表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来人が天才を迎えに来たけど自分じゃなかった  作者: summer_afternoon


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/64

「あれ?」


パチパチと目を(またた)かせる花園君。


「どうした、央治(おうじ)、大丈夫か?」


心配した(たちばな)君が花園君の肩をがしっと掴む。


「なんか変。オレ、足、痛くなねーし。焼肉食いたい」

「「「「「はあ?!」」」」」


あきれる周りの人たちに混じり、私はぎくっとした。


「とつぜん、どうした。央治?」


橘君は花園君の額に手を当てる。熱にでも浮かされたと思ったんだね。


「すっげー旨そうな焼肉の匂い、した」


花園君はいきなり、ぴょんと立ち上がってバイオリン姫をじーっと見つめる。今度はしゃがんでバイオリン姫の顔や胸に顔を近づけ、すんすんと匂いを嗅ぎ始める。


「ちょっと、花園く……ん、待って」


焦るバイオリン姫は、赤くなって右手で花園君を押しのけた。


「あれ? 右腕がヤバいって言ってなかった?」


モデルの言葉に、


「ん? 痛く……ない……かも」


とバイオリン姫は首を傾げた。

そして座ったまま、確認するようにゆっくりと右腕を動かす。


「念のために病院へ行こう」


神センがまだふらつくバイオリン姫を立たせながら言った。わざとらしい。


「大丈夫……です」


バイオリン姫はまだ意識がいつもほどではないのかも。


「ぜんぜん痛くありません」


花園君の方はいつも通り。

病院への誘いを断る2人の横で、橘君が私に話しかけてくる。


「なんかさっき、変じゃなかった?」

「え? 変って?」


しらばっくれる私。


「九条さんと央治の体が一瞬ですっげぇ動いたような」


ぎくっ


「目が疲れてるとか?」


ごまかした。2人に一瞬前と全く同じポーズを取らせるのには無理があったんだ。


「そうかも。央治もそーかも。疲れてるのかも。ははは。いきなり『焼肉食いたい』って」


橘君が笑う。


「あははは」


つられて私も笑う。ちょっと引きつり気味に。


「あれ? 焼肉の匂い、するかも」


橘君まですんすんと匂いを嗅ぎ始めた。私の。近い近い近いよ。ピンチ。


「トイレ行きたいから、先に戻るね」


私は走って逃げた。


念のため、バイオリン姫と花園君は家の人が迎えに来て、帰って行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