悪い噂
この物語はフィクションです。
西暦1582年6月13日
10時00分 近江国・安土城
「おい聞いたか。関東の北条によう、空飛ぶ蜥蜴の化け物が出たってよ。
なんでも八王子って所と、本拠地の小田原城内に出て、数百人が殺されたってよ。」
「ああ、さっき俺は聞いたよ。
あれっ、俺が聞いたのは伊豆国の韮山と、武蔵国の河越に出たってきたぞ。」
「へぇ~、何かさぁ。色々出てるんじゃねぇかそれ。
俺がさっき聞いたのはさ、下総国の逆井って所と、上野国の鉢形って所だって話だったぞ。」
「何言ってんだよ。武蔵国の滝山だよ。それと同じ武蔵国の小机だよ。
あれっ、おいもしかしてだけどさ。
これだけ話が食い違うって事はだよ。
一杯出てるんじゃないか、その空飛ぶ蜥蜴の化け物はさぁ。」
(おいおい、何ですと(*^^*)。
僕が昨日までの8日間に、織田家への引継ぎで大騒ぎしている最中に。
緑龍が複数頭、関東に出てるんじゃないの?。
これはマズイ。久太郎殿に話して現地調査に行かねば。)
~~~~~
10時10分 同
「という訳で久太郎殿。
関東から遠く離れた安土城まで噂が届いています。
緑龍が複数頭、関東に出現しているかと思われます。」
「・・・、ガルベス殿。少しお話の時間を頂けませんか?。」
「私は構いません。」
「ふう~、今現在。織田家と北条家は友好関係にあります。
北条家は織田家に対して恭順の姿勢。
このまま情勢が進めば織田家の天下統一の過程において。
いずれ北条家は織田家の軍門に下る見通しです。」
「はい。状況からするとその通りでしょうね。」
「大殿は・・・、関東を支配する北条家をそのままにはしない・・・。
北条家の推定石高は230万石~260万石と、織田家は見積もっています。
・・・、欲しいですね。北条家がそんな大勢力を温存するのは、織田家としては望ましくはない。」
「徳川家(約70万石)・毛利家(約95万石)と近い水準。
あるいはもっと削って約50万石程度の勢力としてしまいたい。
そして削った分は織田家の取り分にしたい。」
「大きな声では言えませんが、大殿の偽らざる本音かと推察。
今回のその緑龍被害、北条家は大変なれど。
織田家は敵の混乱に乗じて、土地を奪いたい。」
「・・・、久太郎殿。
戦争ですから、私は別に織田家の方針をどうこう言う積りはありません。
将来的に傘下に加わるにしても、北条家が大勢力のままでは織田家は面白くない。
出来るなら織田家の歯向かえぬ程度の力に押さえたい。
そして織田家としては土地を奪って、我が物にしてしまいたい。」
「金銀財宝・茶器・官位・感状・銭・・・、もちろん褒美として魅力的な物ですが。
何と言っても恩賞・褒美は土地。
土地は唯一の生産場所、土地に勝る褒美等、本当は無いはず。
と・・・多くの武士は考える。土地こそが恩賞・褒美の王様です。」
「北条家にむざむざ230万石~260万石を残す理由は無い。
織田家も土地は欲しい。配下への恩賞・褒美に使いたい。
もちろん自身の生産場所としても、北条家の支配地が欲しくてしょうがありません。」
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10時40分 同
その後も久太郎殿と話し合って、僕が北条家の調査に行く事が決まった。
ただ現地の北条家の情報は、久太郎殿も真剣に欲していたので。
調査にて見知った物事は、久太郎殿に共有する事を約束した。」




