後継者の健康状態はどうか
この物語はフィクションです。
西暦1582年6月13日
18時50分 近江国・長浜城
「寧々。於次丸秀勝(織田信長の四男・羽柴秀吉の養嗣子)殿の様子はどうだ。」
「お前様。今は熱も引きましたので、数日後には床払い出来るものかと思われます。」
「無理か?。」
「それは秀勝殿には武士は務まらぬ、という意味でしょうか?。」
「ふむぅ~難しいのぅ・・・、こうも何度も熱を出すという事は。
秀勝殿を養嗣子(家督を継がせる事を目的として迎えられた養子)として、大殿から貰い受けたのだが。
武士は耐えられぬとなれば、また難しい事になるのう。
羽柴家の家督についてなぁ~。」
「お前様、秀勝殿は確かに病弱ですが。
元気な時には利発でございます。
下々の者にも優しく無理無体を言う事もありません。
他の大殿のお子様達と比べると、穏やかな気性。
これから平和な世になる見通しでは、理想的な跡取りですよ。」
「それは良く分かっている。だが健康がのうぅ~。」
「お前様、よ~~く思案の為所ですよ。
羽柴家の後継者は大殿の四男様。
それはつまりお前様が幾ら稼いで褒美・恩賞を得ようが。
相続するのは大殿からすると自分の子。」
「ぬぅ~、それは良く分かっている、だがな。」
「林佐渡守通勝様。佐久間右衛門尉信盛様。
御二人の轍を羽柴家は踏む事は決して無い。
どのような失態・不始末を起こそうとも絶対に無い。
なぜなら羽柴家は後に秀勝殿が相続するからです。」
「・・・、間違い無いなそれは。そんな事が有り得るのは、織田家中でも我が家だけだな・・・。」
「本来の跡取りである石松丸が夭逝した際に、お前様と私で話し合って決めた事。
於次丸秀勝殿を養嗣子として迎え入れる。
秀継殿はもう14歳。無理をさせずにしっかりと体力作りに取り組めば。
そうそう夭折する心配はありませぬ。
どうしても身体がついて行かぬという以外は。
他の後継ぎを考える等、家中が乱れる元ですよ。」
「医師を・・・京より来てもらおう。
普段の秀勝殿の生活を見直して、体力が付く様にしよう。
そうだな、寧々の言う通りだ。下手な事を先回りして考えるのは良くないな。」




