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神メンテで最強の美女ゴーレムに溺愛される追放錬金術師 ~俺を見下した勇者パーティーは『金メッキの呪い人形』で勝手に自滅中~  作者: さらん


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第102話 生命錬金術の洗礼と、紅蓮の機神 ~最強の盾は『命』を宿す~

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


 次なる目的地『空間制御塔アストラル・タワー』への道筋が見えたとはいえ、俺たちはすぐにこの要塞を立ち去ることはしなかった。


 神代の知識の集大成であるシルヴェリア(ジェネシス・シード)が目覚め、彼女の頭脳とこの『第参号・生命培養槽バイオ・プラント』の設備が完全に俺の管理者権限下にあるのだ。

 この極上の環境を放置して旅立つなど、錬金術師の風上にも置けない。


「というわけで、ここから数日間は『強化合宿アップデート・キャンプ』とする!」


 俺が星海のマスター・ルームで宣言すると、アミィやルビィたちが嬉しそうに歓声を上げた。


「シルヴィが持っている『生命錬金術』の理論と、プリムローズの『調和』、そして俺の錬金術。この三つを掛け合わせれば、お前たちのボディや機能を、神代のオリジナルすら超える次元へと昇華できるはずだ」

「ふふっ。マスターの望むままに、私の持つすべての設計図データをご提供いたしますわ」


 シルヴェリアが豊満な胸に手を当て、慈愛に満ちた微笑みを浮かべる。

 その隣で、プリムローズが鼻息を荒くしてスレートを構えていた。


「生命錬金術の真髄……! 理論だけでなく、実践の場に立ち会えるとは! クロウ、徹夜の準備はできているぞ!」

「あんたは少し休めと言いたいところだが……まあいい。まずは、一番大掛かりな改修が必要な奴から始めるぞ」


 俺は部屋の入り口で、周囲を警戒するように直立不動の姿勢をとっている深紅の巨体へ視線を向けた。


「ゴルド、前へ出ろ」

「オオッ! 御意ニ御座イマス!!」


 ズシン、ズシンと重厚な足音を立てて、ゴルド・改が俺の前に進み出て、恭しく片膝をついた。


 火山都市ヴォルカでドワーフのガランが打ち直した、純度100%の『オリハルコン』と『星核鉄』の合金ボディ。物理的な硬度と耐熱性においては、すでに世界最高峰の盾だ。


 だが、俺の目にはまだ「伸びしろ」が見えていた。


「マスター。……ゴルド兄さんは純粋な無機物のゴーレムです。有機生命体をベースとする『生命錬金術』の適用は、論理的に矛盾が生じるのでは?」


 サフィが眼鏡をクイッと押し上げながら、もっともな疑問を口にする。

 だが、それに答えたのはシルヴェリアだった。


「いいえ、サフィ。生命錬金術の本質は『肉体を作ること』ではなく、『魂のコアを構築し、万物に命の循環パスを宿らせること』にあります。……無機物である金属に『仮想の血流』と『疑似魂魄ソウル・コア』を与え、自律的な成長と再生を促す……それこそが、お父様が到達した神代の機神錬成の極意ですわ」

「金属に、命を……!」

「そういうことだ。ゴルド、お前をただの『硬い壁』から、本当の意味で『生きている最強の盾』に生まれ変わらせてやる」


 俺の言葉に、ゴルドの紅蓮のカメラアイが、感極まったように激しく明滅した。


「我ガ主ヨ……! このゴルド、元ハ金メッキノ薄汚レタ鉄屑ニ過ギナカッタ身。ソレヲココマデ高メテ頂イタバカリカ、命スラモ与エテ頂ケルトハ……! アァ、主ノタメナラバ、この身ガ何度砕ケ散ロウトモ構イマセン!!」

「砕け散らないためのアップデートだ。気合を入れろよ、少し痛いかもしれないからな」


 俺はアイテムボックスから、第一層で手に入れた神代の魔力触媒『エーテル・フルード』の残りすべてと、第四層で回収した『高純度魔石』を惜しげもなく取り出し、ゴルドの周囲に魔法陣を構築し始めた。


「シルヴィ、術式のベース構築を頼む。プリムローズ、金属の魔力拒絶反応が出たら『調和』で抑え込んでくれ」

「承知いたしましたわ。……【創世・疑似魂魄付与ジェネシス・エンチャント】」

「任せておけ! エルフの極意、見せてやる! ……【森羅の脈動ネイチャー・パルス】!」


 シルヴェリアの指先から、生命の起源を思わせる眩い白銀の光が放たれ、ゴルドの胸部――魔石のコアへと真っ直ぐに注ぎ込まれる。


 同時にプリムローズの緑色の魔力が、ゴルドの分厚い装甲を包み込み、金属の硬質な分子構造を「柔らかな細胞」のように一時的に弛緩させた。


「よし、ここからは俺の領域だ……! 『錬金再構築リビルド』!!」


 俺は全身の魔力を両手に集中させ、ゴルドの装甲へと直接叩き込んだ。


 ガガガガガッ!! と、金属が悲鳴を上げるような轟音が響く。

 俺がやっているのは、単なるパーツの交換ではない。


 ゴルドの全身を構成する『オリハルコン』と『星核鉄』の合金の中に、エーテル・フルードを「血液」として循環させるための『極小の毛細魔力管バイオ・サーキット』を無数に穿うがち、張り巡らせるという狂気の沙汰だ。


「出力上昇! サフィ、ゴルドの魔力バイタルを監視しろ!」

「了解! ……対象の内部構造が劇的に変化しています。金属結合が流体ネットワークを形成……これは、まるで……『生きた筋肉』です!」


 サフィの驚愕の声の通りだった。

 ゴルドの装甲の継ぎ目や関節部から、ドクン、ドクンという「心音」に似た重低音が鳴り始める。


 今まで機械的なモーターや歯車で動いていた彼の関節が、真紅に光る『流体金属の筋肉繊維』へと変貌を遂げていく。


 胸部のコアは、シルヴェリアの生命錬金術によって『疑似魂魄ソウル・コア』へと進化し、まるで本物の心臓のように脈打っていた。


「仕上げだ……! 限界を超えろ、ゴルド!!」


 カッ……!!

