【当面更新休止中・創作のネタ作りなど】日本古代史は謎がいっぱいファンタジー ▼ 天平のファンタジア拾遺集

息長真手王について

　日本書紀(公式)における「息長」の初見は継体天皇紀です。

　息長真手王というのがいて、継体天皇がその娘の麻績娘子をめとり、伊勢神宮の斎宮となった竞角皇女を産んだとあります（ちなみに舒明天皇の母親の糠手姫は伊勢大鹿首菟名子の娘なのですが、関連しているかもしれません）。

　継体天皇は、先代の武烈天皇が子なくして死亡したため、越前の三国から迎えられた天皇です。このあたりも、何となく政変があって天皇になった人物ではないかと感じさせます。

　次に「息長」が検索されるのは、継体天皇の孫の敏達天皇の代です。息長真手王の娘に広姫というのがいて、これを最初の皇后としたとあります。その広姫の子に押坂彦人大兄皇子がいるとされます。押坂彦人大兄は、舒明天皇の父親となる皇子です。

　ところがこの広姫は、皇后に立てられたその年のうちに死んでいます。その翌年に皇后に立てられたのが、後に推古天皇として即位する豊御食炊屋姫尊です。

　継体天皇の妃と孫の敏達天皇の皇后の父親である息長真手王というのが同一人物かどうかはよく分かりません。真実かどうかという観点からすれば、この息長真手王に関する伝承は、容易に信用することはできないといえそうです。