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神メンテで最強の美女ゴーレムに溺愛される追放錬金術師 ~俺を見下した勇者パーティーは『金メッキの呪い人形』で勝手に自滅中~  作者: さらん


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第100話 原初の目覚めと、銀色の名付け ~星海で語られる神代の真実~

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


 白金の大扉の奥、絶対不可侵のセキュリティで守られた星海のマスター・ルーム。


 簡易ベッドの上で目覚めた『彼女』は、大地の女神のように深く、とろけるほどに優しい微笑みを浮かべて俺を見つめていた。


「……おはようございます。新しき時代の、星の管理者様」


 紡がれた声は、春の陽だまりのように温かく、聞く者の心の奥底を直接撫でるような心地よい響きを持っていた。


「私の声が、届いておりますか?」

「ああ。バッチリ聞こえてるぜ。気分はどうだ?」

「ええ。とても……数千年ぶりに、血液マナが爪の先まで通い、温かな風を感じています」


 彼女はゆっくりと上体を起こした。

 豊かな銀糸の髪がサラリと流れ、星海の光を反射してキラキラと輝く。

 その成熟した美しさと、圧倒的な「生命の完成度」を前に、アミィたちですら息を呑んで見惚れていた。


「私は『第参号・生命培養槽バイオ・プラント』を統括する中央制御核マスター・コアにして、神代の生命錬金術のオリジナル・モデル……【ジェネシス・シード】。私を深い眠りから呼び覚まし、この狂った要塞の防衛機構から解放してくださったこと、心より感謝いたします」

「解放、ね。……あんた、自分が隔離されてたことに気づいてたのか?」


 俺が尋ねると、彼女は少しだけ悲しそうに伏し目がちになり、こくりと頷いた。


「はい。お父様たち……神代の錬金術師たちは、私という『生命の設計図』を後世に残すため、この要塞の最も安全な揺り籠に私を封じ込めました。……ですが、時が経つにつれ、要塞の防衛システムは『私を守ること』を自己目的化し、外の世界との繋がりを完全に断絶してしまったのです」


 彼女はそっと自分の胸に手を当てた。


「私はただ、誰かにこの知識を託し、新しい生命が芽吹く世界を見たかった。……でも、私の声は分厚い扉に阻まれ、システムは訪れる者すべてを排除し続けていました。……あなたが、あの扉を開けてくれるまでは」


 彼女の群青色の瞳が、真っ直ぐに俺を捉える。

 そこにあるのは、神代の兵器としての冷徹さではなく、孤独な時間を耐え抜いた一人の女性としての安堵の涙だった。


「ご主人様……」

「マスター。彼女の精神波長から、極めて強い『感謝』と『親愛』の情を検出しました」


 アミィが目頭を押さえ、サフィが静かに報告する。

 同じ人工生命体ホムンクルスである彼女たちにとって、オリジナルの孤独は痛いほど共感できるものなのだろう。


 ルビィに至っては、すでに彼女の膝元にすり寄り、甘えるように顔を擦り付けていた。


「よしよし。温かいですね、小さな妹よ」


 彼女はルビィの赤い髪を優しく撫で、ダイヤやアミィたちにも慈愛に満ちた視線を向ける。


「あなたたちを見れば分かります。……あなたを作ったこの方は、とても愛情深く、確かな技術を持った素晴らしい錬金術師なのですね」

「ああ、そうだとも! これほどの極限の『調和』を内包した命……! 生きている間にこの奇跡を拝めるなど、長生きはするもんじゃな……!」


 プリムローズが鼻息を荒くしてスレートに書き込みながら、感動のあまりボロボロと涙を流している。


「さて、と」


 俺は照れ隠しに軽く咳払いをし、彼女のベッドの傍らに腰を下ろした。


「あんたが神代の知識の塊だってことはよく分かった。これから俺たちは、世界中に散らばる他の『赤いラボ』を巡る旅に出る。……あんたには、その案内役と、俺の錬金術の『先生』をやってもらいたい」

「ふふっ。喜んで。私の持つすべての記録アカシック・レコードを、あなたに捧げましょう」


 彼女は柔らかな微笑みを浮かべ、俺の手を両手でそっと包み込んだ。

 その手は、人間と同じように温かく、柔らかかった。


「……ところで、あんたの名前はなんて言うんだ?」

「名前、ですか?」

「ああ。まさかこれからずっと『第参号マスター・コア』とか『ジェネシス・シード』なんて無骨な名前で呼ぶわけにはいかないだろ? 俺たちは家族になるんだからな」


 俺の言葉に、彼女はハッと目を見開き、それから嬉しそうに目を細めた。


「……私に与えられたのは『識別番号』だけ。名前というものは、持っておりませんわ。ですから……新しいマスターであるあなたが、私に名前を与えてはいただけませんか?」

「俺が、か」


 俺は腕を組み、彼女の姿を改めて見つめた。

 大地の女神のような豊満な体躯。すべてを包み込むような深い群青の瞳。

 そして何より、星明かりを浴びて絹のように輝く、その美しい『銀色の髪』。


「……『シルヴェリア』」


 俺がその言葉を口にした瞬間、彼女の肩がピクリと跳ねた。


「銀糸のようなその美しい髪にちなんで……『シルヴェリア』。愛称は『シルヴィ』だ。どうだ、気に入ったか?」

「シルヴェリア……。シルヴィ……」


 彼女は自分の名前を何度か舌の上で転がすように呟き、やがて両手で顔を覆って、ポロポロと真珠のような涙をこぼし始めた。


「ああ……なんて、美しい響き。……ありがとうございます、マスター。私、今日から『シルヴェリア』として、あなたと共に新しい時を歩ませていただきます」


 シルヴェリアは涙を拭い、満面の笑みで俺に抱きついてきた。

 圧倒的な母性と柔らかな感触に包まれ、俺は柄にもなくドギマギしてしまう。


「ああっ! ずるいですわ新入り(お母様)! ご主人様のお胸はわたくしの指定席ですのに!」

「えへへー、シルヴィお姉ちゃんいい匂いー!」

「合理的です。マスターの精神安定剤セラピーとして、シルヴェリア様の抱擁は極めて高い効果を発揮します」


 アミィが頬を膨らませ、ルビィが一緒に抱きつき、サフィが真顔で分析する。

 静寂に包まれていた星海のマスター・ルームは、あっという間に賑やかな笑い声で満たされた。


 砂漠の最奥で始まった、狂気の要塞ダンジョン攻略。

 一万の軍勢と神代の罠を潜り抜けた俺たち錬金術師一行は、失われた『生命錬金術』の真髄と、シルヴェリアという大人の色気と母性を兼ね備えた「新たな家族」を手に入れた。


 そしてここから、星海(地図)に記された次なる「赤い点」へ向けた、果てなき世界巡りの旅が、本当の意味で幕を開けるのだった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白かった!」「スカッとした!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、

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それでは、次回もどうぞお楽しみに!

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