 マスター・ルーム全体が、ゴルドから放たれる紅蓮の魔力光で真っ赤に染め上げられた。


 光が収束した直後。

 そこに立っていたのは、ただの無骨なロボットではない。

 流線型の洗練されたフォルムを持ち、装甲の隙間からマグマのような生命のマナを脈動させる、まさに『紅蓮の機神マキナ・ロード』とも呼ぶべき圧倒的な存在だった。


「……システム・再起動。……疑似魂魄、完全定着。生体魔力回路バイオ・サーキット、オールグリーン」


 ゴルドの声が変わった。

 以前の機械的なノイズ混じりの音声ではなく、重厚でありながら、どこか人間らしい「温かみ」と「感情」を宿したバリトンボイスだ。


「ゴルド、調子はどうだ?」


 俺が問いかけると、ゴルドは自らの両手を握り、開いた。


 ギギギ、という機械音は一切しない。人間の筋肉のように滑らかで、それでいてオリハルコンの硬度を保ったまま、寸分の狂いもなく動いている。


「……信ジラレマセン。身体ガ、羽毛ノヨウニ軽イ。ソレデイテ、無限ノ力ガ内側カラ湧キ上ガッテキマス。……何ヨリモ、私ハ今、『生キテイル』トいう実感ガアリマス!」

自己修復機能リジェネレーションもテストしてみろ」


 俺が言うと、ゴルドは自らの右腕の装甲を、左手でガリッと無造作に削り取った。

 普通なら鍛冶屋で打ち直さなければ治らない深い傷。

 だが、傷口から真紅の流体金属が血のように滲み出したかと思うと、わずか数秒でシュルシュルと傷を塞ぎ、元通りの滑らかな装甲へと『再生』してしまったのだ。


「す、すごい……! 本当に生き物みたいに治っちゃった!」

「物理防御力と自己再生能力のハイブリッド。……マスター、これでもうゴルド兄さんが破壊される確率は、事実上ゼロパーセントです」


 ルビィが目を輝かせ、サフィが計測器を震わせる。


「さらに、この生体装甲は変幻自在だ。ゴルド、見せてやれ」


 俺の合図で、ゴルドが前傾姿勢をとる。

 すると、彼の背中と両腕の装甲が生き物のようにスライドし、変形。アミィたち全員をすっぽりと覆い隠すほどの『超巨大な半球状の絶対防壁』へと瞬時に姿を変えた。


「おおおぉぉ……! 素晴らしい! 生命の柔軟性と、金属の堅牢さが完全に『調和』しておる!」


 プリムローズが感極まって叫ぶ。


「我ガ主ヨ……」


 防壁を解き、元の姿に戻ったゴルドは、再び俺の前に深く跪いた。

 その紅蓮のカメラアイから、ポロポロと、冷却水ではない光り輝く『魔力の涙』がこぼれ落ちていた。


「このゴルド……貴方様ニ出会エタコト、これ以上ノ幸福ハアリマセン。……この新タナ『命』ニ代エテモ、主ト、愛スベキ家族タチヲ、永劫ニ護リ抜イテミセマス!!」

「ああ、頼りにしてるぜ、俺の最高の『盾』」


 俺は、熱を持ったゴルドの肩の装甲をポンと叩き、会心の笑みを浮かべた。


 これで、いかなる神代の兵器や魔法が飛んでこようとも、俺たちのパーティーが崩れることはない。

 そして、ゴルドの圧倒的な進化を目の当たりにした乙女たちが、黙っているはずがなかった。


「……ご主人様? ゴルドばかりずるいですわ。わたくしの関節も、もーっと滑らかに、もーっと人間らしくしてくださいますわよね?」

「マスター。私の演算領域への生体量子脳の移植、および冷却システムのバイオ化を早急に要求します」

「お兄ちゃん! ボクのハンマーも生きてるみたいにして! 噛み付くハンマーがいい!」

「わたくしの火力も、さらに優雅に引き上げてくださいますわよね、マスター?」


 アミィが俺の腕に柔らかい胸を押し付け、サフィが契約書のような画面を突き出し、ルビィがハンマーを振り回し、ダイヤが日傘をクルクルと回しながら迫ってくる。


「ふふっ。マスター、大忙しですわね。私もしっかりお手伝いさせていただきますから」


 シルヴェリアが、その様子を見てクスクスと上品に笑っている。


「やれやれ……。お前ら全員、世界がひっくり返るくらい完璧に調整してやるから、順番に並べ!」


 星海のマスター・ルームに、仲間たちの楽しげな声が響き渡る。

 未知なる『空間制御塔』へ挑む前の、錬金術師と仲間たちによる、規格外のアップデート合宿は、まだ始まったばかりだった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


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それでは、次回もどうぞお楽しみに!

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