えたオートマタたちは、新品のように輝きを取り戻していた。


 アミィは肌がしっとりと潤い、サフィは排熱がスムーズになり、ルビィは元気いっぱい、ゴルドは鏡のように光を反射している。


「ありがとうございます、ご主人様。これで明日は最高のパフォーマンスをお見せできますわ」

「ええ。今の私たちは、スペック上の限界値を更新しています」


 俺たちは冷えた部屋で、市場で買った果物を食べながら夜を過ごした。

 外では熱風が吹き荒れているが、ここには快適な空気と、最高の仲間がいる。


 明日はガランから「鍵」と「新装備」を受け取り、いよいよ『溶鉄の扉』を開く時だ。

 俺は期待に胸を膨らませ、ふかふかのベッドに身を沈めた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白かった!」「スカッとした!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、

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それでは、次回もどうぞお楽しみに!


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