ご正室様よりの依頼
この物語はフィクションです。
西暦1582年6月14日
7時15分 近江国・安土城
「あっ、はい?。久太郎殿、ご正室様(帰蝶様)から呼び出しですか。」
「はい。ガルベス殿。真に申し訳ございませぬ。
ご正室様が是非共、ガルベス殿に頼みたい事があると仰せでして。
大殿からもお願いしますと伺っております。」
「もちろんお伺いします。バームクーヘンの移動販売は一旦辞めますので。」
(何だろうか?。大殿様も頼まれるとは?。
どこの世界も旦那は奥様に弱い物だ。
大殿様も例外では無いのか。
何だろう、このバームクーヘンの移動販売を聞いて。
前に大量にお渡しした菓子類が、また欲しいのだろうか。
もちろんそれなら幾らでもお渡しするのだが。)
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7時30分 同
「・・・という訳でガルベス殿。何か良い方法はありませんでしょうか?。」
「帰蝶様。お話と致しましては、現織田家当主・三位中将信忠様の嫡男。
三法師様が数日前から安土城に来られていると。
ただ3日前から高熱を発して苦しんでいると。
医師の治療も加持祈祷も効果が現れず、このままでは危険な状態ですか。」
「はい。私としては大切な孫。織田家にとっても三法師は嫡孫になります。
このままでは・・・。」
「私にどうこう出来るかどうか分かりませんが。
三法師様に会わせて頂けますか?。」
「はい。どうか、どうか宜しくお願い致します。
私も藁を掴む思いで・・・。」
(あっ、これはイカンわ。高熱で体力が激減しとる。
これはこのままだと半日で死ぬな。)
(ま、僕ならば大丈夫だ。はい、『極弱回復魔法』。
取り合えず2分掛けよう。それでもう命の危険は無くなるな。)
「おおっ!。三法師様の熱が下がっていく!。」
「お顔にも血色が戻って来たぞ、いつもの顔色だ!。」
「帰蝶様。もう危険は無くなりました。
後はですね、このスポーツドリンクを2倍の水で薄めた物を。
ゆっくりゆっくり飲ませてあげて下さい。」
「昼には食欲が出て来る見込ですので、このバナナを少しずづ食べさせて。
後は三法師様が欲しがれば、焼き芋や卵ボーロや小魚味醂干し。
チーズと野菜乾燥スナックと果物各種も多数置いておきます。」
「もし、もっと食べたいと言っても、食事の後は3時間程は間を開けてから。
様子を見ながら少しずつ食べさせてあげて下さい。」
「ガルベス殿!。ありがとうございました!。
三法師を回復して頂き、どの様なお礼をすれば良いでしょうか。」
「お礼は別に必要ありませんよ。
三法師様が無事に回復して私も嬉しいですよ。」




