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狼の亜人事件 その後

この物語はフィクションです。

 央海歴900年8月6日


10時00分  央海国・北教会


 亜人国調査団は事件発生から2日後に央海国に到着。


調査の中で判明した事として。


出動した付近の央海国軍は10人。協力組織の本物徒弟団は2人であった事。



清掃団の死者が2名、負傷者多数、その上で央海国軍の死者が3名出た時点であっても。


央海国軍と本物徒弟団は、意志疎通が出来ない事が分かった後にも、なんとか重力魔法を狼の亜人に掛けて捕えようとしていた。



しかし、狼の亜人の魔力・戦闘技術が高くて制御不能。


応援を待つと更に央海国軍の死者が増える可能性が高い。


やむなく本物徒弟団の2人が全力を出して、狼の亜人3人を殺害。



亜人国調査団は、央海国の狼の亜人に対する丁寧な配慮に感謝を述べ。


本件について結果は不幸であるが、最善を尽くした行動と認定。


亜人国・央海国共に調査内容を了解・納得。


今後も類似の事案の発生時には、同様の対応を取る事を相互に確認した。



~~~~~


 用語解説


※重力魔法(相手に対して掛けると自重が重くなり、行動に大きな支障をきたす魔法。威力には掛け手の個人差が多いが、仮に体重70kgの人を1.5倍の105kgにするだけでも行動は大きく制限を受ける。)



※狼人公(亜人国の大物の将軍。本人も狼の亜人であり、目の周囲と鼻回りに狼の毛並みが生えている。他の部分は完全に人間。)



~~~~~



 残された狼の亜人の子供1人について。


彼は生まれつき体が小さく、病弱で成長が遅かった成人である事が後に判明。


亜人国の狼人公と、狼の亜人各種族が残った彼と会話を試みたのだが。


お互いの固有言語がまったく異なり、意志の疎通は不可能。



レンタイ国より派遣の装面魔法使いについては、翻訳魔法の使用により片言で彼との会話は可能。


しかし彼と翻訳魔法の相性が悪く、1回の使用で効果時間が約2分。


結果として多くの時間を費やして、残った1名に状況の聞き取りを完了。



その結果・・・今後は、浄化予定の央海国東部の緑龍汚染地区には。


彼らの国がある事が判明。


総人口200万人の狼の亜人の国家(ガロウ国)が存在すると。



 央海国は該当する地区への浄化魔法の使用を禁止。


残った1名の狼の亜人は狼人公が引き取り、本件事故は完了した。



~~~~~



「うわー。思っていたより、ずっと深刻な結果になったわ。」


 シアプは右のこめかみに冷や汗が出てきた。



今の所は緑龍汚染地区が、自然に汚染が消滅した事は無い。


しかし、緑龍災自体が約3年半前に発生したばかり。


日も浅いのだから、何年か経過して突然に汚染が消滅、なんて事が発生する可能性もある。



 想像すると怖ろしい。


高魔力者であり厳しい戦闘訓練を積んでいる、本物徒弟団が2人居たというのに。


好戦的に戦って来た3人の狼の亜人を、重力魔法で押さえる事が出来ない。


その狼の亜人が央海国の東部に200万人。



 この狼の亜人の国(ガロウ国)に備える為には、更なる軍事力が央海国には必要だ。


しかし、そうなると各国共に下手をすると、軍拡競争状態に発展するのではないか。



 うーん、お兄ちゃんにも懇々と話して、しっかり情報を共有しないと。


後は・・・不明大司教様もお気付きと思うけど、念の為に報告書を書いて送ろう。

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