大田田根子が大物主を祀る話
三輪氏と言えば、その祖は大田田根子といわれています。
大田田根子とは、崇神天皇の時代に、大物主神を祀るよう命じられた人物です。経緯はこうです。
崇神天皇の時代、国内に疫病が流行り、治安が悪化するということがありました。そこで天照大神を豊鍬入姫命に託し、倭大国魂を淳名城入姫命に託して祀るようになりました。しかし、このうち渟名城入姫命は、髪が落ち体が瘦せ衰えて、倭大国魂を祀ることができなくなりました。これはどういうことかと占わせると倭迹迹日百襲姫命に神憑りがあって、大物主神を祀れば良いということになりました。
ところが、大物主神を祀っても、なかなか事態は好転しません。そんなあるとき、天皇が、大田田根子に大物主を祀らせれば良いという夢を見て、倭迹速神浅茅原目妙姫、穂積臣の先祖である大水ロ宿禰、伊勢麻績君が同じ夢を見て、大田田根子命を物主神を祀る祭主とし、また市磯長尾市を倭大国魂神を祀る祭主とすれば良いとする夢を見ました。
そこで茅淳県の陶邑に大田田根子を見つけて、大物主を祀らせたということです。茅渟県というのは、今の大阪府の南のあたりということです。




