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ガルベスの疑問

この物語はフィクションです。

 央海歴900年7月5日


9時00分  央海国・北教会


 央海国はミスラ諸大陸の中央にある。


ミスラ諸大陸はほぼ正方形という、とても分かり易い地形をしている。


地図を見ると、東西の距離・南北の距離がほぼ同じ。


更に4隅はほぼ90度の角度となっており、見た目は正に正方形そのものだ。



そのミスラ諸大陸の北海から南海に掛けて、ほとんどの地点で幅70kmの海が、ミスラ諸大陸を東西に分断している。


東西のほぼ中間地点でその海の分断があるので、東側と西側はほぼ同じ面積だ。



そして更にミスラ諸大陸の東海から西海に掛けて、こちらも幅70kmの海が、ミスラ諸大陸を南北に分断している。



色々と言ったが簡単に言うと、食パン1枚を縦横4分割した形というと分かり易いと言われている。


その分断をしているのが何処でもほぼ、幅70kmの海と言う事だ。



央海国は幅70kmの海で4分割された、ミスラ諸大陸の交差点にある。


交差点にある巨大な島がまるまる央海国だ。



央海国は地形が海運に恵まれた国土である為に、海の物流の中心地として長期の発展を遂げている。


緑龍災発生前の国力ランキングは2位。


そして経済規模はランキング1位の超大国だった。



~~~~~



央海国は緑龍災の3年間の間に、海路の周辺国の衰退・更に自国の食料危機による内乱で国力を大きく落とした。


しかし今も超大国である事に違いは無かった。


また緑龍災の終結後は、急速な貿易取扱量の回復により、国力は上昇傾向にある。



その央海国だが緑龍災終結後から、大々的に央海国軍を増強している。


緑龍災での減少分を補うだけでなく、予算を大々的に投入して更に人数を増やしている。


その上で央海国軍に厳しい訓練を課して、軍の練度を上げようと躍起になっている。



「シアプ、僕には正直分からないよ。


どうして央海国がこんなに軍事に注力しているんだ。


それに僕らには有難いけれど、尻女神教徒を増やし易い様に、国の予算を掛けてくれているよ。


僕達のいる北教会と西部にある西教会は、央海政府が陰に陽に支援してくれているしね。



何故央海国はこんな事をしてくれるんだ?。


緑龍災が終わって平和になったんだから、軍事と尻女神教徒対策に予算を割くよりも。


お家芸の海運と国内の都市運営に注力して、国力を増大した方が得だろうに。」



「私も調べているけど、確かに理由は分からないわ。


央海国は国民・難民の区別なく、教育面でも尻女神教徒への心理的抵抗を無くそうとしているわ。


『尻女神教徒になる事は、特別な事じゃないんですよーー。』ってね。


まるで央海国は、自国に居る人が尻女神教徒になる事を奨励している様だわ。」



「央海国はこの件について、資金の面でも予算をつけて動いている。


3カ所の尻女神教会(東南教会・西教会・そしてガルベス達のいる北教会)に対して。


遠方からでも央海国が無償で人を送ってきている。


当座の生活費まで持たせて。


一体何が目的なんだろう。


こんな事をしても央海国には直接的な利益があるとは思えないのに。」



「うーん、まだ私にも分からないけど・・・。


私達には好都合なのは間違い無いわ。


明日レンタイ国から北教会に30人の応援が到着するわ。


今の内に増やせるだけ信者を増やしましょう。」



(シアプは前向きに考えているけど、自分としては央海国の真意がはっきりしないのは気になる所だ。


央海国はどうして今、軍事力の増強っていう政策を取っているのだろう。


もしかして、戦争に備えているのだろうか。



いやいやまさか、そんな訳は無い。


緑龍災が終わってまだ半年も経っていないんだぞ。


今の央海国の状態から他国と戦争なんてあり得ない。


でもじゃぁ何で軍事力の増強なんてしているのか、理由が分からない。)

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