大坂城の資材を第3層まで搬入
この物語はフィクションです。
西暦1582年6月15日
5時00分 近江国・安土城
「久太郎殿。おはようございます。
大坂城の資材なのですが、当面必要な資材を第3層まで置いて来ました。
これならば工事は相当捗るはずです。」
「ガルベス殿。・・・真に何から何までして頂きありがとうございます。
あの少しお聞きしても宜しいでしょうか?。」
「ええ構いません。何でしょうか?。」
「今後の日の本の理想の姿について、ガルベス殿はご意見がありますでしょうか。
織田家は先月の5月21日以降、怖いくらい順調に勢力拡大が出来ています。
急激な膨張が起きているとも言えます。
・・・私自身、大殿の近侍として無官位だった者が、瞬く間に正四位下・参議に任じられています。」
「成程、急激に状況が変わってきているので、今後の見通しが不透明という事ですか。」
「はい。そこでガルベス殿は『別大陸行き』で、多数の国家の興亡を見てこられたと思います。
率直に今後の織田家・日の本の理想。
こうあれば上手く国家運営が出来るのではないか、というお考えがあるかと。
ガルベス殿、教えて頂けませんか。」
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6時00分 同
「・・・~~~・・・、日向守。久太郎。
今のガルベス殿の話。要点を纏めると。
日の本は海洋国家を目指した方が良いという事か。」
「・・・、今の世界は南蛮の国家であるスペインの天下。
2年前に隣国のポルトガルを実質的に支配している。
スペイン国王フェリぺ2世が、ポルトガル国王を兼任。
スペインは広大な植民地を保有。
『太陽の沈まぬ国』として、世界に君臨している。」
「そして旧教のスペインに対抗するべく、新教のイングランドとオランダが勢力を伸ばしている。
数年後にはスペイン・ボルトガル陣営と、イングランド・オランダ陣営が大規模な戦争に突入する見込み。」
「これらの勢力に対抗する為には、日の本として国家体制を改め。
織田家による日の本統一の後には、国の力を結集して外国と対峙すべし。
日の本は国家として天皇を最上位としながら、織田家が政治の実権を握り。
国家としての方針を定めて活動を続ける。」
「具体的には日の本海軍の創設。
軍船・民間船の大量新造。各地に海軍学校・海洋学校を創設。
国民の多数を海で働く者として、海外の勢力と戦う為の戦力を作り出す。」
「織田家による日の本統一の後の、差し当たっての行動としては。
北方は蝦夷(北海道)、その北にある樺太、東にある千島列島まで、日の本の領土して相当な人数の定住を行う。
西方は琉球(沖縄)を支配下に置く。
また高砂国(台湾)との境界にある島嶼(尖閣諸島)までを、同じく相当な人数を送り込んで定住を行う。」
「南方についてはグアム島・サイパン島までを、同じく相当な人数を送り込んで定住を行う。
東方については遠く遠く離れたハワイ諸島まで、同じ行動を取る。」
「この地域までを日の本の領土として、今後10年を目処に固めた上で。
海外の勢力と戦う力を養っていく。」
「安易に明や朝鮮とは戦わない。
彼らは進んだ国家体制があるのだから、無暗に戦うと多大な戦力を損耗する。
そして日の本の統治等、絶対に受け入れない。
彼らは進んだ国家体制、支配等出来ない。
大きな反発を生んで大損する未来しかない。」
「明や朝鮮とは経済交流を小規模にするだけに留める。
目先の領土に囚われて侵攻などしてしまうと。
明や朝鮮と泥沼の戦いになってしまうので、絶対に避ける事。」
「必要ならば日の本側が辞を低くして、朝貢貿易や勘合貿易の類を小規模に行う。
あくまで相手方を立てて、決して深入りしない。」
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6時30分 同
「これがガルベス殿の考える、今後の日の本の青写真か。
この通り行くとはもちろん限らないが、参考になる意見だな。」
「大殿。我らの日の本統一を急ぎましょう。
我らもガルベス殿の見解の一部は、既に持っていました。
スペイン・ボルトガル陣営と、イングランド・オランダ陣営の対立等は知っていました。」
「しかし具体的な対抗策などは見えていなかった。
今はレンタイ国の力・ガルベス殿の力がある内に。
早く外国勢力と対抗出来る力を付けましょう。」
「日向守・・・、そうだな。明・朝鮮に安易に侵攻しない・・・。
必ず大きな反発を生んで、国力を対応に取られるばかりで。
肝心の南蛮等の諸国へ当てる、戦力も資源も浪費するとは・・・。
儂は将来の腹案として明への侵攻を考えていた。」
「明を支配下に置く事で、日の本の国力を増して、南蛮諸国に対抗しようとしていた。
しかしそれはガルベス殿の見解では悪手。
それよりも人の少ない各地を、日の本の領土に組み込んで実行支配すべしか。」
「参考に・・・、今後の日の本運営の参考にすべしだな。」




