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対決ベルギャルド!外道貴族をぶっ倒せ!

「因果応報とはいうけれど、必ずしも因果が正しく帰って来るとは限らない。」

                                星宮星雅

 直ぐそこまで迫ってくる矢に、男の子はもうダメかとギュッと目をつぶって苦痛に備える。

しかし、男の子の耳に聞こえてきたのは自分の肉を抉る音ではなく、キィンッという金属同士がぶつかり合うような音だった。男の子が振り向くと、そこには刀を振るった義景の後ろ姿があった。

「ギャギャ!?まさか本当に助けが来るとは驚きだギャ。・・・だギャ、お前が何処の誰でも関係無いのギャ。たった1人でベルギャルドと騎士たちに勝てる訳無いんだギャらな!」

「ギャーギャーギャーギャー・・・喧しいヤツだなぁ?言葉を並べるだけなら小童でもできるわ!文句があるなら腰の剣で語らんか!」

「その威勢が何処まで続くか試してやるギャ!お前ら、かかれギャ!」

「「「はっ!」」」

ベルギャルドの命令で鎧騎士たちが一斉にドタドタと義景へと突撃して行き、義景もまた刀を右横構えて鎧騎士たちへと突っ込んで行く。

その背後では、戦いに巻き込まれないようにコソコソと少年とクロッセルが獲物役に攫われた2人を担いで、その場からそさくさと離れて行っていた。だが、ベルギャルドが目聡く4人を見つけてしまう。

「なぁ!?獲物は渡さんのギャ!罪人風情がベルギャルドに逆らうなんてぜぇーったいに許さんのギャ!」

ベルギャルは弓に新しい病毒の矢を番え、4人を射殺そうと狙いを定める。

「っ!させるかっ!!」

「黙れ!ベルギャルド卿に逆らうからこうなるのだっ!!」

義景はベルギャルドに矢を放たせまいとするが、鎧騎士たちが取り囲み剣を振るうことで邪魔されてしまう。

そうしている間に、ベルギャルドは4人へと矢を放ってしまった!


 「危ないっ!!」

「クロッセルっ!!」

クロッセルはベルギャルドの矢から咄嗟に少年を庇った。

矢尻がクロッセルの脇腹に突き刺さり、グジュリッと嫌な音を立ててその肉を抉り、骨へ刃を突き立てる。

それがどうしたと言わんばかりにクロッセルは歯を食いしばり、右足でダンッっと勢いよく大地を踏みしめ、崩れ落ちそうな身体を支えて見せた。

「大丈夫・・・それより、早く離れるよっ!煌の旦那の邪魔をしちゃいけないっ!」

食いしばった歯の隙間からダラダラと血を流しながら、クロッセルは少年の背中を叩き急かした。

少年も言いたいことは山ほどあったが、クロッセルの覚悟を無駄にしてなるものかと全て飲み込んで見せ、その場を離れるために必死に脚を動かす。

「ギャギャ!生意気なヤツらめ!そんなに早く死にたいならさっさと射殺してやるギャ」

「やらせねぇよっ!!」

「ベギャ―ッ!!?」

「「ベルギャルド卿!!」」

ベルギャルドがまた少年たちに向かって矢を放とうとするのを、義景はベルギャルドに向けて鎧騎士の1人を力尽くで蹴り飛ばすことで阻止することが出来た。

そして主であるベルギャルドの方へ意識が削がれた鎧騎士たちを見逃すほど義景は甘い男ではない。

両手で刀を握った義景は腕を右下に伸ばし、左上に向けて斜めに振るう。

「飛翔天剣ッ!!」

義景渾身の一撃に、鎧騎士たちはみんな纏めて吹っ飛ばされた。


 「4人とも、大丈夫か!?待っていろ、今、薬探してくる!童は3人を見ておいてくれ!」

「わかった!きをつけて!」

義景は矢で射られた2人の治療のために、ベルギャルドの服を丸ごと剥ぎ取って薬を探すが何も見つからず、大急ぎでベルギャルドの拠点である船に乗り込んで、船中丸ごとひっくり返す勢いで家捜しならぬ船捜しをするが、傷薬や風邪薬はあっても、2人の矢に塗られた病毒用の薬は一向に見つからない。

「彼奴めっ!一体、薬を何処に隠しやがった!?」

焦る義景、こうしている間にも刻一刻と2人の命が削られていく。

「起きろっ!起きねぇかっ!!」

「はっ!ここは私は一体何を!?」

今度は鎧騎士たちの内の1人を無理矢理立たせて兜を剥ぐと、パンッパンッ!とビンタで叩き起こした。

「おっ、お前は・・・っ!?こんなことをしてタダで済むと思うなよっ!」

「そんなことはどうでもいいっ!!それより、薬は・・・あの矢に塗った毒の解毒薬は何処だ!?」

「はっ!何故、私が貴様にそのようなことを・・・」

素直に教えようとせず、プイッっと顔を背ける騎士の首に義景は手に握る刀の白刃を突きつけた。

さすがの騎士も首に刃を突きつけられ、自分の首からツツーと血が流れるのを感じるとそれまでの威勢はなくなり、ひっ!と小さく悲鳴を漏らした。

「もう1度だけ聞いてやる。解毒薬は何処だ?」

「しっ、知らない!ベルギャルド卿が解毒薬の持っているのを見たことも無い!」

義景は無言で刀の刃を殺さない程度に加減して軽く首に押しつけた。

「ほっ!本当なんだ!私は新米の騎士だが、古参の騎士たちも解毒薬のことは知らないと言っていた!」

「・・・・・・・・・・・・嘘だったら、お前の首は釣り餌にしてやるからな」

義景が首から刀を離すと、脅されていた騎士は腰を抜かしてドサリッとその場で座りこんだ。


 「げっ、解毒薬ぅ?そ獲物を生かす理由なんて無いんだギャら、んなもん無いに決まってるギャ!」

騎士にやったのと同じ要領で、義景はベルギャルドを脅しつけて薬の在処を聞き出そうとした。

しかし返ってきた答えは、そもそも薬が存在しないという。予想外で、そして残酷な答えだった。

義景は呆れてベルギャルドを地面に放り投げる。首を刎ねて殺すことすらバカバカしくなったのだ。

「ふんっ!」

「ギャーっ!!?!」

だが、同時にこんなヤツのためにクロッセルとイバラギが苦しんでいるのかと思うと怒りも湧いてきたので、義景はベルギャルドの股間を力尽くで踏み潰すことで憂さ晴らしをした。


 

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