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第六話 ついていく
その日、アニキは皿を置いたあと、背中を向けて歩き出した。
「……え?」
呼ばない。振り返らない。これはルール違反では?
オレはすぐには動かない。まず座る。毛づくろい。考えているフリ。
そして――ついていった。
距離は保つ。物陰を使う。途中、ジャンプをミスって「カンッ」と音が鳴ったが、誰も聞いてない。たぶん。
角を曲がった先に、あったかい匂い。危険より、魅力が勝った。
「……ま、様子見だ」オレは、アニキの後をついていった。
その日、アニキは皿を置いたあと、背中を向けて歩き出した。
「……え?」
呼ばない。振り返らない。これはルール違反では?
オレはすぐには動かない。まず座る。毛づくろい。考えているフリ。
そして――ついていった。
距離は保つ。物陰を使う。途中、ジャンプをミスって「カンッ」と音が鳴ったが、誰も聞いてない。たぶん。
角を曲がった先に、あったかい匂い。危険より、魅力が勝った。
「……ま、様子見だ」オレは、アニキの後をついていった。